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ジュンペイside
坊っちゃんのお父上は日本でも有名な大手美容系企業の社長で、化粧品からシャンプー、美容器具などで有名になり世界でも手広く仕事をしている。
そして、俺の父親と坊っちゃんのお父上が親友だったこともあり、俺の家族が事故で亡くなった時…ひとりぼっちになった俺を引き取ってくれた。
その時の俺はまだ5歳だった。
坊っちゃんのお父上は、ひとりっ子で幼い頃に母親を亡くし、寂しい思いをしていた坊っちゃんの弟のような存在として俺を迎え入れてくれた。
そして、物心がついた頃…坊っちゃんのお父上に俺はいわれた。
「ジュンペイ…トルハを守ってくれ。それがお前の役目だ。トルハの側で守れる執事になるんだ。」
そして、俺は旦那様の言葉通り自ら高校には行かず、坊っちゃんの執事となり今までずっとお側で坊っちゃんを守ってきた。
会社に着き坊っちゃんのお部屋までお迎えに上がろうと、広々とした会社内のロビーに向かうとそこには右往左往するマヤトさんがいた。
J「マヤトさん?坊っちゃんは?」
M「…それが…」
J「それが?」
M「トイレに行くって言って目を離した隙に…消えた…」
その言葉を聞いて自分でも頭の血管がブチっと切れるのが分かった。
目の前のマヤトさんはそんな俺の姿を見て怯えた顔をして縮こまりアワアワとする。
J「何の為の秘書なんですか?」
M「ごめん…ほんとごめん…」
俺はスマホを取り出し坊っちゃんに電話をする…
がしかし!!
「だだ今、電話に出ることが出来ません。ピーという発信音の……」
拒否された。
俺からの着信を無視するとは坊っちゃん…いい根性してますね?
M「ジュ…ジュンペイ!!ス…スマホの画面が……!!!!」
怒りのあまり思わず力が入りすぎてしまったのか、俺のスマホの画面はバリバリにひび割れていた。
J「どれくらい経ってますか?坊っちゃんがいなくなってから。」
M「それが…体調悪いっていうから早退させようとしてたから…」
J「そんな連絡来てませんけど?」
M「ごめん…焦ってたから忘れた…1時間くら…」
J「1時間!?1時間も俺に連絡なしに探してたんですか!?」
M「だってジュンペイすぐキレるから…」
J「はぁ…ホント使えない秘書だな…。まぁ、心当たりはあるんで大丈夫です。マヤトさん…次こんな事があったら…一生笑えなくなると思ってくださいね…?」
M「す…すいません…」
俺は半泣きのマナトさんを置いて心当たりのある場所へと向かった。
先に電話して店に確認しようかと思ったが、俺がむかう事が坊っちゃんにバレて俺から逃げる可能性があるのでそれはやめておこう。
そして、俺は運転手に指示を出しその店へと向かう。
そこは旦那様が坊っちゃんと俺が小さい頃によく連れてきてくれた坊っちゃんにとってみれば気心知れたお店。
先代から受け継いで、今そこでオーナーをしているのは、俺たちが子供の頃からよく可愛がってくれた姉のような存在のヤヨイさん。
坊っちゃんはヤヨイさんの作ったご飯が大好きだからおそらくそこで間違いないだろう…
しかし、この時間帯の交通状況は最悪で帰宅ラッシュと重なり大渋滞で車がなかなか動かない。
痺れを切らした俺は運転手に声をかけて車を降りた。
この場所から店まで走って30分はかかるだろうか…?
あの渋滞だと車で行けばもっとかかってもおかしくないし…仕方ない。
俺は革靴の紐を結び直し走りづらいスーツのまま目的地へと向かった。
つづく
坊っちゃんのお父上は日本でも有名な大手美容系企業の社長で、化粧品からシャンプー、美容器具などで有名になり世界でも手広く仕事をしている。
そして、俺の父親と坊っちゃんのお父上が親友だったこともあり、俺の家族が事故で亡くなった時…ひとりぼっちになった俺を引き取ってくれた。
その時の俺はまだ5歳だった。
坊っちゃんのお父上は、ひとりっ子で幼い頃に母親を亡くし、寂しい思いをしていた坊っちゃんの弟のような存在として俺を迎え入れてくれた。
そして、物心がついた頃…坊っちゃんのお父上に俺はいわれた。
「ジュンペイ…トルハを守ってくれ。それがお前の役目だ。トルハの側で守れる執事になるんだ。」
そして、俺は旦那様の言葉通り自ら高校には行かず、坊っちゃんの執事となり今までずっとお側で坊っちゃんを守ってきた。
会社に着き坊っちゃんのお部屋までお迎えに上がろうと、広々とした会社内のロビーに向かうとそこには右往左往するマヤトさんがいた。
J「マヤトさん?坊っちゃんは?」
M「…それが…」
J「それが?」
M「トイレに行くって言って目を離した隙に…消えた…」
その言葉を聞いて自分でも頭の血管がブチっと切れるのが分かった。
目の前のマヤトさんはそんな俺の姿を見て怯えた顔をして縮こまりアワアワとする。
J「何の為の秘書なんですか?」
M「ごめん…ほんとごめん…」
俺はスマホを取り出し坊っちゃんに電話をする…
がしかし!!
「だだ今、電話に出ることが出来ません。ピーという発信音の……」
拒否された。
俺からの着信を無視するとは坊っちゃん…いい根性してますね?
M「ジュ…ジュンペイ!!ス…スマホの画面が……!!!!」
怒りのあまり思わず力が入りすぎてしまったのか、俺のスマホの画面はバリバリにひび割れていた。
J「どれくらい経ってますか?坊っちゃんがいなくなってから。」
M「それが…体調悪いっていうから早退させようとしてたから…」
J「そんな連絡来てませんけど?」
M「ごめん…焦ってたから忘れた…1時間くら…」
J「1時間!?1時間も俺に連絡なしに探してたんですか!?」
M「だってジュンペイすぐキレるから…」
J「はぁ…ホント使えない秘書だな…。まぁ、心当たりはあるんで大丈夫です。マヤトさん…次こんな事があったら…一生笑えなくなると思ってくださいね…?」
M「す…すいません…」
俺は半泣きのマナトさんを置いて心当たりのある場所へと向かった。
先に電話して店に確認しようかと思ったが、俺がむかう事が坊っちゃんにバレて俺から逃げる可能性があるのでそれはやめておこう。
そして、俺は運転手に指示を出しその店へと向かう。
そこは旦那様が坊っちゃんと俺が小さい頃によく連れてきてくれた坊っちゃんにとってみれば気心知れたお店。
先代から受け継いで、今そこでオーナーをしているのは、俺たちが子供の頃からよく可愛がってくれた姉のような存在のヤヨイさん。
坊っちゃんはヤヨイさんの作ったご飯が大好きだからおそらくそこで間違いないだろう…
しかし、この時間帯の交通状況は最悪で帰宅ラッシュと重なり大渋滞で車がなかなか動かない。
痺れを切らした俺は運転手に声をかけて車を降りた。
この場所から店まで走って30分はかかるだろうか…?
あの渋滞だと車で行けばもっとかかってもおかしくないし…仕方ない。
俺は革靴の紐を結び直し走りづらいスーツのまま目的地へと向かった。
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