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12話
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テーブルの上に並べられた料理があっという間にジユとオサの胃の中に吸い込まれていく。
Y「2人ともさ?もっとゆっくり味わって食べたら?」
ユウアさんが2人の食欲をみて呆然としながらそう言った。
J「だって、ルリが作った料理めっちゃうまいんだもん。ユウアと大違いだな。」
彼はまた、ユウアさんを揶揄うように失礼なことを言うとオサがうまくそれを切り返す。
O「まぁ、今お前が食べてる野菜炒めは俺が作ったやつだけどな?」
そう言ってオサはしてやったりな顔をして笑った。
こうやって笑い合いながら食卓を囲むなんていつぶりなんだろう…とても温かい空気にどこか懐かしさをおぼえた。
食事を終え、私とユウアさんと2人で片付けをし、ジユとオサはテレビの前でゲームに夢中だ。
*「ユウアさん時間はまだ、大丈夫なの?」
Y「大丈夫だよ。ってかルリちゃんもさ、私のことさん付けじゃなくて気軽に呼んでよ。」
*「いいの?じゃ遠慮なく…ユウアちゃんは仕事なにしてるの?」
Y「この坂を下ったとこにある〇〇病院って知ってる?来月からそこで働くの。」
私はユウアちゃんの口から出た病院の名前を聞いて思わず固まった。
*「〇〇病院…?」
驚いた顔をして病院の名前を聞いた私を不思議に思ったのか、ユウアちゃんは首を傾げて私を見つめる。
Y「うん?ルリちゃんどうしたの?」
*「え、あ…ごめん…なんでもない…」
私はユウアちゃんを誤魔化すように綺麗に洗われた食器を慌てて拭く。
すると、動揺が手に出てしまったのか手を滑らせてお皿を落とし割ってしまった。
ガチャン!!
*「…痛っ…」
Y「大丈夫!?」
私は咄嗟に触ってしまった割れたお皿の破片で指を切り赤く滲む指先にジリリと痛みが走る。
私たちの様子に気づいたジユが驚いた顔をして飛んで来た。
J「ルリ!?大丈夫!?血が……」
ジユはそう言って私の手を心臓よりも高い位置に持ち上げ、キッチンペーパーで私の指先をグッと手のひらで掴んだ。
J「血が止まるまでここままにしとかなきゃ…」
O「ここは俺とユウアでやるからルリさんはソファで座ってて…」
オサが割れたお皿を包むための新聞紙やほうき等を持ってきて言った。
*「ごめんなさい…」
Y「ユウアちゃんここは大丈夫だからジユに傷の手当てしてもらいなよ。」
ユウアちゃんは優しく微笑んでそう言ってくれた。
ジユは私の指を握ったまま逆の手を腰に添えてソファまで連れて行ってくれた。
*「ジユ…ごめん…」
J「いいから。ほらここ持ってる?俺、救急箱持ってくるから。」
*「うん…」
ジユが止血のために握ってくれていた指を自分で握ったると、迷惑ばかりかけてしまっている事が申し訳ないくて涙が出そうになった。
まさかユウアちゃんがあそこ病院と関わりがあるだったなんて思わず、私は動揺してしまいお皿を落としてしまった。
J「なに、指切ったぐらいで暗い顔してんの?すぐ治るから大丈夫だよ。」
ジユが戻ってきてそう言いながら救急箱の中から消毒液と絆創膏を取り出した。
J「ちょっと染みるけど我慢しなよ?」
*「うん…」
私の指に優しく消毒液を付けるジユの手に私は釘付けになる。
どんなに優しく手当てされても消毒液は傷口に染みて痛むはずなのになぜか、本当に痛いのでは指先ではなく私の心なのかもしれないと思った。
うつむいて私の指の手当てをしてくれる彼の長い睫毛に視線を向けると、あの人にあまりにも似ていて胸が痛む。
J「はい。これでオッケー!優しくしたから痛くなかったでしょ?」
*「痛かった…」
J「指切っただけで大袈裟だな。」
ジユは笑いながらそう言った。
そのうつむきながら微笑む彼をみて確信に変わる…やっぱり痛かったのは指先ではなくやっぱり私の心の方だったんだと。
つづく
Y「2人ともさ?もっとゆっくり味わって食べたら?」
ユウアさんが2人の食欲をみて呆然としながらそう言った。
J「だって、ルリが作った料理めっちゃうまいんだもん。ユウアと大違いだな。」
彼はまた、ユウアさんを揶揄うように失礼なことを言うとオサがうまくそれを切り返す。
O「まぁ、今お前が食べてる野菜炒めは俺が作ったやつだけどな?」
そう言ってオサはしてやったりな顔をして笑った。
こうやって笑い合いながら食卓を囲むなんていつぶりなんだろう…とても温かい空気にどこか懐かしさをおぼえた。
食事を終え、私とユウアさんと2人で片付けをし、ジユとオサはテレビの前でゲームに夢中だ。
*「ユウアさん時間はまだ、大丈夫なの?」
Y「大丈夫だよ。ってかルリちゃんもさ、私のことさん付けじゃなくて気軽に呼んでよ。」
*「いいの?じゃ遠慮なく…ユウアちゃんは仕事なにしてるの?」
Y「この坂を下ったとこにある〇〇病院って知ってる?来月からそこで働くの。」
私はユウアちゃんの口から出た病院の名前を聞いて思わず固まった。
*「〇〇病院…?」
驚いた顔をして病院の名前を聞いた私を不思議に思ったのか、ユウアちゃんは首を傾げて私を見つめる。
Y「うん?ルリちゃんどうしたの?」
*「え、あ…ごめん…なんでもない…」
私はユウアちゃんを誤魔化すように綺麗に洗われた食器を慌てて拭く。
すると、動揺が手に出てしまったのか手を滑らせてお皿を落とし割ってしまった。
ガチャン!!
*「…痛っ…」
Y「大丈夫!?」
私は咄嗟に触ってしまった割れたお皿の破片で指を切り赤く滲む指先にジリリと痛みが走る。
私たちの様子に気づいたジユが驚いた顔をして飛んで来た。
J「ルリ!?大丈夫!?血が……」
ジユはそう言って私の手を心臓よりも高い位置に持ち上げ、キッチンペーパーで私の指先をグッと手のひらで掴んだ。
J「血が止まるまでここままにしとかなきゃ…」
O「ここは俺とユウアでやるからルリさんはソファで座ってて…」
オサが割れたお皿を包むための新聞紙やほうき等を持ってきて言った。
*「ごめんなさい…」
Y「ユウアちゃんここは大丈夫だからジユに傷の手当てしてもらいなよ。」
ユウアちゃんは優しく微笑んでそう言ってくれた。
ジユは私の指を握ったまま逆の手を腰に添えてソファまで連れて行ってくれた。
*「ジユ…ごめん…」
J「いいから。ほらここ持ってる?俺、救急箱持ってくるから。」
*「うん…」
ジユが止血のために握ってくれていた指を自分で握ったると、迷惑ばかりかけてしまっている事が申し訳ないくて涙が出そうになった。
まさかユウアちゃんがあそこ病院と関わりがあるだったなんて思わず、私は動揺してしまいお皿を落としてしまった。
J「なに、指切ったぐらいで暗い顔してんの?すぐ治るから大丈夫だよ。」
ジユが戻ってきてそう言いながら救急箱の中から消毒液と絆創膏を取り出した。
J「ちょっと染みるけど我慢しなよ?」
*「うん…」
私の指に優しく消毒液を付けるジユの手に私は釘付けになる。
どんなに優しく手当てされても消毒液は傷口に染みて痛むはずなのになぜか、本当に痛いのでは指先ではなく私の心なのかもしれないと思った。
うつむいて私の指の手当てをしてくれる彼の長い睫毛に視線を向けると、あの人にあまりにも似ていて胸が痛む。
J「はい。これでオッケー!優しくしたから痛くなかったでしょ?」
*「痛かった…」
J「指切っただけで大袈裟だな。」
ジユは笑いながらそう言った。
そのうつむきながら微笑む彼をみて確信に変わる…やっぱり痛かったのは指先ではなくやっぱり私の心の方だったんだと。
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