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第四十二話
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キヒヤサイド
それからしばらく経った頃、毎日店の前にいたラノンがその日はいなかった。
ようやく諦めてくれた…そう俺が安心したとき…俺のスマホが鳴った。
それは母ちゃんからの着信でその電話に出ると珍しく母ちゃんが慌てた様子だった。
K「母ちゃん?どうした?」
「ラノンちゃんが…また手首切ったみたいなの…今、病院に運ばれたわ…」
そう聞いたとき、俺はまたあの時みたいに心配をしてもらいたくて同じことをラノンは繰り返したんだな…そう思った。
K「またしたんだね…なにやってんのアイツ。」
俺がそういうと母ちゃんは少し震える声で言った。
「出血が酷くて…意識不明の重体よ…お母さんも今から病院に行くからキヒヤも来なさい。」
そう言って母ちゃんからの電話は切れた。
ラノンが…意識不明の重体…?
アイツは…本気で死のうとしたのか?
俺はそうショックを受け、ユサさんに事情を説明してすぐ病院に駆けつけた。
唯ならぬ雰囲気の中、ラノンの両親、そして俺の母ちゃんがいる場所に近づくとラノンの母ちゃんが泣き崩れていた。
K「ラノンは…?」
俺がそう恐る恐る問いかけるとラノンの父ちゃんが言った。
「なんとか命は助かったよ。心配かけて悪かったね。」
K「いえ……あのアノンにはこの事…」
「まだ伝えてない。いや、伝えないでおこうと思う。」
そう言っていた。
双子の姉妹なのになんでこんな大切な事を伝えないのだろうと俺は不思議だったけど、それ以上聞くことはなかった。
それからラノンは傷口が治っても退院する事なく、たまに病室の外からラノンの様子を見に行くとラノンは人が変わったかのように暴れたり怒鳴り散らしたりしていて、俺はそれを見るのが辛くて堪らなかった。
その後、ラノンは近くある精神科病院に転院させられ、現在までその病院で入院生活を送っている。
K「そういう事があったんだよ。ご両親はアノンに伝えないって言ってたけど…アノンはラノンと会って…ちゃんと向き合ったほうがいいと思う。お互いのために…」
俺がアノンに今までのことを伝え終えるとアノンは悲しそうな眼差しをして下を向いていた。
K「俺も一緒に着いて行くから…会いに行こう?」
俺がそう言うとアノンは暫く考えたあと、小さく頷いた。
つづく
それからしばらく経った頃、毎日店の前にいたラノンがその日はいなかった。
ようやく諦めてくれた…そう俺が安心したとき…俺のスマホが鳴った。
それは母ちゃんからの着信でその電話に出ると珍しく母ちゃんが慌てた様子だった。
K「母ちゃん?どうした?」
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そう聞いたとき、俺はまたあの時みたいに心配をしてもらいたくて同じことをラノンは繰り返したんだな…そう思った。
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俺がそういうと母ちゃんは少し震える声で言った。
「出血が酷くて…意識不明の重体よ…お母さんも今から病院に行くからキヒヤも来なさい。」
そう言って母ちゃんからの電話は切れた。
ラノンが…意識不明の重体…?
アイツは…本気で死のうとしたのか?
俺はそうショックを受け、ユサさんに事情を説明してすぐ病院に駆けつけた。
唯ならぬ雰囲気の中、ラノンの両親、そして俺の母ちゃんがいる場所に近づくとラノンの母ちゃんが泣き崩れていた。
K「ラノンは…?」
俺がそう恐る恐る問いかけるとラノンの父ちゃんが言った。
「なんとか命は助かったよ。心配かけて悪かったね。」
K「いえ……あのアノンにはこの事…」
「まだ伝えてない。いや、伝えないでおこうと思う。」
そう言っていた。
双子の姉妹なのになんでこんな大切な事を伝えないのだろうと俺は不思議だったけど、それ以上聞くことはなかった。
それからラノンは傷口が治っても退院する事なく、たまに病室の外からラノンの様子を見に行くとラノンは人が変わったかのように暴れたり怒鳴り散らしたりしていて、俺はそれを見るのが辛くて堪らなかった。
その後、ラノンは近くある精神科病院に転院させられ、現在までその病院で入院生活を送っている。
K「そういう事があったんだよ。ご両親はアノンに伝えないって言ってたけど…アノンはラノンと会って…ちゃんと向き合ったほうがいいと思う。お互いのために…」
俺がアノンに今までのことを伝え終えるとアノンは悲しそうな眼差しをして下を向いていた。
K「俺も一緒に着いて行くから…会いに行こう?」
俺がそう言うとアノンは暫く考えたあと、小さく頷いた。
つづく
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