3 / 6
3話
しおりを挟む
その次の日
俺は迷っていた…
あれだけ毎日、ツムギさんの店に通っていて急に行かなくなるのは不自然だと…
しかし、だからかと言って俺はツムギさんの顔をまともに見れるのだろうか…
そんな事を思いながらトボトボとツムギさんの店の近くまで向かう。
この角を曲がれば…もうすぐそこにツムギさんの店がある。
俺はふ~っと息を吐いて覚悟を決めると勢いよく角を曲がった。
J「え………」
すると、いつもは優しい明かりが漏れている店内の窓は見えずにシャッターが降ろされていた。
J「休み?」
俺はシャッターの前まで行ったものの…何も書いてなくて全く分からない。
2週間近く通ってたのに…何も知らなかった…
定休日なんてあったんだ…。
俺は首を傾げながら仕方なく家へと帰った。
そして、次の日もその次の日もツムギの店を訪れるも…シャッターは閉じたままだった。
J「なんで連絡先聞いてねぇんだよ…俺はバカかよ…」
毎日のようにツムギさんの店で会うのが当たり前になっていた俺はツムギさんの連絡先も…家も知らなくて…
ただ店の前でしゃがんで待つ事しか出来なかった。
ボンヤリと月明かりを見上げると雨が降りはじめて俺に追い打ちをかける。
ここで待つなってことかよ…
もうこのまま会えなかったらどうしよ…
最後に見たツムギさんの姿が他の男とキスしてるとこなんて…最悪。
俺は下を向き濡れた頭をガシガシと掻いた。
どれくらい経ったのだろう…
雨に打たれて寒気が襲ってき始めた頃…
「なにやってんの…?」
ずっと待っていた愛おしい声が鼓膜を刺激する。
下を向いたままでもその声が誰なのか分かり、俺は頭を掻いていた手を止めてゆっくりと視線をあげた。
J「ずっと待ってたんですけど……ツムギさん…店ずっと閉めて何してたんですか…」
すると、ツムギさんは俺に自分の傘をかぶせながら俺の目線までしゃがみ込んだ。
T「誰かさんが毎日のように抱くから風邪ひいたの。ちょっと会わないくらいでそんな捨てられた子犬みたいな顔して…ジイチはほんと可愛いねぇ…?」
子供扱いをするツムギさんが憎くて…
あの日、誰かも分からない男に塞がれていたツムギさんの唇を強引に塞いだ。
その弾みでツムギさんは傘を落とし雨に打たれて濡れていく。
雨音にかき消される俺たちのリップ音にツムギさんはビクビクと反応していた。
T「ジイチ…待って…」
J「ずっとここで待ってた…」
しゃがんだままツムギさんの首筋に唇を這わし、俺はツムギさんの服の中に手を突っ込む。
T「ちょっと待って…今、シャッター開けるから…」
J「待てない………」
俺はシャッターを開けようと立ち上がるツムギさんを後ろから抱きしめて首筋に顔を埋め吸い付く。
T「あぁ…もう…」
ツムギさんはなんとかシャッターをあげて鍵を開け俺を店の中に押し込んだ。
つづく
俺は迷っていた…
あれだけ毎日、ツムギさんの店に通っていて急に行かなくなるのは不自然だと…
しかし、だからかと言って俺はツムギさんの顔をまともに見れるのだろうか…
そんな事を思いながらトボトボとツムギさんの店の近くまで向かう。
この角を曲がれば…もうすぐそこにツムギさんの店がある。
俺はふ~っと息を吐いて覚悟を決めると勢いよく角を曲がった。
J「え………」
すると、いつもは優しい明かりが漏れている店内の窓は見えずにシャッターが降ろされていた。
J「休み?」
俺はシャッターの前まで行ったものの…何も書いてなくて全く分からない。
2週間近く通ってたのに…何も知らなかった…
定休日なんてあったんだ…。
俺は首を傾げながら仕方なく家へと帰った。
そして、次の日もその次の日もツムギの店を訪れるも…シャッターは閉じたままだった。
J「なんで連絡先聞いてねぇんだよ…俺はバカかよ…」
毎日のようにツムギさんの店で会うのが当たり前になっていた俺はツムギさんの連絡先も…家も知らなくて…
ただ店の前でしゃがんで待つ事しか出来なかった。
ボンヤリと月明かりを見上げると雨が降りはじめて俺に追い打ちをかける。
ここで待つなってことかよ…
もうこのまま会えなかったらどうしよ…
最後に見たツムギさんの姿が他の男とキスしてるとこなんて…最悪。
俺は下を向き濡れた頭をガシガシと掻いた。
どれくらい経ったのだろう…
雨に打たれて寒気が襲ってき始めた頃…
「なにやってんの…?」
ずっと待っていた愛おしい声が鼓膜を刺激する。
下を向いたままでもその声が誰なのか分かり、俺は頭を掻いていた手を止めてゆっくりと視線をあげた。
J「ずっと待ってたんですけど……ツムギさん…店ずっと閉めて何してたんですか…」
すると、ツムギさんは俺に自分の傘をかぶせながら俺の目線までしゃがみ込んだ。
T「誰かさんが毎日のように抱くから風邪ひいたの。ちょっと会わないくらいでそんな捨てられた子犬みたいな顔して…ジイチはほんと可愛いねぇ…?」
子供扱いをするツムギさんが憎くて…
あの日、誰かも分からない男に塞がれていたツムギさんの唇を強引に塞いだ。
その弾みでツムギさんは傘を落とし雨に打たれて濡れていく。
雨音にかき消される俺たちのリップ音にツムギさんはビクビクと反応していた。
T「ジイチ…待って…」
J「ずっとここで待ってた…」
しゃがんだままツムギさんの首筋に唇を這わし、俺はツムギさんの服の中に手を突っ込む。
T「ちょっと待って…今、シャッター開けるから…」
J「待てない………」
俺はシャッターを開けようと立ち上がるツムギさんを後ろから抱きしめて首筋に顔を埋め吸い付く。
T「あぁ…もう…」
ツムギさんはなんとかシャッターをあげて鍵を開け俺を店の中に押し込んだ。
つづく
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
5
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる