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60話
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テラside
数ヵ月後
ケイトが組長になってから、私はケイトと幸せな穏やかな日々を送っている。
その中でもニ週間に一度、身寄りのない子ども達が過ごす養護施設へのボランティア活動が私にとって楽しみとなった。
園にいる子ども達とも親しくなり、子どもたちも私に懐いてくれるようになり、私の心の中にはある感情が生まれるようになった。
それは私も母親になりたいと。
そう思い始めた私はケイトの口から結婚の話が出たこともあり、避妊を拒むようになった。
はじめはケイトも驚いていたが、確かにもう、婚約してるみたいなもんだしねと言って毎日、避妊する事なく私たちは愛し合っていた。
いつ妊娠してもおかしくない状況なのに何故か私の身体は一向に妊娠の兆候はなく少しずつ不安になっていった。
そんな時に思い出してしまった。
昔、ムネオリとセフレという関係だった時も2年ほど避妊する事なくムネオリと関係を持っていたのに私は妊娠しなかったことを…
あの時はまだ若かったそ何も考えておらず、妊娠してなくて良かった…そう呑気に思っていたが今の私の胸はザワザワとした。
そう不安を抱えた私はケイトに内緒で婦人科に向かった。
先生に不安に感じている事を素直に伝え、診察を受けた。
そして、私は初めて自分の体について知った。
私の身体は先天性な異常で自然妊娠する事が非常に難しいと。
体外受精や人工授精でも難しい戦いになる事が予想されると言われた。
当たり前のように私は好きな人が出来て結婚すれば子供に恵まれると思っていたのに、それが私には出来ないかもしれないんだと思ったら悲しくて涙が溢れ止まらなかった。
ケイトにはまだそんな話をする心の余裕もなかったし、天龍組を守るケイトには絶対に跡取りが必要な事も分かっていたから、このままケイトと自分が付き合っていていいのかと私は考え始めた。
病院に行ってから1週間がすぎ、さすがに私の様子がおかしい事に気づいたケイトは私をソファに座らせた。
K「最近、変だよ?何にそんなカリカリしてんの?」
ケイトは私の手を握りそう問いかける。
しかし、ケイトにそう問いかけられた私は我慢していた胸の奥の感情が溢れ出し泣き出してしまった。
ケイトはそんな私を抱きしめ、背中を撫でるが私がそれを拒みケイトから離れた。
T「私たち別れた方がいいと思う。」
私にそう言われたケイトの顔が一瞬、歪んだ。
K「なんで?何でそう思う?」
そうケイトに問いかけられ、私は苦しくて微かに手が震えながら言った。
T「私ね…赤ちゃん産めない体なんだって…」
私の言葉を聞いたケイトは顔色ひとつ変える事なく私をじっと見つめる。
K「だから?それでなんで俺たちが別れることになるの?」
T「だってそれは!もし結婚しても子供産めないんだよ!?天龍組の跡取りを私は産めないの!!子供が大好きなケイトに自分の子供を抱かせてあげられないんだよ!!だから私と…!!」
K「別れない。それでも俺は別れないから。俺達が愛し合うだけで出来なくても子供を授かる方法はいくつかある。それを試すこともしないで別れるなんて…俺は認めないよ。」
ケイトは怒ってる訳でもなく優しい声で私を諭すようにそう言うと、私を自分の胸に抱き寄せた。
K「愛してるから…家族になるのはテラとじゃなきゃ嫌なんだ…」
ケイトはそう言うとゆっくりと離れ、私に微笑むと私の涙を親指で拭い、優しいキスをした。
つづく
数ヵ月後
ケイトが組長になってから、私はケイトと幸せな穏やかな日々を送っている。
その中でもニ週間に一度、身寄りのない子ども達が過ごす養護施設へのボランティア活動が私にとって楽しみとなった。
園にいる子ども達とも親しくなり、子どもたちも私に懐いてくれるようになり、私の心の中にはある感情が生まれるようになった。
それは私も母親になりたいと。
そう思い始めた私はケイトの口から結婚の話が出たこともあり、避妊を拒むようになった。
はじめはケイトも驚いていたが、確かにもう、婚約してるみたいなもんだしねと言って毎日、避妊する事なく私たちは愛し合っていた。
いつ妊娠してもおかしくない状況なのに何故か私の身体は一向に妊娠の兆候はなく少しずつ不安になっていった。
そんな時に思い出してしまった。
昔、ムネオリとセフレという関係だった時も2年ほど避妊する事なくムネオリと関係を持っていたのに私は妊娠しなかったことを…
あの時はまだ若かったそ何も考えておらず、妊娠してなくて良かった…そう呑気に思っていたが今の私の胸はザワザワとした。
そう不安を抱えた私はケイトに内緒で婦人科に向かった。
先生に不安に感じている事を素直に伝え、診察を受けた。
そして、私は初めて自分の体について知った。
私の身体は先天性な異常で自然妊娠する事が非常に難しいと。
体外受精や人工授精でも難しい戦いになる事が予想されると言われた。
当たり前のように私は好きな人が出来て結婚すれば子供に恵まれると思っていたのに、それが私には出来ないかもしれないんだと思ったら悲しくて涙が溢れ止まらなかった。
ケイトにはまだそんな話をする心の余裕もなかったし、天龍組を守るケイトには絶対に跡取りが必要な事も分かっていたから、このままケイトと自分が付き合っていていいのかと私は考え始めた。
病院に行ってから1週間がすぎ、さすがに私の様子がおかしい事に気づいたケイトは私をソファに座らせた。
K「最近、変だよ?何にそんなカリカリしてんの?」
ケイトは私の手を握りそう問いかける。
しかし、ケイトにそう問いかけられた私は我慢していた胸の奥の感情が溢れ出し泣き出してしまった。
ケイトはそんな私を抱きしめ、背中を撫でるが私がそれを拒みケイトから離れた。
T「私たち別れた方がいいと思う。」
私にそう言われたケイトの顔が一瞬、歪んだ。
K「なんで?何でそう思う?」
そうケイトに問いかけられ、私は苦しくて微かに手が震えながら言った。
T「私ね…赤ちゃん産めない体なんだって…」
私の言葉を聞いたケイトは顔色ひとつ変える事なく私をじっと見つめる。
K「だから?それでなんで俺たちが別れることになるの?」
T「だってそれは!もし結婚しても子供産めないんだよ!?天龍組の跡取りを私は産めないの!!子供が大好きなケイトに自分の子供を抱かせてあげられないんだよ!!だから私と…!!」
K「別れない。それでも俺は別れないから。俺達が愛し合うだけで出来なくても子供を授かる方法はいくつかある。それを試すこともしないで別れるなんて…俺は認めないよ。」
ケイトは怒ってる訳でもなく優しい声で私を諭すようにそう言うと、私を自分の胸に抱き寄せた。
K「愛してるから…家族になるのはテラとじゃなきゃ嫌なんだ…」
ケイトはそう言うとゆっくりと離れ、私に微笑むと私の涙を親指で拭い、優しいキスをした。
つづく
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