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第三十話
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純太サイド
アヨさんと個室を出たらそこにはユオがいた。
全身の血の気が引くとはこういうことなんだな…
しかし、ユオの様子がおかしい。
心配になった俺がアヨさんの腕を力強くで振り払い、ユオに近づき支えながら立ち上がらせようとしたその瞬間…
Y「触んないで!!」
ユオはそう叫んだ。
その言葉に俺は固まり、思わずユオから手を話してしまう。
今の俺に言ったんだよな…?
回らない頭でそうぼんやりと考えているとアヨさんが俺の腕を引っ張った。
A「ねぇ…ほっといて欲しいみたいだし行こう?純太?」
すると、ユオの後ろから真人くんが早足で現れ、ユオに駆け寄る。
なんで…ユオと真人くんが一緒にいるんだ?
俺の頭の中はさらにパニックになり何も考えられない。
2人はまるで恋人のように寄り添い、ユオは真人くんに身を任せている。
そして、ユオを見つめる真人くんの目は男の目をしていた。
ユオをこんなに飲ませて一体どういうつもりだよ…
2人はいつの間に連絡先を交換したんだろう?
頭には聞きたい事だらけなのに俺は何も言えなかった。
ユオは俺と目を合わせることなく真人くんに支えながら俺の前から去っていった。
なんだよ…俺だったら嫌なのに…
真人くんになら支えてもらうのかよ…
俺は真人くんに支えてもらってるユオの背中をぼんやりと眺めていた。
A「あの子…写真の子だよね?酔ってるとはいえ…感じ悪いね?ねぇ?純太…ウチで飲み直さない?」
アヨさんはそう言ってまた、俺の腕に絡みついてくる。
J「アヨさんごめん…店の前にタクシー来てるから1人で帰ってもらえる?」
俺は今…男として最低な事言ってるのは分かっている。
でも、今はもう正直、アヨさんの事を構う余裕なんてなかった。
A「えっ?イヤよ…純太と一緒に帰りたい…」
俺の腕に絡みついてるアヨさんの力が強くなった。
J「アヨさん…」
A「…なんでそんな事いうの…?私…さみしいよ…」
今更そんな事言うなんてズルいよ。
散々、俺を振り回して捨てたくせに。
俺は少し強引にタクシーの前までアヨさんを連れていった。
その間もアヨさんはずっと、一緒に帰ろう?
一緒にいたいの…さみしい…
その言葉を繰り返していた。
アヨさん…
俺もユオと出会うまではアヨさんと同じ気持ちだったかもしれない。
まだ、古傷が痛んでいたのは事実だから。
でも、もう今は…
少し違ってきてるって自分でも思うんだ。
俺は腕に絡みついてるアヨさんを無理やり引き剥がしタクシーに乗せた。
J「アヨさん…ごめん…気をつけてね?」
A「純太…連絡先変わってない…?また、連絡するから…」
J「わかった…」
わかったよ…
もう…わかったから…アヨさん…
俺はタクシーを見送って店へと戻った。
つづく
アヨさんと個室を出たらそこにはユオがいた。
全身の血の気が引くとはこういうことなんだな…
しかし、ユオの様子がおかしい。
心配になった俺がアヨさんの腕を力強くで振り払い、ユオに近づき支えながら立ち上がらせようとしたその瞬間…
Y「触んないで!!」
ユオはそう叫んだ。
その言葉に俺は固まり、思わずユオから手を話してしまう。
今の俺に言ったんだよな…?
回らない頭でそうぼんやりと考えているとアヨさんが俺の腕を引っ張った。
A「ねぇ…ほっといて欲しいみたいだし行こう?純太?」
すると、ユオの後ろから真人くんが早足で現れ、ユオに駆け寄る。
なんで…ユオと真人くんが一緒にいるんだ?
俺の頭の中はさらにパニックになり何も考えられない。
2人はまるで恋人のように寄り添い、ユオは真人くんに身を任せている。
そして、ユオを見つめる真人くんの目は男の目をしていた。
ユオをこんなに飲ませて一体どういうつもりだよ…
2人はいつの間に連絡先を交換したんだろう?
頭には聞きたい事だらけなのに俺は何も言えなかった。
ユオは俺と目を合わせることなく真人くんに支えながら俺の前から去っていった。
なんだよ…俺だったら嫌なのに…
真人くんになら支えてもらうのかよ…
俺は真人くんに支えてもらってるユオの背中をぼんやりと眺めていた。
A「あの子…写真の子だよね?酔ってるとはいえ…感じ悪いね?ねぇ?純太…ウチで飲み直さない?」
アヨさんはそう言ってまた、俺の腕に絡みついてくる。
J「アヨさんごめん…店の前にタクシー来てるから1人で帰ってもらえる?」
俺は今…男として最低な事言ってるのは分かっている。
でも、今はもう正直、アヨさんの事を構う余裕なんてなかった。
A「えっ?イヤよ…純太と一緒に帰りたい…」
俺の腕に絡みついてるアヨさんの力が強くなった。
J「アヨさん…」
A「…なんでそんな事いうの…?私…さみしいよ…」
今更そんな事言うなんてズルいよ。
散々、俺を振り回して捨てたくせに。
俺は少し強引にタクシーの前までアヨさんを連れていった。
その間もアヨさんはずっと、一緒に帰ろう?
一緒にいたいの…さみしい…
その言葉を繰り返していた。
アヨさん…
俺もユオと出会うまではアヨさんと同じ気持ちだったかもしれない。
まだ、古傷が痛んでいたのは事実だから。
でも、もう今は…
少し違ってきてるって自分でも思うんだ。
俺は腕に絡みついてるアヨさんを無理やり引き剥がしタクシーに乗せた。
J「アヨさん…ごめん…気をつけてね?」
A「純太…連絡先変わってない…?また、連絡するから…」
J「わかった…」
わかったよ…
もう…わかったから…アヨさん…
俺はタクシーを見送って店へと戻った。
つづく
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