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8話
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エマside
私が玄関に向かい扉を開けるとジュンは真っ赤な薔薇の花束を持って立っていた。
J「はい…誕生日プレゼント。」
ジュンはそう満足気に私にプレゼントを渡し…玄関にあるテルキの靴を見て顔色が変わった。
J「誰か…来てるの?」
*「うん…来てるよ…」
J「そっか…お客さんがいるなら今日は遠慮しとこうかな?また、来るよ。」
そう言ってジュンが帰ろうとするので私はジュンの腕を掴んだ。
*「なんで?気づいてるんでしょ?なんで…知らないふりするの?」
私がそう問いかけると、ジュンは優しい笑顔なのに全く目は笑っていなくて、その顔のまま私を見つめた。
J「何のことだろ?何のことだか俺には分からないな…じゃね?おやすみ。」
ジュンはそう言って私の唇にキスをしようとしたので、思わず私はそのキスを避けた。
すると、ジュンは小さく私の耳元で舌打ちをした。
J「チッ…面倒くせぇな…。」
その言葉を聞いて私の身体は強張る。
J「なんだよ…早く言えよ。あぁん?何が言いたいんだよ?テルキか?テルキと浮気してるって俺に言いたいのか?」
まるで人が変わってしまったかのようなジュンに思わず私は後退りし壁にもたれ掛かると、ジュンはドンッ!!っと私の顔の真横の壁を叩きつけた。
そして、その音を聞きつけたテルキが驚いた顔をしてリビングの扉を開き出てきた。
T「何してんだよ…ジュン…」
J「ほ~らやっぱり。テルキと会ってるじゃん?この口はホント嘘つきだね?」
ジュンはそう言って荒っぽく私の顎を下から掴み左右に振った。
T「やめろよ!!」
テルキはその光景を見て私の腕を引っ張り自分の背中に私を隠した。
J「これじゃどっちが彼氏か分かんないね…?で?俺と別れたいとでも言うのか?」
ジュンは微かに笑みを浮かべながら言った。
*「私たち…一緒にいても意味ないよ…ごめんね…別れよ?」
J「はぁ?wもうマジでウケるw なんだそれw 俺が今までどれだけ我慢してきたか…分かってんの?」
*「ジュンだってユマと浮気してるくせに…」
私の言葉にジュンは笑いながら天を仰いだ。
J「お前は何も分かってないな…?ユマはただの性欲を満たすだけの女…もう、うんざりだよ…お前みたいな女を好きなフリをするのは!!」
ジュンはそう言ってテルキの背中に隠れる私の腕を掴もうとしたので、私はジュンのその手を避けた。
*「好きな…ふり…?」
J「お前みたいな女、一度だって好きなんて思った事なんてねぇよ!!俺が…俺が好きなのは…………テルキ…お前だよ!?」
*「え……?」
私は思いも寄らない名前に固まり言葉を失ったのに、テルキの目は全てを知っていたかのような目をしてジュンを見ていた。
J「好きな人が自分に振り向いてくれない気持ち…エマには分からないよね?どんなにテルキを愛しても俺たちは男同士で…その純粋な気持ちさえ伝えることすら間違ってるみたいで…そんな俺の気持ちエマに分かる?いつもお前を抱きながら!テルキがお前の身体に残したシルシを探して…テルキを想う俺の気持ち…お前には絶対分からないだろ!!」
ジュンは顔を悲痛に歪め右目からぽろっと涙が伝い落ちた。
*「ジュン……私…」
J「黙れっ!!お前の言葉なんて聞きたくないだよ!!」
ジュンはそう叫び怒りに満ちた拳を壁に強く叩きつけた。
すると、テルキが落ち着いた声でゆっくりと話し出した。
T「ジュン…ごめんな…俺は気づいてたよ。ジュンの気持ちもジュンが俺たちにした事も全部。エマのスマホを取って講義室に置いたのも、ユマに俺とキスするように指示したのも、傷ついたエマを慰めて好きでもないのに付き合おうって言ったのも…全部知ってた。」
J「気付いてるくせに…お前はなんでなんも言わねぇんだよ……」
T「エマが…エマがジュンのこと本気で好きなんだと俺は思ってたから。だけど俺もエマが諦められなくて…2番目でもいいって思ったんだ。」
テルキがそう言うとジュンは悲しそうに微かに震えていた。
T「ジュン…もうこんなの終わりにしよう…」
J「それはもう…テルキのこと忘れろって意味かよ?俺はこんなに愛しても愛しても伝わらないのにエマは無条件にテルキに愛されて…のほほんと生きて…そんなエマがずっと憎くくて大っ嫌いだった。なのに…俺はお前を忘れなきゃ…諦めなきゃいけないのかよ…」
T「ジュン…もうやめよう…こんな事してもジュンが傷つくだけだろ……」
J「もう傷つく心も残ってねぇよ…別れろってテルキが言うならエマとは別れてやる…でも俺はテルキを忘れたりしない…絶対に忘れないよ…」
ジュンはそう言って私の方をチラッと見て玄関からでていこうとする。
*「待って…!!」
私がそう叫ぶとジュンは背中を向けたまま立ち止まった。
*「…私…ジュンがくれた優しさは本物だって…信じてるから…」
私がそう言うとジュンはチラッと振り返り笑った。
J「そんなだから…お前のこと大っ嫌いなんだよ…バカやろ…」
ジュンはそう吐き捨てるように言って玄関から出て行った。
T「エマごめん…ジュンとちょっと話してくるから中で待ってて…」
テルキはそう私に言い残し、慌ててジュンの後を追いかけて行った。
つづく
私が玄関に向かい扉を開けるとジュンは真っ赤な薔薇の花束を持って立っていた。
J「はい…誕生日プレゼント。」
ジュンはそう満足気に私にプレゼントを渡し…玄関にあるテルキの靴を見て顔色が変わった。
J「誰か…来てるの?」
*「うん…来てるよ…」
J「そっか…お客さんがいるなら今日は遠慮しとこうかな?また、来るよ。」
そう言ってジュンが帰ろうとするので私はジュンの腕を掴んだ。
*「なんで?気づいてるんでしょ?なんで…知らないふりするの?」
私がそう問いかけると、ジュンは優しい笑顔なのに全く目は笑っていなくて、その顔のまま私を見つめた。
J「何のことだろ?何のことだか俺には分からないな…じゃね?おやすみ。」
ジュンはそう言って私の唇にキスをしようとしたので、思わず私はそのキスを避けた。
すると、ジュンは小さく私の耳元で舌打ちをした。
J「チッ…面倒くせぇな…。」
その言葉を聞いて私の身体は強張る。
J「なんだよ…早く言えよ。あぁん?何が言いたいんだよ?テルキか?テルキと浮気してるって俺に言いたいのか?」
まるで人が変わってしまったかのようなジュンに思わず私は後退りし壁にもたれ掛かると、ジュンはドンッ!!っと私の顔の真横の壁を叩きつけた。
そして、その音を聞きつけたテルキが驚いた顔をしてリビングの扉を開き出てきた。
T「何してんだよ…ジュン…」
J「ほ~らやっぱり。テルキと会ってるじゃん?この口はホント嘘つきだね?」
ジュンはそう言って荒っぽく私の顎を下から掴み左右に振った。
T「やめろよ!!」
テルキはその光景を見て私の腕を引っ張り自分の背中に私を隠した。
J「これじゃどっちが彼氏か分かんないね…?で?俺と別れたいとでも言うのか?」
ジュンは微かに笑みを浮かべながら言った。
*「私たち…一緒にいても意味ないよ…ごめんね…別れよ?」
J「はぁ?wもうマジでウケるw なんだそれw 俺が今までどれだけ我慢してきたか…分かってんの?」
*「ジュンだってユマと浮気してるくせに…」
私の言葉にジュンは笑いながら天を仰いだ。
J「お前は何も分かってないな…?ユマはただの性欲を満たすだけの女…もう、うんざりだよ…お前みたいな女を好きなフリをするのは!!」
ジュンはそう言ってテルキの背中に隠れる私の腕を掴もうとしたので、私はジュンのその手を避けた。
*「好きな…ふり…?」
J「お前みたいな女、一度だって好きなんて思った事なんてねぇよ!!俺が…俺が好きなのは…………テルキ…お前だよ!?」
*「え……?」
私は思いも寄らない名前に固まり言葉を失ったのに、テルキの目は全てを知っていたかのような目をしてジュンを見ていた。
J「好きな人が自分に振り向いてくれない気持ち…エマには分からないよね?どんなにテルキを愛しても俺たちは男同士で…その純粋な気持ちさえ伝えることすら間違ってるみたいで…そんな俺の気持ちエマに分かる?いつもお前を抱きながら!テルキがお前の身体に残したシルシを探して…テルキを想う俺の気持ち…お前には絶対分からないだろ!!」
ジュンは顔を悲痛に歪め右目からぽろっと涙が伝い落ちた。
*「ジュン……私…」
J「黙れっ!!お前の言葉なんて聞きたくないだよ!!」
ジュンはそう叫び怒りに満ちた拳を壁に強く叩きつけた。
すると、テルキが落ち着いた声でゆっくりと話し出した。
T「ジュン…ごめんな…俺は気づいてたよ。ジュンの気持ちもジュンが俺たちにした事も全部。エマのスマホを取って講義室に置いたのも、ユマに俺とキスするように指示したのも、傷ついたエマを慰めて好きでもないのに付き合おうって言ったのも…全部知ってた。」
J「気付いてるくせに…お前はなんでなんも言わねぇんだよ……」
T「エマが…エマがジュンのこと本気で好きなんだと俺は思ってたから。だけど俺もエマが諦められなくて…2番目でもいいって思ったんだ。」
テルキがそう言うとジュンは悲しそうに微かに震えていた。
T「ジュン…もうこんなの終わりにしよう…」
J「それはもう…テルキのこと忘れろって意味かよ?俺はこんなに愛しても愛しても伝わらないのにエマは無条件にテルキに愛されて…のほほんと生きて…そんなエマがずっと憎くくて大っ嫌いだった。なのに…俺はお前を忘れなきゃ…諦めなきゃいけないのかよ…」
T「ジュン…もうやめよう…こんな事してもジュンが傷つくだけだろ……」
J「もう傷つく心も残ってねぇよ…別れろってテルキが言うならエマとは別れてやる…でも俺はテルキを忘れたりしない…絶対に忘れないよ…」
ジュンはそう言って私の方をチラッと見て玄関からでていこうとする。
*「待って…!!」
私がそう叫ぶとジュンは背中を向けたまま立ち止まった。
*「…私…ジュンがくれた優しさは本物だって…信じてるから…」
私がそう言うとジュンはチラッと振り返り笑った。
J「そんなだから…お前のこと大っ嫌いなんだよ…バカやろ…」
ジュンはそう吐き捨てるように言って玄関から出て行った。
T「エマごめん…ジュンとちょっと話してくるから中で待ってて…」
テルキはそう私に言い残し、慌ててジュンの後を追いかけて行った。
つづく
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