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68話
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ジユサイド
最近、ルリの様子がおかしい。
常にイライラしてるし、食べ物も今まではそんな好き嫌いなかったのにここ数日で急に好みが変わった。
俺がルリに触れるとすごく嫌がるし、俺を見る目が今までと違いすぎて正直、俺の精神状態もギリギリ。
夜のお誘いも断られっぱなしだし…
でも、オサくんとかトモキくんには笑顔で話してていつもと変わりなく楽しそうだし。
なんで俺にだけそんな態度取られなきゃいけないんだろ?
一体、俺が何した?
頭の中でずっと考えてみても心当たりはマルタに行くと決めた事ぐらい。
確かに付き合い始めてすぐ3ヶ月間も海外で離れ離れになるのが嫌なのは分かるけど…
だからって普通そこまでする?
俺は出来るだけルリのご機嫌を取るようにしていたけど、もう、限界。
体調悪いルリがオサくんに頭を撫でられて甘えた顔を俺以外の男にしてるのを、たまたま扉の隙間から見えてしまって、ずっと我慢してたのがブチっとキレた。
車の中で俺は我慢できなくて自分でも嫌なこと言ってるなって思いながら話してた…でも、いつものルリなら…
*「もぅ~ジユどうしたの?そんな事言わないでさ仲良くやろうよ?」
そう言って俺の腕に巻きついて甘えてくるのにその日のルリは違った。
怒るでもなく悲しむでもない無表情に近い顔をして車から降りていった。
え…マジで俺…ルリに捨てられるかも…
そんな不安が一瞬で押し寄せてきて、慌てて車から降りようとするとオサくんに止められた。
O「お前は幼稚すぎる。今行ってもまた言い合いするだけだろ?俺が行く。」
そう言ってオサくんは車から降りてルリと話をして、ルリはオサくんの呼び止めも無視して歩いて行った。
J「ルリなんて…?」
O「もう、歩いて行ける距離だから歩いて行くってさ。たぶんだけど…ルリさん、妊娠してるよ?」
J「え!?」
O「たぶんだけどね?だから、イライラして精神的に不安定なんだよ。お前も少し頭を冷やした方いい…ルリさんも歩いてるうちに怒りも収まるだろうし。病院まで後ろからそっと付いて行ってあげな…」
J「うん…」
俺はオサくんの話を聞いて車を降り、少し離れた所まで歩いて行ったルリの背中を追いかけるように少し距離をあけて付いて行った。
病院に着くとルリはすぐに産婦人科へと案内されていた。
ルリが診察室に入ってる間ふと、掲示板の勤務医表をみると…
J「最悪だ…今日、ユウアが休みだから男の先生じゃんか…ありえない。今度からは絶対にユウアに診察してもらおう。」
そう心に決めた。
ルリが出でくる間、妊娠についての絵本を読んだ。
J「私があなたを選びました…?」
その絵本を開くとお月様の絵に黒い文字で淡々と書かれている。
それを読めば読むほどルリの俺に対して行動が理解できて納得した。
ってか、本人は妊娠してること気づいていたんだろか?
その絵本の中にこんな事が書いてあった。
「お母さん。あなたの思いはわたしの思い。あなたとわたしはひとつです。」
ルリの思いは…お腹に宿る赤ん坊の思い…ってことか…
そんな事を色々と考えているうちにルリが会計の所に座ったのが見えた。
遠目からルリを見つめていると俺がさっき読んでいた同じ絵本を読んで涙を流している。
ルリ…やっぱり妊娠してたんだね…
その姿をみて俺は思った。
この人との赤ん坊が欲しい…。
どうしてもこの人との赤ん坊をこの手で抱きしめたいって…
つづく
最近、ルリの様子がおかしい。
常にイライラしてるし、食べ物も今まではそんな好き嫌いなかったのにここ数日で急に好みが変わった。
俺がルリに触れるとすごく嫌がるし、俺を見る目が今までと違いすぎて正直、俺の精神状態もギリギリ。
夜のお誘いも断られっぱなしだし…
でも、オサくんとかトモキくんには笑顔で話してていつもと変わりなく楽しそうだし。
なんで俺にだけそんな態度取られなきゃいけないんだろ?
一体、俺が何した?
頭の中でずっと考えてみても心当たりはマルタに行くと決めた事ぐらい。
確かに付き合い始めてすぐ3ヶ月間も海外で離れ離れになるのが嫌なのは分かるけど…
だからって普通そこまでする?
俺は出来るだけルリのご機嫌を取るようにしていたけど、もう、限界。
体調悪いルリがオサくんに頭を撫でられて甘えた顔を俺以外の男にしてるのを、たまたま扉の隙間から見えてしまって、ずっと我慢してたのがブチっとキレた。
車の中で俺は我慢できなくて自分でも嫌なこと言ってるなって思いながら話してた…でも、いつものルリなら…
*「もぅ~ジユどうしたの?そんな事言わないでさ仲良くやろうよ?」
そう言って俺の腕に巻きついて甘えてくるのにその日のルリは違った。
怒るでもなく悲しむでもない無表情に近い顔をして車から降りていった。
え…マジで俺…ルリに捨てられるかも…
そんな不安が一瞬で押し寄せてきて、慌てて車から降りようとするとオサくんに止められた。
O「お前は幼稚すぎる。今行ってもまた言い合いするだけだろ?俺が行く。」
そう言ってオサくんは車から降りてルリと話をして、ルリはオサくんの呼び止めも無視して歩いて行った。
J「ルリなんて…?」
O「もう、歩いて行ける距離だから歩いて行くってさ。たぶんだけど…ルリさん、妊娠してるよ?」
J「え!?」
O「たぶんだけどね?だから、イライラして精神的に不安定なんだよ。お前も少し頭を冷やした方いい…ルリさんも歩いてるうちに怒りも収まるだろうし。病院まで後ろからそっと付いて行ってあげな…」
J「うん…」
俺はオサくんの話を聞いて車を降り、少し離れた所まで歩いて行ったルリの背中を追いかけるように少し距離をあけて付いて行った。
病院に着くとルリはすぐに産婦人科へと案内されていた。
ルリが診察室に入ってる間ふと、掲示板の勤務医表をみると…
J「最悪だ…今日、ユウアが休みだから男の先生じゃんか…ありえない。今度からは絶対にユウアに診察してもらおう。」
そう心に決めた。
ルリが出でくる間、妊娠についての絵本を読んだ。
J「私があなたを選びました…?」
その絵本を開くとお月様の絵に黒い文字で淡々と書かれている。
それを読めば読むほどルリの俺に対して行動が理解できて納得した。
ってか、本人は妊娠してること気づいていたんだろか?
その絵本の中にこんな事が書いてあった。
「お母さん。あなたの思いはわたしの思い。あなたとわたしはひとつです。」
ルリの思いは…お腹に宿る赤ん坊の思い…ってことか…
そんな事を色々と考えているうちにルリが会計の所に座ったのが見えた。
遠目からルリを見つめていると俺がさっき読んでいた同じ絵本を読んで涙を流している。
ルリ…やっぱり妊娠してたんだね…
その姿をみて俺は思った。
この人との赤ん坊が欲しい…。
どうしてもこの人との赤ん坊をこの手で抱きしめたいって…
つづく
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