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13話

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O「傷口大丈夫そうだった?」

オサが心配そうな顔をして私たちの元に戻ってきた。

J「うん。血が出たわりには傷もそんな深くなかったよ。」

*「オサ、ユウアちゃんごめんね。」

Y「全然大丈夫だよ。ほんと気にしないでね?」

ユウアちゃんが優しく私の肩に手を置いた。

O「じゃ、家までユウア送って俺そのまま夜勤行くからジユの車借りるよ?」

J「気をつけて。」

そう言ってオサとユウアちゃんが家から出ていた。

2人になった途端に静かになる部屋。

どことなくぎこちなさをおぼえた。

その沈黙が耐えきれなくなり私がジユに問いかける。

*「ねぇ、オサってなんの仕事してるの?」

J「ん?さぁ~なんだろね?」

*「え?ジユも知らないの?」

J「知ってるけどルリには教えな~い。」

ジユはわざとらしく拗ねた顔をしてそう言った。

*「なにそれ。意味わかんない。」

J「ルリは俺ことは気にならないの?オサくんのことばっか聞いて俺のこと1つも聞かないじゃん?」

確かにそう言われればそうだなと思った私は、とりあえず頭に浮かんだ質問をジユに問いかける。

*「確かに…ジユは大学院とかに通ってるの?」

見た目からして学生だと思いそう問いかけたが、ジユはその質問が不満だったのか口を尖らせてさらに不機嫌そうな顔をした。

J「学生じゃなくて社会人。もう働いてるからルリを雇えるんだろ?」

確かにそう言われればそうだ…なんて歳下の男の子に言われて気づく私は本当に情けない。

*「ごめんごめん。で…ジユは何歳なの?」

J「25歳だよ。はい、どんどん質問して~。」

*「う~ん。仕事は何してるの?」

J「フォトグラファーだよ。」

*「フォトグラファー?」

J「写真家だよ。ほらあの写真とあの写真は俺が撮ったんだよ?」

ジユがそう言って自慢気に見せた先には、とても綺麗な空の写真が飾られてあった。

*「へぇ…すごいね。」

J「今度、ルリも撮ってあげるね?」

*「えぇ…いいよ私は。」

J「ダメ~それも家政婦の仕事のうちに含まれてるからルリに拒否権はありませ~ん。」

そう言ってジユは笑いながら立ち上がり小さな黒い袋を持ってきた。

J「ついでにオサくんにDVD返してもらっとけばよかったなー。」

*「そのレンタル今日までなの?」

J「いや、明日までだけどね?」

*「ふ~ん。なに借りたの?」

J「え?別に普通の映画だよ。」

そう言ってジユはDVDの入った袋を私とは反対側に置いた。

ん?もしや、私に見られて困るDVDなのか?そんな事を思うと私のイタズラ心が騒ぐ。

*「いいじゃん。なに借りたか教えてよ~。」

私は少し意地悪してやろうと思いジユの横にある袋を無理矢理奪おうとする。

J「もう、危ないから!そんな事してたらまた血が出てくるよ!」

そう言って止めるジユを無視して私はジユから袋を取り上げた。


つづく
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