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第二十九話
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ユオサイド
あぁ~飲みすぎた~。
さすがに今日は昼間っから飲んでるしちょいキツイかも…
そう思いながらも私の飲む勢いを止まることを知らなかった。
S「ユオちゃん、飲み過ぎじゃない?大丈夫?」
Y「あっ大丈夫です。私の事なんて気にしないでください。」
私ってホント可愛くない女だって自分でもわかっている。
でも、今、誰かに優しくされると豆腐メンタルな私は泣いてしまいそうだからお酒に逃げて誤魔化しているんだ。
M「でも、ホントにユオちゃん顔色悪いよ?」
私「大丈夫ですから。ちょっと…お手洗いへ…。」
ふっと立ち上がった瞬間、想像していたよりも体がいうことを聞かずもう、自分でも限界が近いことがわかった。
美「ユオ、一人で行ける?」
Y「うん。行ける行ける!美沙しゃんありがと~」
呂律すら回らなくなった私は個室を出てお手洗いへ向かった。
あぁ~薄暗くてオシャレ過ぎてトイレの場所が分からない!
トイレがコッチ来い!
この迷路みたいな作りの店は酔ってる人間をさらに酔わせる。
あぁ~足元だいぶフラついてるな~なんてとぼとぼと歩いてたら横の個室の扉が開き、何気なくそちらに視線を向けて私は固まった。
J「え…ユオ…」
Y「えっ…純太くん…」
そう、そこにいたのは私のお誘いを真人くんと練習があると嘘をついて断ったはずの純太くん。
A「純太?ど~したの~?」
なのに純太くんは今、私の目の前で綺麗な女の人と腕を組んでいい感じの雰囲気を醸し出している。
なんだよ…練習とか嘘ついて女とデートかよ…そう心の中で悪態をつくと突然、グラグラグラグラと頭の中が揺れ始めた。
おっ?なんだ?地震か?
あっ…違う…私は思わずその場にしゃがみ込む。
J「ユオ!大丈夫!?顔色悪いよ?」
純太くんはそう言って私に近づいた。
Y「大丈夫です。ほっといてください。」
J「ほっといてって…ほっとけるワケないだろ?ほら、立てって。」
私はなんて惨めなんだろ?
方や綺麗な女。
方や酔い潰れた冴えない女。
純太くんの優しさが余計に傷つく。
純太は私の腕を取り、腰を支えながら立ち上がらせようとしたその時…
Y「触んないでよ!!」
思わずそう大声が出てしまった自分に自分でも驚いた。
そんな事が言いたわけじゃない。
昨日はありがとう。なんで今日は会えなかったの?練習って言ってたのに。この人は誰?
って聞きたかっただけ。
なのに私は一体、何に取り乱しこんなにも心が穏やかじゃないのだろう?
J「ユオ…」
A「ねぇ…この人ほっといて欲しいみたいだし行こう?純太?」
純太くんの隣にいる女性がそう言った。
あなたは一体誰?
もうヤダ…だれか助けて…この場所から逃げたい…
でも、足が思うように動かない。
すると、どこかから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ユオちゃんどこ~ユオってば!」
ここだよ…一人じゃ歩けないよ…
早く…来て……この惨めな状況から助けて…
私はもう、話すことすら出来ずそう心の中で祈るしか出来なかった。
M「ユ…オ?ユオ!?こんなとこにいたの?心配したよ?大丈夫…?って純太もここにいたの!?」
後ろから真人くんが心配そうに私の顔を覗き込むと包み込むように腕を持ち支えてくれた。
J「……真人くん?」
Y「真人くん…私、フラフラします…」
M「ユオ大丈夫?と…とりあえず部屋もどろう!純太…ごめん!お疲れ!」
J「……。」
そう言って真人くんは私を支えてくれて歩かせてくれた。
私はそんな優しい真人くんに素直に言った。
T「真人くん…恥ずかしいんですが…ちょっとだけチビッちゃた…」
何故だろう?不思議と真くんには恥ずかしくて言えないようなことも素直に言えた。
M「え!?分かった!とりあえずト、トイレ先に行こう。」
Y「はい…迷惑かけてごめんなさい。探してくれてありがとうございます…」
私がそう言うと真人くんはは何も言わずに微笑み、お手洗いまで連れて行ってくれた。
はぁ…ギリギリセーフ…
あと、数分遅かったら私は悲惨な事になってただろ…
便座に座りながらそうふと思うと、あれ?なんだろ?
胸がギリギリと痛くて苦しくなり、頭の中で純太くんとあの女の人が寄り添う姿がフラッシュバックした。
Y「真人くん…お待たせしました。」
M「ユオ…部屋にもどろう…」
真人くんは私にそういうと無言のまま部屋まで連て行ってくれた。
部屋にもどると美沙さんと誠司さんは私を見て顔色が変わった
S「ユオちゃん…」
美「ユオ…どうしたの!?なんで…泣いてんのよ…」
えっ?
私…泣いてるの…?
2人の言葉を聞いて初めて私は自分が泣いているこに気づいた。
つづく
あぁ~飲みすぎた~。
さすがに今日は昼間っから飲んでるしちょいキツイかも…
そう思いながらも私の飲む勢いを止まることを知らなかった。
S「ユオちゃん、飲み過ぎじゃない?大丈夫?」
Y「あっ大丈夫です。私の事なんて気にしないでください。」
私ってホント可愛くない女だって自分でもわかっている。
でも、今、誰かに優しくされると豆腐メンタルな私は泣いてしまいそうだからお酒に逃げて誤魔化しているんだ。
M「でも、ホントにユオちゃん顔色悪いよ?」
私「大丈夫ですから。ちょっと…お手洗いへ…。」
ふっと立ち上がった瞬間、想像していたよりも体がいうことを聞かずもう、自分でも限界が近いことがわかった。
美「ユオ、一人で行ける?」
Y「うん。行ける行ける!美沙しゃんありがと~」
呂律すら回らなくなった私は個室を出てお手洗いへ向かった。
あぁ~薄暗くてオシャレ過ぎてトイレの場所が分からない!
トイレがコッチ来い!
この迷路みたいな作りの店は酔ってる人間をさらに酔わせる。
あぁ~足元だいぶフラついてるな~なんてとぼとぼと歩いてたら横の個室の扉が開き、何気なくそちらに視線を向けて私は固まった。
J「え…ユオ…」
Y「えっ…純太くん…」
そう、そこにいたのは私のお誘いを真人くんと練習があると嘘をついて断ったはずの純太くん。
A「純太?ど~したの~?」
なのに純太くんは今、私の目の前で綺麗な女の人と腕を組んでいい感じの雰囲気を醸し出している。
なんだよ…練習とか嘘ついて女とデートかよ…そう心の中で悪態をつくと突然、グラグラグラグラと頭の中が揺れ始めた。
おっ?なんだ?地震か?
あっ…違う…私は思わずその場にしゃがみ込む。
J「ユオ!大丈夫!?顔色悪いよ?」
純太くんはそう言って私に近づいた。
Y「大丈夫です。ほっといてください。」
J「ほっといてって…ほっとけるワケないだろ?ほら、立てって。」
私はなんて惨めなんだろ?
方や綺麗な女。
方や酔い潰れた冴えない女。
純太くんの優しさが余計に傷つく。
純太は私の腕を取り、腰を支えながら立ち上がらせようとしたその時…
Y「触んないでよ!!」
思わずそう大声が出てしまった自分に自分でも驚いた。
そんな事が言いたわけじゃない。
昨日はありがとう。なんで今日は会えなかったの?練習って言ってたのに。この人は誰?
って聞きたかっただけ。
なのに私は一体、何に取り乱しこんなにも心が穏やかじゃないのだろう?
J「ユオ…」
A「ねぇ…この人ほっといて欲しいみたいだし行こう?純太?」
純太くんの隣にいる女性がそう言った。
あなたは一体誰?
もうヤダ…だれか助けて…この場所から逃げたい…
でも、足が思うように動かない。
すると、どこかから私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ユオちゃんどこ~ユオってば!」
ここだよ…一人じゃ歩けないよ…
早く…来て……この惨めな状況から助けて…
私はもう、話すことすら出来ずそう心の中で祈るしか出来なかった。
M「ユ…オ?ユオ!?こんなとこにいたの?心配したよ?大丈夫…?って純太もここにいたの!?」
後ろから真人くんが心配そうに私の顔を覗き込むと包み込むように腕を持ち支えてくれた。
J「……真人くん?」
Y「真人くん…私、フラフラします…」
M「ユオ大丈夫?と…とりあえず部屋もどろう!純太…ごめん!お疲れ!」
J「……。」
そう言って真人くんは私を支えてくれて歩かせてくれた。
私はそんな優しい真人くんに素直に言った。
T「真人くん…恥ずかしいんですが…ちょっとだけチビッちゃた…」
何故だろう?不思議と真くんには恥ずかしくて言えないようなことも素直に言えた。
M「え!?分かった!とりあえずト、トイレ先に行こう。」
Y「はい…迷惑かけてごめんなさい。探してくれてありがとうございます…」
私がそう言うと真人くんはは何も言わずに微笑み、お手洗いまで連れて行ってくれた。
はぁ…ギリギリセーフ…
あと、数分遅かったら私は悲惨な事になってただろ…
便座に座りながらそうふと思うと、あれ?なんだろ?
胸がギリギリと痛くて苦しくなり、頭の中で純太くんとあの女の人が寄り添う姿がフラッシュバックした。
Y「真人くん…お待たせしました。」
M「ユオ…部屋にもどろう…」
真人くんは私にそういうと無言のまま部屋まで連て行ってくれた。
部屋にもどると美沙さんと誠司さんは私を見て顔色が変わった
S「ユオちゃん…」
美「ユオ…どうしたの!?なんで…泣いてんのよ…」
えっ?
私…泣いてるの…?
2人の言葉を聞いて初めて私は自分が泣いているこに気づいた。
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