渇望

しのじい

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渇望

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「円花」 
そう呼ぶと、彼女はこちらを振り向いた。
「何?」
不思議そうな顔をして、俺の手を握った。
 円花は俺と同じ十一歳の小学五年生だ。付き合い始めて半年が経った八月。俺たちは夏休み真っ盛りだった。八月もまだ始まったばかりで、太陽が照りに照っている午後一時、俺は円花の家に遊びに来ていた。
 「いや、こんな夏なのに涼しいなぁって思って」
「え?そんなの当たり前だよ。だってエアコンついてるんだし。なぁに?突然変なこと言わないでよ」
自分でもなぜそんな訳の分からないことを言ったのか分からない。一つ言えるのは、これからやることに緊張しているからだろう。
 俺は単に円花と遊びたかった訳ではない。そう、単なる遊びは。俺は円花と大人な遊びをするために来たのだ。しかし、円花はそんなことを知らない。それでいいのだ。これはサプライズなのだから。
 昨日、俺はある一本の動画を見た。それは、男と女が一つのベッドで体をうねらせたり、よじらせたりする動画だった。
 最初は何をしているのかが分からなかった。しかし、だんだんと彼らがしていることが分かるようになってきた。すると、俺の性器はすぐに反応し始めた。なるほど、こういう感覚なのか。すかさず、俺はズボンと下着を脱ぎ、性器を握った。そして最初はゆっくりと亀頭をこすった。するとみるみるそれは大きくなり、感情が高ぶってきた。気持ちいい。
夏休みに入る直前に友達に教えてもらったオナニーがこれほどまでに気持ちいいものだとは思っていなかった。この感覚をみんなは前から知っていたのだろうか。もう少し早く教えてもらいたかったものだが、この行為を教えてくれた友達には感謝しなければならないと思った。
 自然と身体がリズムに乗ってくる。だんだんとこするスピードが速くなっていく。
 その時、不意に尿意のようなものを感じた。
「なんだ、興ざめだなぁ」そう思い、トイレへ急いだ。すると、性器からは黄色い尿ではなく、白く、粘り気のある液体が出てきた。それと同時に脱力感を覚えた。
 なるほど。これが射精か。俺は大きな喜びと快楽を得た。
 「円花」
「どうしたの?」
円花は再び不思議そうな顔を向けた。
 決心は家を出る時にした。ゆえにもう迷うことはない。あとは実行に移すのみだ。
「円花、俺とセックスしないか」
すると、円花は一瞬、困惑した表情を浮かべ、すぐに首を横に振った。
「いいや、まだ私達には早いよ。ね。まだ時間はあるんだから、もうちょっと、私達がもう少し大人になってからでも遅くないよね」
拒絶。
ふざけるな。
よく分からない理論で言いくるめられた。
なぜだ。
早い?一体何のことだ。
なぜだ。
分からない。
なんで?なんで?なんで?
なぜ、俺の意見が、提案が受け入れられないのだ。
俺がどれだけ悩み、決意し、どれだけ期待していたのか分かっているのか?
踏みにじられた。
失望。
怒り。
困惑。
悲哀。
感情が溢れる。
当たり前のことなのか?
いいや違う。ダメだダメだダメだ。何が当たり前だ。何が常識だ。ふざけるな。俺の言うことが聞けないのか?俺を満足に喜ばせれないくらい、低俗で低能な女だったのか?
分からない。俺には分からない。なぜ拒否するのだ。なぜ…拒絶するのだ。
 ふと、彼女の顔を見てみると口をパクパク動かしていた。何か喋っているようだが、耳に届かなかった。
 まだ抵抗するのか?溢れる怒り。悲しみ。
「…れ…よ…黙…れよ…黙れよ黙れよ黙れよ!」
彼女は困惑を超え、怯えていた。なんなんだよ。やりゃぁできるじゃねぇか。そうだよ。そうやって、黙って俺を受け入れりゃぁいいんだよ。ようやく楽しくなってきたじゃねぇか。
 もっとだ、もっと俺を、楽しませてくれよ。
 「そうだよ。いいんだ円花。それでいい」
すると、俺の体は勝手に動いていた。
 いけない、そう思ったが遅かった。
 俺の手をは彼女の服を掴み、無理矢理脱がせた。下着も全て。
みるみるうちに彼女は全裸体になっていた。
 もういい。なんとでもなれ。やけくそのような感情が生まれた。いいや、違う。これは喜びなのだ。やけくそなどではない。
 俺の性器はすぐに勃起した。あぁあぁ。俺も服を脱いだ。そして、怯えて抜け殻のようになって座って開脚している彼女に近づいた。
 今こそ、自分の願いが叶うのだ。俺は表現することが困難な、人生で最大の快楽を味わった。まだまだ、これからだ。
 呼吸が浅くなる、心臓の鼓動が聞こえる。
 正面から彼女の体を抱きしめた。
 それと同時に挿入を試みたが、なかなか上手く入らなかった。焦るな、まだまだ時間はある。そして、やっと挿入できた。
「ほぁっんん」
 彼女は喘いだ。昨日聴いた女優のよりもはるかに性的興奮を覚えた。もっと、もっと。
俺はほぼ無意識に腰を振り、彼女を押し倒していた。
「んっんっあぁ。ヒロ君、んぁっ、痛いよ」
彼女は少し痛そうだった。少々乱暴だったようだ。はやる気持ちを抑え、ゆっくりと体を動かした。
「円花、気持ちいいか?俺は最高に気持ちいい」
彼女は応答することなく、喘ぎ、時に何かを我慢するような顔をした。どうやら気持ちいいらしい。
「んぁぁぁあっ。イ、イ…キ…んん」
 何かを言っている。そういえば昨日の女もイキそう、だとか言っていた気がする。記憶が正しければその後すぐに女の性器から勢い良く液体が吹き出し、ぐったりとしたはずだ。何かの合図のようなものなのだろうか。どうだっていいさ、俺は止まらずに腰を振り、肉壁に亀頭をこすりつけた。
「円花、我慢しなくていいんだ、出しちゃえよ。俺だけ気持ちよくなってるのはズルいだろ?さぁ早く」
 刹那、彼女は少し震える声で小さく喘いだ。その後恥ずかしそうな顔をして、少しずつ液体を出していた。
 つまんねぇ。そう思った。
 俺は少しテンポを上げた。するとたまらず彼女はさっきよりも大きな声で「んぁぁぁ」と叫び、今度は勢いよく液体を出した。俺も呼応して思いっきり射精した。
 柔らかい白い肌を、へその辺りから舐め始めた。ゆっくり、そしてじっくりと。上腹部まできれいに舐めた時、目前に丸く、さらに柔らかそうなものが二つ見えた。どうやら俺は、女の体の醍醐味とも言える乳房の存在を忘れていた。かといって、何ら焦ることはない。元々、楽しみは最後まで取っておくものではないか。
 俺は左の乳首を舐め、だんだん口に入れ、しゃぶり始めた。彼女の乳首が勃ってきた。右の乳首は手で弄った。
 すると、彼女はまた少し違う様子で喘いだ。
 俺は嬉しくなりさらにしゃぶった。今度は右も。
 なんだか、自分だけがしゃぶっているのが申し訳なく思えてきた。そこで、自分の性器を彼女にしゃぶらせることにした。これはフェラという行為らしい。昨日見た動画でも男が性器を差し出すと、嬉々とした表情で女が舐め、口に入れていた。
 俺は性器を抜き、彼女の顔の前に出した。彼女はわずかにピクピクっと振動している性器をまじまじと見つめた。
 やめろよ、そんなに見るなよ…興奮するじゃねぇか。
 彼女はすぐに意図を察し、両手で性器を掴むと、顔を近づけてきた。その時、彼女は俺の性器の擦った。
 「あぁ」
思わず声が出た。彼女が口に入れる前に、これから感じる感覚を想像した。あぁ、何て興奮するのだろうか。俺はたまらず射精した。精液は彼女の顔にかかった。一瞬、申し訳なく思ったが、そんな思いはすぐに消えた。彼女は顔にかかった精液を手で拭い、その手を舐めた。その時の顔もまた、興奮する顔だった。なんと、なんと興奮する顔なのだろう。
 彼女は軽く顔を拭うと丁寧に性器を掴み、口に入れた。そして、舌で性器を弄り、舐め回した。あぁ、気持ちいい。
「円花、出そうだ…ああっ」
俺は口の中で射精をした。彼女の口から精液がトロっと漏れてくる。彼女は恍惚とした表情でさらに俺の性器を手で弄った。今度は少し手荒く。
 なんだか、今までの人生が全て馬鹿馬鹿しく思えてきた。何も考えられなくなり、ただ、体が求めるままに、本能のままに、体を動かしていた。それはまるで、理性のない動物のように。だが、それでもいい気がした。どこまで技術を手に入れ、生活が変化したとしても、人間が動物であることには変わりはないのだから。
 俺は再び挿入し、彼女と一つになった。
 それから何分が経っただろうか。突然、疲労感を覚えた。それと同時に今まで感じたことのない満ちた気持ちになった。心が、体が求めていたものがようやく見つかったようだった。
 満足。俺はそう感じた。
 俺達は行為を終え、服を着た。
 俺は一体何をしていたのだろうか。記憶が曖昧だが、なんだか彼女に悪いことをした気分になった。
「円花、今日はなんか…ごめん」
すると彼女は微笑んで、
「いいよ。楽しかったし。また、気が向いたら…ね?」
と言った。俺もつられて微笑んで、
「あぁ、そうだな」
と言った。
 俺はこれ以上ないほどに満ち足りた気分で彼女の家を後にした。
 それから俺達は三回、セックスをした。三回目を終えると、性欲が突然薄れ、飽きたような気分になった。飽きた、という表現は正しくないのかもしれない。それはまるで、自分の中の器が全て満たされたような気分だった。
 小学校を卒業すると同時に、円花と別れた。不思議と寂しさや悲しさといった感情は湧いてこなかった。別れるのは当たり前のことのようなことがした。
 中学生になると、彼女にはすぐに別の彼氏ができた。対照的に、俺は退屈な日々を過ごしていた。特にやる気も起きなかったので部活動は活動の少ない文化部に入った。
中学生になると進路について考えなければならなくなった。就職という選択肢も考えたが、働く気が起きず断念した。やることがなく、勉強をしていた為、ある程度の学力はあった。そのため進学することにした。受験にも無事成功し、県内有数の公立の進学校に進学した。中学と何かが変わる、と漠然と考えていたが、変化はなく、再び退屈な三年を過ごした。何となく、自分がやりたいことが他にあるような気がしていたが結局それが何なのかが分からなかった。そして俺は、都内の私立大学に進学した。自宅から通えない距離ではなかったものの、俺は寮生活をすることにした。またも俺は高校から何かが変わる、そう漠然と考えていた。しかし、友達をつくろうともしない俺に特に変化はなかった。当たり前のことだ。
 ある日、時間を持て余していた俺は久々にオナニーをしてみようと思った。何年振りだろうか。俺は動画を見ながらすることにした。久々で最初は上手く出来ず、気持ちよくならなかったが、だんだん体が温まってくると、すぐに射精しそうになった。寮生活だが、匂いは漏れないだろうと思ったので止めることなく、出した。ティッシュで拭っている時、心にあったモヤモヤが少しなくなったように感じた。
 俺は性の喜びを忘れていたのかもしれない。
 俺はまだ物足りなく感じたので次の日は大学には行かず、行為をした。
 あぁ、何て気持ちいいのだろう。中学生の時、高校生の時もこれを忘れていなければ学校生活は刺激的なものになったのかもしれない。そう思うともったいないことをした気持ちになった。
 午後になると、俺は部屋を出た。なんとなく、セックスがしたい気分になったのだ。俺が住んでいる寮には女子大学生もいる。俺はフラフラっと廊下を歩き、ある女子大学生の部屋の前に来た。正直、相手は誰でもよかった。
今、俺のこの思いを満たしてくれるのならば。
 彼女は田原由実という俺と同じ大学の同級生である。一度も話したことはないのだが、なんとなくしてくれそうだった。
「すみません。田原さんいますか?」
そう呼びかけるとすぐに返事があった。
 彼女は俺を不審な目で見た。俺は極めて自然に、
「突然なんですが、セックスしてくれませんか?」
と、言った。すると、
「あの…何の話しですか?」
と、すっとぼけた。これは拒否される、そう思ったので彼女を押し、強引に部屋に入った。相手の反応は当たり前であることは分かっていたが、やっているうちに気持ちよくなるに決まっている、と思った。だから力ずくで入ったのだ。
「すっぼけるな。いいか?君に拒否権はないんだ。俺を、受け入れろ」
すると、彼女は少し顔をこわばらせた。これはいける、そう感じた。
 円花もこんな顔をしていたな。突然、そんなことを思い出した。今思えば中出しという、随分危険なことをしたなぁと思う。しかし、幸か不幸か、彼女は妊娠しなかった。今回も、大学生になったのにも関わらずコンドームを持っていない。俺にとって、そんなものは快楽の邪魔になるものでしかなかった。中出しをしてこそ、本当の性の喜びを感じられるのだ。いちいち妊娠などを考えているようでは本当の快楽を得ることはできない。
 「やめてください。帰ってください」
彼女は抵抗してきた。めんどくせぇな。俺は彼女を押し倒し、服を脱がせ、上半身裸にした。その間も彼女は抵抗した。しかし、そんな抵抗している彼女を見て、俺は興奮していた。そして、彼女は抵抗することなく、全裸体になった。俺も服を脱ぎ、全裸体になった。さぁ、これからだ。
 俺は我慢出来ず、すぐに挿入を試みた。久々で上手く入らなかったが、力ずくで挿入した。これほどまで痛かっただろうか。それとも、彼女のがかたいだけだろうか。
 俺は肉壁を何度も突いた。すると、突くごとに彼女の性器は弛緩と収縮を繰り返した。どんどん強くこすれていく。あぁ。
俺はたまらず、射精をした。すると、今まで喘いでいた彼女がこちらを見て、
「なんで…?何で出したの?」
と言った。うるさい女だ。俺の話を聞いていなかったのか?黙って、俺を受け入れ、楽しませればいいんだよ。
「出したかったからだ。悪いか?」
そう言うと、彼女は驚愕したようだった。
 俺はさらに腰を振った。そして射精した。フェラするのもいいかと思ったが、俺のを舐めれる器がないと思ったのでやめた。
すると彼女はすぐに、あぁっ…イク…、と言い始めた。それが演技だということはすぐに分かった。
気にいらねぇ。俺がすぐにでもイカせてやるよ。
俺はさらに腰を振り、乳首を弄くり回した。しかし、彼女は全くイク気配がなかった。だんだんイライラしてきた。
なんでだよ。俺のプレイが気持ちよくねぇってのか?ふざけんな。
俺は感情のままに彼女の体を叩いた。
「なんだよ。つまんねぇな」
 俺は行為をやめ、周りを見た。すると、無造作に置かれたカッターが目に留まった。これだ、そう思い、カッターを手に取った。そして、刃を五センチほど出した。そうして俺は再び、行為をする形をとった。
 しかし、今度は性器ではなく、右手に持ったカッターを突き刺した。
「痛っ!あ…あ」
彼女は困惑した表情でこちらを見た。俺はさらにカッターを奥に突き刺した。そして、中を切りつけた。
 彼女はまだ困惑しているようだった。どうやらこの状況を飲み込めていないようだった。俺はカッターを抜いた。彼女の性器からはドス黒い液体が流れ出てきた。そうだ、こうでなくてはいけない。俺は妙な興奮を覚えた。今度は彼女の下腹部に少しずつ刺し込んだ。血が滲んできた。刃を全て刺し込み、手前に向かって切り裂いた。皮をめくると、彼女の中身が現れた。
 いつの間にか彼女は静かになっていた。顔を見ると、まだ困惑した表情を浮かべ、口からは血が垂れていた。結局、自分がどうなったのかが分からずに死んだようだ。全く馬鹿な女だ。
「ははは。だから…だからお前は俺を満足させられねぇんだよ。間抜けな顔しやがって…お前みたいな女にはお似合いだぜ」
 当然の報いだ。なんたって、俺を満足させられなかったのだから。俺をろくに満足させられない女など、この世にいらない。
「せっかくよぉ、チャンスを与えてやったのに…残念だなぁ…惨めだなぁ…」
 俺は服を着て自室に戻った。
 俺は人を殺した。しかし、不思議と恐怖や罪の意識はない。俺は当然のことをしただけなのだから。
 あの女は俺を満足させられなかった、故に俺はまだ飢えを感じていた。明日はラブホテルに出かけよう。そこなら、俺を満足させられる女がいるはずだ。自分が感じるであろう快感を想像すると、奇妙な笑い声が出た。
 窓からは月明かりが漏れていた。どうやら俺は、長いこと女の部屋にいたようだ。
 俺はベッドに入り、明日のことを想像しながらオナニーをした。今夜はよく眠れそうだ。
 ふと目が覚めた。時計を見るとまだ午前三時だった。
 寝ようかと思ったが、今の時眼帯のほうがいい女がいるかもしれない、そう感じた。俺は身支度を素早く済ませた。ポケットには筆箱に入っていたカッターを入れた。万が一、俺を満足させられない女がいた場合の為だ。
 外に出ると、まだ夜明け前で、夜のひんやりとした風が頬を撫でた。ホテルの場所は事前に調べておいた。夜道を颯爽と歩き、ホテルの前に来た。俺は、ホテルのフロントには脇目も振らずに、部屋があるフロアへ行くための階段を上った。廊下を見渡せる位置にいると、一組のカップルらしき男女が部屋から出てきた。俺は彼らが鍵を閉める動作をしていなかったことを確認した。カップルはいちゃつきながら俺の横を通った。恐らくチェックアウトををする為に出てきた訳ではないだろう。
 俺は真っ直ぐ彼らが居た部屋へ向かった。確認した通り、ドアノブは抵抗なく回った。室内に入ると、予想通り、彼らの荷物が残されていた。物を置きっ放しにしているのに鍵を閉めないとは、とんだ愚か者だ。俺は空いていたクローゼットの中に入り、彼らを隙間から見ることにした。彼らを待つこと数分、
 「ガチャン」
ドアが開く音がし、彼らの喋り声が聞こえた。さて、そろそろだ。俺は湧き上がる興奮を抑え、彼らの稚拙なプレイが始まるのを待った。
 彼らは服を着たまま、ベッドインした。やがて、男が女を脱衣させ始めた。女が抵抗する素振りを見せると、男が少し乱暴に脱がせた。その乱暴を女は嬉々として受け入れた。そして、男が脱衣した。そろそろプレイが始まる。俺の興奮は最高潮に達しようとしていた。俺は隙間に指を入れ、少しずつ扉を開けていった。そして、体を出し、外に出て。男が仰向けになった女の上にまたがり、女は挿入を今か今かと待ち構えていた。男の最大の楽しみを直前で断ち切ると思うと、思わず嘲笑が漏れた。
 その声に気づいた女が男の体ごしに俺の顔を見た。女が声を上げる前に、素早くポケットからカッターを取り出し、刃を出した。男が気配に気づき、こちらを振り向く。刹那、俺は男の腹にカッターを突き刺した。そして、右に切り裂いた。男が驚愕した表情を浮かべ、服に血が滲み始めた。それからカッターを抜き、今度は肩から脇腹にかけて切りつけた。男は痛みと怒りと驚きが入り混じった表情で、こちらを見た。俺は男をベッドから押し倒し、落とした。
 さて、準備は全て整った。時は満ちたのだ。俺は、恐怖の表情を浮かべている女の顔を見つめた。彼女の表情は俺を興奮させた。
 俺はすぐに脱衣した。既に性器は反応していた。
 恐怖のせいか、彼女は全く抵抗せずに、俺を受け入れた。俺は腰をゆっくりと腰を振り、性器をこすりつけた。彼女は少しずつ感じ始めたのか、小さな声で喘ぎ始めた。呼吸が乱れていく。そして、俺と彼女が刻むリズムが共鳴を始めた。だんだん動きは激しさを増し、俺は絶頂へ近づいていった。彼女はいつの間にかしっかりとした声で喘いでいた。俺は、イキそうな彼女の顔を見て、思わず射精した。
「んぁぁ。…あったかい」
彼女は俺の精液を感じ、さらに興奮していた。俺達は一つになり、精液を出し合った。その度に彼女の性器は弛緩と収縮を繰り返した。性器と性器がさらに強くこすれあう。
「あぁ。あぁ。んぁ…イキそう…んん…イク」
彼女はそう言って精液をみっともなく噴射し、体をだらんとさせた。彼女はイッたのだ。俺は彼女をイカせた満足感に包まれた。それと同時に、もっと、もっと、どこまでいけるのか、天井が知りたくなった。好奇心が止められなかった。
 俺はさらに激しく腰を振り、性器をこすった。彼女の力が入っていない体は激しく揺れ、俺は射精をし、イッた。
 まだだ。まだ終わりじゃない。俺達は、どこまでもいける。人間の底力。神をも感じたことのない快楽。体、心…そんな実体があるものも、ないものも、全ての境界が無くなり、融け合うところまで。未だかつてない新境地へ。俺達はそれを知る為にセックスをするのだ。セックスとは単なる愛情表現ではないのだ。それ以上のものを秘めているのだ。好奇心、探究心などではない。全てはこの心が、肉体が求めるままに。
 どれくらい時間が経っただろうか。気がつくと抱きしめていた彼女の体は自ら熱を発していなかった。
 腹上死。いわばテクノブレイクのようなものだ。彼女の肉体は途中で限界になってしまったようだ。心臓が停止してしまったのだ。仕方がないと言えば仕方がないのだが、彼女は俺のよりも先に…先に限界になってしまったのだ。俺の求めるポテンシャルを持ち合わせていなかった。俺は…俺は神を凌駕したかったのだ。それなのに…。
 なんでなんだ。
 俺は彼女の体を揺すり、叩いた。しかし、当然だが、反応はなかった。
 体が果ててしまった。だんだんイライラしてきた。
 なんでなんだよ。なんでいつも。
 俺は床に転がっていたカッターを手に取った。刃を出し、彼女の下腹部を切り裂いた。血が出てきて、彼女の体を伝って、シーツを赤く染めた。俺は、切り裂いたところを開き、臓器を露呈させた。そこから、教科書で見たことのあるような臓器、子宮を見つけた。俺は子宮を引っ張り、位置を移動させた。そして、カッターで切り裂いた。刃が滑り、なかなか切れなかったが、一度刺し、そのまま動かすと簡単に切り裂くことができた。血でベトベトになった手でオナニーをし、子宮に直接射精をした。なんと興奮することだろう。俺はさっきとはまた違う、別の快感を覚えた。
 ふと、男のことが気になり、振り向いて見た。もう死んでいるかと思ったが、ガタガタと震えながらこちらを見ていた。ずっと見ていたのだろうか。ずっと見ていたとしたら…俺はさらに興奮した。
 俺は手を洗い、服を着ると、カッターを置いたまま部屋を出た。
 俺は程よい満足感に包まれながら、ホテルを出た。朝日を浴び、朝の爽やか風が頬を撫でた。
部屋に戻ると、時計は午前八時を指していた。なんだか疲れたので、俺はまた寝ることにした。
 思えば俺は、幼少期から自分勝手で、傲慢だった気がする。自分の思い通りににならなければ、俺は怒り、力づくで解決しようとしていた。俺はずっと成長していないのかもしれない。いや、人間自体が成長しない生き物なのかもしれない。生存競争がなくなった現代では特に。結局、人間は動物以下なのかもしれない。本能だとか、理性だとかも全て、人間が持つべきものではなかったのではないか。人間は少し、能力を持ち過ぎた。だからこそ、人間は愚かなのだ。より良い社会を目指したことも、人間の傲慢さ故のものだ。その結果として環境保全をしなければならなくなってしまった。全く、愚かなのだ。自然の摂理に反する行動ができるようになってしまった。しかし、また自然に飲み込まれ、振り回されるのだ。全く愚かだ。俺がセックスをすることによって神を凌駕したことも愚行であったのかもしれない。神も、所詮は、人間が不可解なことを証明するために創り出した虚像に過ぎないのだから。
 ふと起きると、もう日は落ちていた。食事をする気も起きなかったので、次の計画を立てることにした。俺は、男という他人にプレイが見られていることでさらに興奮していたのことを思い出した。もしかしたら、オーディエンスは多いほうがいいのかもしれない、そう思った。オーディエンスはなるべく多いほうがいいだろう。それなら実行に移すのは、やはり休日、それも白昼がぴったりな気がした。
次の日から俺は、土曜日までの三日間は学校に通った。通いたかった訳ではなかったが、気分転換には丁度良く思えたのだった。
 朝日がカーテンの隙間から漏れ、顔を照らした。
 俺は時計がまだ午前七時を指していることを確認し、すぐに起きた。
 今日が待ちに待った日なのだ。俺は服を着替え、手ぶらで外に出た。
 場所は、多くの人々が入り混じる場所である、スクランブル交差点に決めていた。
 寮から電車を乗り継ぎ、渋谷に来た。ホームに降り立つと、気分が高ぶり始めた。交差点の信号は赤だった。周囲を見渡すと、信号待ちをしているある一人の女が目に留まった。相手は誰でも良かったのだが、どうせなら美人が良かったのだ。すると、まもなく信号は青に変わった。俺はほぼ無意識に女を追った。交差点のちょうど中心に来た時、俺は女を後ろから抱きしめた。一瞬、時が止まったように感じた。女はすぐにこちらを振り向きながら、俺を振り払おうとした。俺は、女を押し倒し、馬乗りのような形になった。顔はどこかで見たことがあるような気がしたが、分からなかった。
「やめてください!」
女は叫び、抵抗を続けていた。すぐに、周りの人間が止めに来ると思い、覚悟していたが、予想は裏切られた。誰も、何もしないのだ。
 好奇の目を向ける者もいれば、スマートホンで様子を撮影している者もいた。
 撮影された動画や写真は、SNSに投稿され、全世界に発信されるだろう。なんと素晴らしいことだろうか。俺の考え方が、プレイが全世界に発信されるのだ。たちまち、俺の支持者が増え、俺は崇められ、世界の新たな概念となるだろう。
「撮れ!撮れ!そして世界へ発信しろ!」
俺は語気を強めて叫んだ。
 未だに、誰も止めに来なかった。俺が間違っていたのかもしれない。皆、俺が今やらんとしていることを待っているのだ。皆、俺の支持者なのだ。ただ、臆病なだけで、行動に移さなかっただけなのだ。さぁ、今から見せてやる。待っていろよ、同胞!
 俺は怒りと嫌悪を浮かべている彼女の顔を見た。
 いい。いい顔だ。俺のこの計画にこれほど最適な女がいるとは思っていなかった。今日の俺は運が良い。
 俺は少しずつ顔を近づけ、キスをしようとした。すると、
「君。そこの君、何をしている?」
と言われた。警察か?そう思い、振り向くと案の定、一人の警官が立っていた。
 
 「先輩、遺体の膣内から男の精液が見つかりました」
「そうか。なるほど」
彼は少し考える素振りをした後、納得した表情でこちらを見た。
「あの、やっぱり、これって…」
口に出すのが憚られた為、言葉が詰まった。すると、
「ああ、『サイコパス』だろうな。少なくとも、ただの性犯罪者ではないはずだ。何というか…今まで俺が見てきた遺体、事件とは訳が違う気がする。よくある性犯罪の動機は欲求不満なんだが、今回の犯人は似ているようで全く違う気がする。あくまでも勘だが」
と言った。サイコパス、まさしくその通りだ。
「そうですね。そうでなければ、説明ができませんし、何より、膣内が切り刻まれている上に、腹部が切り裂かれている道理が通ります」
「ああ。恐らく、ホテルでの殺人とも関連があるだろう」
 ホテルでの殺人。切りつけられた男が通報してきたことで判明した事件だ。その事件においても、刃物で女性の腹部が切り裂かれている。そして、子宮が取り出され、子宮も切り裂かれており、その切り口周辺に男の精液がかかっていたのだった。
「今回の一連の事件、恐らく、犯人はすぐに見つかるはずだ」
彼がそう言った直後、彼の携帯電話が振動した。
 彼は電話に出ると、
「どうやら、勘が当たったらしい。ほら、行くぞ」
と言った。
 二人は現場に向かって駆け出した。

 「ようやく警官のお出ましか」
俺はそう言って、彼女の方に向き直ると、素早く下半身を露呈させた。そして、自分の性器も出し、躊躇せず挿入した。
 俺は今、ついに大衆に見られながらセックスを始めた。ああ、俺はこの感覚を待っていたのだ。多くの目が、様々な感情を乗せて向けられる。動画が撮影され…至福。まさに至福だ。これを超える快楽がこの世に存在するのだろうか。俺は無意識に腰を振った。
 警察が来ている、彼女が嫌がっている、そんなことはどうでも良かった。
 「やめなさい!今すぐに」
警官が叫んだ。どうやら説得を試みるようだ。いいだろう、受けて立ってやる。お前のような俺の行いが理解できない愚かな人間を完膚なきまで追い込んでやる。
「ならば問おう、なぜやめなければならない?」
「当たり前だろう、こんな大衆の目の前で、レイプしているんだぞ」
「そうか…そうか。俺の考えが理解できねえって訳だな?」
「ああ、その通りだ」
「人が、快楽を味わおうとして、何が悪い」
「君、本当に狂ってるな。君のようなサイコパスには理解できないことだ」
「サイコパス?ははぁ。俺にピッタリだな」
「お前、もしかして、あのホテルの事件の犯人か?」
「ホテル…?ああ、あれかぁ。ああそうだ、俺がやったんだ。当然だろ?あいつは俺を満足させられなかったんだ」
「お前…人の命を何だと思ってるんだ」
「命?あぁそうだな、女は、女は全て、俺を満足させる為の道具に過ぎない。だから、俺を満足させられない女など、この世界に存在する価値がないんだ。だから殺した。尤も、俺は殺した意識はないがな。あれは真っ当な裁きだ」
「ふざけんなよ、サイコ野郎!」
警官は声を荒らげた。
「サイコパスってのは何かしらの飢えを抱えるエゴイストなんだ。でも、お前らのエゴをぶつけられても困るんだよ!」
警官は怒号にも近い声で言った。
「エゴイスト?ああ、そっちの方がいいなぁ。そうだ、俺はエゴイストだ!いいや、違うなぁ。人間は産まれながらのエゴイストなんだよ。何か悪いか?」
「そうだな、確かに人間は産まれながらのエゴイストなのかもしれない」
と、今度は落ち着いて言った。
「そうだろう?お前のような警察もエゴイズムの塊じゃないか?」
「そうかもしれない。でも、お前みたいなエゴイストには屈しない」
「なんでだよ?なんでなんだよ!」
「お前、さっき人間は全員産まれながらのエゴイストだと言ったな」
「ああ、言ったとも」
それが一体どうしたと言うのだ。
「警察は、多くの人間のエゴが創り出した機関だ。つまり、多くの人間が思う『正義』が具現化したものだ」
「なら、なら同じことじゃないか」
「いいやダメだ。たとえかりそめだったとしても、大義名分を振りかざす警察というエゴイストがいる以上、お前みたいなエゴイストは悪なんだ」
「なんなんだよ…なんなんだよ!」
「この世界に神がいたとしたら、どちらが正義で、どちらが悪なのかが、はっきりするだろう。でも、残念ながら、この世界に神なんてものは存在しない。だから、この世界のより多くの人間が正義だと思う方が正義になる。残酷かもしれないが、それが人間というものだ」
「そうか、そうなのか。じゃあ俺は、俺が満足するまでやめない」
「ダメだ」
「いつか、この世の中をひっくり返して、俺のエゴが通用するようにしてやる。いいや、今、俺のエゴがSNSで急速に拡散されているんだ。今、今すぐにでも…」
「残念だが、この世界はそう甘くない。少数派は多数派に淘汰される、それがこの世の摂理だ」
なんなんだ。なんなんだよ。いつも、いつもそうだ。俺の意見は受け入れられない。だから、だから俺はその度に力づくで抵抗してきたのだ。
でも、なんだか、今回ばかりはダメな気がした。俺は肝心な事に気がついてなかってようだ。たった一人の、傲慢な独り善がり。それをずっと主張してきたのかもしれない。一番愚かだったのは、この、俺自身だったのかもしれない。
警官が近づいて来た。あぁ、俺は、俺というエゴイストは警察というエゴイストに淘汰されたのだ。負けたのだ。
俺は抵抗することなく、萎れた性器を抜き、女は解放した。警官に言われるがままに、俺は服を着て、両腕を差し出した。なんだか、抵抗することが惨めな気がして来たのだ。
 「ねえ?もしかして…」
解放した女が喋りかけてきた。
 一体、何の用だろう。俺はそう思いながら、女の顔を見つめた。どこかで見たことのある顔。しかし、それが誰かなのかが分からなかったのだ。その時、頭に電流が走ったような感覚がした。思い出した。俺はやはり、女を知っていた。
「円…花?円花なのか?」
そう呼ぶと、
「ヒロ君…なの?やっぱり」
彼女はそう言った。
 俺は、忘れられない夏を過ごした相手で、飢えを癒そうとしていたらしい。何という運命だろう。
「円花、円花ごめん。俺は…俺は…」
言葉がうまく出てこなかった。
「ヒロ君、いいんだよ。また、時間がある時で」
何で、何でいつも、円花は…。
 俺は泣き崩れた。そして、そのまま、現行犯として連行された。
 俺の飢えは、渇きは、永遠に癒されることはないだろう。
 あぁ、誰か、俺の渇きを癒してくれよ。



                                                                       (完)
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