キミの首元に揺れる悲しい白詰草

樺純

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23話

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ユウアちゃんは相当、お腹が空いていたのかパクパクとパスタを口の中に放り込んでいった。

*「昨日はごめんね?オサとあれからうまくいった?」

私の問いかけに少し表情が曇るユウアちゃん

Y「うん…ルリちゃんにね?ずっと言わなきゃなって思ってたんだけど…私ね?実は…婚約者がいるの。」

ユウアちゃんの突然の告白に私は理解が出来ない。

*「え?どいうこと?婚約者って…オサ?」

Y「まさか…違うよ。別の人。私がどんなにオサくんの事を好きでも、オサくんがどんなに私に優しくしてくれても私たちは結ばれないの。」

あまりにも切なく笑うユウアちゃんに私の心がザクザクと傷む。

*「そんな…それオサは知ってるの?」

Y「うん。もちろん知ってるよ?全部知ってる。オサくんは知っててその時が来るまで私と過ごしてくれてるんだ…あの人、優しいから。」

違うよ…優しいからじゃないよ…好きだからに決まってるじゃんそんなの…

*「ユウアちゃん…それさ…」

Y「あ…!」

突然、ユウアちゃんが窓の外をみつめて私の言葉を遮った。

そして、私もユウアちゃんにつられるかのようにその視線の行方を目で追い…

驚いた…

え…なんであの人がここにいるの…?

忘れかけていた思い出が一瞬にして私の中で蘇った瞬間だった。

私の驚いた顔を見てユウアちゃんは不思議そうな顔をする。

Y「あれ?ルリちゃんもう、会ったことあった?」

私はユウアちゃんの問いかけの意味がよく分からず、ただユウアちゃんの目を見つめた。

*「え?」

Y「あの人…ジユのお父さんだよ?」

そう出てきたユウアちゃんの言葉に私はまるで鈍器で頭を殴られたような衝撃が走った。

*「ジユの…お父さん…?」

Y「そうそう。ジユのお父さんがここの病院長なんだよ?だから、私は親同士の繋がりでコネ入社ってことなんだ。」

*「そ…そうだったんだ…」

その後もユウアちゃんは何か話してたけど…私の頭の中には全然入って来なかった。

この病院長が…あの人って…どういうこと…?

何度も会いたいと…私が心からそう想った人。

抱きしめられて頭を撫でられたい…そう泣きながらその人を想った。

「キミの事をキミよりも愛してくれる人に必ず出会うんだよ。」

そう言い残して私たち家族を捨てた人。

まさか私が愛してしまったジユが…

私達からお父さんを奪った女の息子だったなんて…

嘘だよね?

ねぇ…お父さん…

こんなことなら…

私はあなたに会いたくなかったよ…

まさかジユが私と異母姉弟だったなんて…

私はそんな残酷な現実…知りたくなかった。


つづく
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