キミのとなり

第三十九話

ユオサイド

置いたスマホがすぐに光り、私はまた、スマホに手を伸ばす。

【トーク　純太】
渡したいものあるから少しだけでも会えない？


渡したい物ってなんだろう？

純太くんには会いたいけど…二日酔いの私はとてもじゃないけど純太くんに見せれるような顔をしていない。

【トーク　ユオ】
今日は本当に二日酔いがキツくて家から出たくないのでむりです！

【トーク　純太】
じゃ、家に行く。
駅で会ったんだから俺たち家近いでしょ？



返信…早い……

ってか家にくるとか無理！！

こんな色気のないお部屋を見られるなんて絶対にあり得ない。

私は少し焦りながら純太くんに返信した。

【トーク　ユオ】
我が家は男子禁制なのでご遠慮くださいm(._.)m

【トーク　純太】
顔見て話したいんだよ。
頼む…会いたい。

まだ、出会って間もないけれど、何故か純太くんから送られてくる内容がどこかいつもの純太くんとは違うような感じがし、まだ知り合って間もない男性に家を教えてしまった。

【トーク　ユオ】
〇〇通りの〇〇マンション103号室です。
気をつけて来てください。


男性に免疫力がない私はたぶん押しに弱い。

きっと純太くんは仕事終わりでお腹を空かせているだろうから、何か作っておこうか？

あんなに家に来られることを拒んでいたくせにどこかウキウキしてる自分がおかしくてつい笑ってしまった。

あれだけ遠ざかっていたけれど恋をするとチョット…

楽しいかも…

そう思った瞬間…また私の胸奥がズキズキと痛んだ。

つづく