64 / 85
64話
しおりを挟む
そして、バタバタと大きな足音を立てて帰ってくる私の雇用主…ジユ。
*「どうだった?オサ、行くって?」
J「行くってさ。」
ジユは自慢気な顔をしてそう言って私の横に腰掛けた。
*「ふ~ん。ジユなんて言ったの?」
私の問いかけに彼はドヤ顔で言った。
J「別に~俺たちの事は心配ないから楽しんできて~って言っただけ~。」
ふ~ん。なんかその顔…怪しい。
でもそれで、オサが行くと言ったならそれでいいけど。
*「なんか、トモキも家にいるからこの家で3人で過ごすって新鮮だね?」
私がそう言うとジユは首を傾げた。
J「ルリ…トモキくんから聞いてないの?」
*「え?何が?」
J「トモキくんは昨日の夜からお泊りデートで明日まで帰って来ないよ?」
*「お泊り!?そんなの聞いてないけど!?なになになに!?あの子…彼女できたの!?」
そんなのお姉様は報告受けてませんけど~!?
J「まぁ、トモキくんもいい歳だし女の1人や2人いるでしょ?あのルックスだしね?」
そう言ってジユは私のほっぺをぷにぷにと突っついた。
それに私はまた、なぜかイラっとする…
ホント最近イライラしすぎだ私。
*「あ…ホテルに電話して人数が減るって連絡しなきゃ!!」
私はジユの手を払いスマホを手に取ろうとすると…
J「もうしたよ…さっきメールで。今みたら向こうからも返事きてた。」
*「あ…ありがとうございます。」
あらまぁ…なんと出来る彼なのでしょうか。
私と大違いだわ。
私は横になりしばらく浅い眠りに落ち、冷たい手がおでこに当たる感触で目が覚めた。
ゆっくり目を開けると…
O「ごめん…起こしちゃったね?微熱があるね?貧血もひどいし病院まで送るから1度診察してもらいなね?」
オサは私の脈をみながら言った。
*「うん。実は少し前から体調わるくて…微熱もずっと続いてるの…少しムカムカしたりイライラもするしジユにもキツく当たっちゃうの…私若年性更年期なのかな?生理も不順だし…」
私の言葉にオサはピクっと眉毛を動かして優しく微笑んだ。
O「じゃ、尚更1度診察してもらおうね?本当はユウアが婦人科に移動になったから、ユウアに任せたいけど、今日は他の先生で我慢してね?病院には俺から連絡しておくから。車で待ってるから準備できたらジユとおいで。」
*「うん…オサありがとう。いつもオサに頼ってばっかりだね…私。」
O「気にしなくていいから身体冷やさないように温かい格好してくるんだよ?」
オサは私の頭をポンポンと撫でて部屋から出て行った。
そして、私はゆっくりと重い体を起こして着替えてリビングにいたジユと一緒にオサの待つ車へと向かった。
J「オサくんおまたせ。」
*「オサごめんね?よろしくお願いします。」
O「とんでもない。可愛い弟のお姫様は俺にとっても大切な人だからね?」
車に乗るとオサは手を伸ばして後ろに座る私の足元にブランケットをかけた。
O「身体…冷やすとよくないから使って?」
そう言ってオサはバンドルを持ちゆっくりと車を走らせた。
え…オサってまさか…王子様?
ジユの隣に座ってもそんな事、1度もしてくれた事なんだけど。
胸キュンが止まらないんだけど…っと思っていたらそれが顔に出ていたのかジユがあからさまに嫌そうな顔をしている。
J「ってかさ?俺がいない間、俺の浮気よりツバキの方が色々と心配なんだけど?」
今までならそんなヤキモチの言葉も聞き流していたけど、今の私の精神状態では聞き流せない…
更に私が体調悪いと知っていてそんな風に言うジユに正直…かなりイラっとした。
O「ジユそんな言い方やめなよ~?」
車を運転しながらバックミラーで私の顔が見えたのか、オサが間に入ってジユをなだめる。
オサにはホント癒される…ジユと違って。
そんな思いが顔に出てしまっていたのだろうか?ジユからとんでもないことを言われた。
J「俺がいない間、寂しいからってオサくんとだけはやめてよね?」
はぁ?なにそれ…最低…
その言葉を聞いた瞬間、私の中でなにかがプツッとキレた。
O「ジユやめろって。」
悲しい?悔しい?辛い?残念?どの言葉が正解なのか分からないが、私の中にモヤモヤと立ち込めている感情が耐えきれなくなってしまった。
*「オサ、車止めて。」
O「え?ルリさんまでどうしたんだよ?」
オサは私の言葉に不思議そうに車を止めて振り返る。
私は車が止まったと同時に扉をあけて車から降りた。
O「ルリさん!?」
降りた私を追いかけたのはジユではなくオサだった。
*「ここからだともう、歩いて行けるから大丈夫だよ。オサ、ありがとうね?旅行楽しんできて。ユウアちゃんにごめんって伝えといて…じゃね?」
O「ちょっ…ルリさん…」
私はオサが呼び止めるのを無視してそのまま歩いて病院へ向かった。
正直…ジユが後を追って来てくれるんじゃないかと心のどこかで期待していた。
でも、その期待も虚しく…ジユは追いかけて来てくれることはなく私はひとりで病院へ向かった。
つづく
*「どうだった?オサ、行くって?」
J「行くってさ。」
ジユは自慢気な顔をしてそう言って私の横に腰掛けた。
*「ふ~ん。ジユなんて言ったの?」
私の問いかけに彼はドヤ顔で言った。
J「別に~俺たちの事は心配ないから楽しんできて~って言っただけ~。」
ふ~ん。なんかその顔…怪しい。
でもそれで、オサが行くと言ったならそれでいいけど。
*「なんか、トモキも家にいるからこの家で3人で過ごすって新鮮だね?」
私がそう言うとジユは首を傾げた。
J「ルリ…トモキくんから聞いてないの?」
*「え?何が?」
J「トモキくんは昨日の夜からお泊りデートで明日まで帰って来ないよ?」
*「お泊り!?そんなの聞いてないけど!?なになになに!?あの子…彼女できたの!?」
そんなのお姉様は報告受けてませんけど~!?
J「まぁ、トモキくんもいい歳だし女の1人や2人いるでしょ?あのルックスだしね?」
そう言ってジユは私のほっぺをぷにぷにと突っついた。
それに私はまた、なぜかイラっとする…
ホント最近イライラしすぎだ私。
*「あ…ホテルに電話して人数が減るって連絡しなきゃ!!」
私はジユの手を払いスマホを手に取ろうとすると…
J「もうしたよ…さっきメールで。今みたら向こうからも返事きてた。」
*「あ…ありがとうございます。」
あらまぁ…なんと出来る彼なのでしょうか。
私と大違いだわ。
私は横になりしばらく浅い眠りに落ち、冷たい手がおでこに当たる感触で目が覚めた。
ゆっくり目を開けると…
O「ごめん…起こしちゃったね?微熱があるね?貧血もひどいし病院まで送るから1度診察してもらいなね?」
オサは私の脈をみながら言った。
*「うん。実は少し前から体調わるくて…微熱もずっと続いてるの…少しムカムカしたりイライラもするしジユにもキツく当たっちゃうの…私若年性更年期なのかな?生理も不順だし…」
私の言葉にオサはピクっと眉毛を動かして優しく微笑んだ。
O「じゃ、尚更1度診察してもらおうね?本当はユウアが婦人科に移動になったから、ユウアに任せたいけど、今日は他の先生で我慢してね?病院には俺から連絡しておくから。車で待ってるから準備できたらジユとおいで。」
*「うん…オサありがとう。いつもオサに頼ってばっかりだね…私。」
O「気にしなくていいから身体冷やさないように温かい格好してくるんだよ?」
オサは私の頭をポンポンと撫でて部屋から出て行った。
そして、私はゆっくりと重い体を起こして着替えてリビングにいたジユと一緒にオサの待つ車へと向かった。
J「オサくんおまたせ。」
*「オサごめんね?よろしくお願いします。」
O「とんでもない。可愛い弟のお姫様は俺にとっても大切な人だからね?」
車に乗るとオサは手を伸ばして後ろに座る私の足元にブランケットをかけた。
O「身体…冷やすとよくないから使って?」
そう言ってオサはバンドルを持ちゆっくりと車を走らせた。
え…オサってまさか…王子様?
ジユの隣に座ってもそんな事、1度もしてくれた事なんだけど。
胸キュンが止まらないんだけど…っと思っていたらそれが顔に出ていたのかジユがあからさまに嫌そうな顔をしている。
J「ってかさ?俺がいない間、俺の浮気よりツバキの方が色々と心配なんだけど?」
今までならそんなヤキモチの言葉も聞き流していたけど、今の私の精神状態では聞き流せない…
更に私が体調悪いと知っていてそんな風に言うジユに正直…かなりイラっとした。
O「ジユそんな言い方やめなよ~?」
車を運転しながらバックミラーで私の顔が見えたのか、オサが間に入ってジユをなだめる。
オサにはホント癒される…ジユと違って。
そんな思いが顔に出てしまっていたのだろうか?ジユからとんでもないことを言われた。
J「俺がいない間、寂しいからってオサくんとだけはやめてよね?」
はぁ?なにそれ…最低…
その言葉を聞いた瞬間、私の中でなにかがプツッとキレた。
O「ジユやめろって。」
悲しい?悔しい?辛い?残念?どの言葉が正解なのか分からないが、私の中にモヤモヤと立ち込めている感情が耐えきれなくなってしまった。
*「オサ、車止めて。」
O「え?ルリさんまでどうしたんだよ?」
オサは私の言葉に不思議そうに車を止めて振り返る。
私は車が止まったと同時に扉をあけて車から降りた。
O「ルリさん!?」
降りた私を追いかけたのはジユではなくオサだった。
*「ここからだともう、歩いて行けるから大丈夫だよ。オサ、ありがとうね?旅行楽しんできて。ユウアちゃんにごめんって伝えといて…じゃね?」
O「ちょっ…ルリさん…」
私はオサが呼び止めるのを無視してそのまま歩いて病院へ向かった。
正直…ジユが後を追って来てくれるんじゃないかと心のどこかで期待していた。
でも、その期待も虚しく…ジユは追いかけて来てくれることはなく私はひとりで病院へ向かった。
つづく
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
王女殿下のモラトリアム
あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」
突然、怒鳴られたの。
見知らぬ男子生徒から。
それが余りにも突然で反応できなかったの。
この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの?
わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。
先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。
お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって!
婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪
お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。
え? 違うの?
ライバルって縦ロールなの?
世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。
わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら?
この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。
※設定はゆるんゆるん
※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。
※明るいラブコメが書きたくて。
※シャティエル王国シリーズ3作目!
※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、
『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。
上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。
※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅!
※小説家になろうにも投稿しました。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる