【完結】百怪

アンミン

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1章 怪異・不可思議

75「漢字」

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「姉から聞いた話ですが」




そう語る知り合いの姉には、小学校低学年の

娘がいた。

彼に取っては姪にあたり、夫と家族3人で実家から

さほど離れていない所で暮らしていたという。




「家の中で、姪が覚えたての漢字を

 落書きしまくって困るって」




それは“木”とか“口”とか簡単な物に限られて

いたが、家中に書きまくるので閉口していた。


“そんなに書きたいのなら、自分の手に書きなさい”

と呆れながら注意したところ、

“自分の手じゃなきゃダメ?”と姪が返してきた。




「自分の手ってどういう事?

 って聞いたら、夜中に壁から手が出てくるので、

 それにも落書きしていたって……」




“お父さんよりも大きな手”

と言ってたのでかなりの大きさには違いない。

さらにその手は真っ赤だったという。




「さらに、書く字を要求していたみたいなんですよ。

 “飲む物飲む物”とか“食べる食べる”って

 言ってたと」




難しい漢字はまだ書けないので、ひらがなで

言われた事を書いた。

(“いちご”や“さんま”など)


するとその手は壁の中へ引っ込み、しばらくすると

落書きの消えた手がまた現れる、という事を

繰り返したという。


心配した姉は、知り合いのお寺に娘を連れて

相談に行った。

対応したお坊さんは、“あまり良くないものです”

と言い、対処する方法を教えてくれた。


その夜、例の手がまた出現した。

姪は、お坊さんに言われた通りに字を書いた。




『火』




手が壁に引っ込んだ後、“ぐぎゃぎゃわ”と悲鳴が

聞こえた。

それ以来、“手”は現れなくなったという。


今は引っ越しているが、品川の大井町沿線の

借家であった出来事だそうだ。



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