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3章 怪異にまつわる雑談・雑考
51「宝石」
しおりを挟む・現代怪談話・伝聞
――――――――――――――――――――――――
とある会社員の話。
彼は国外、主にアジア圏を飛び回って商材を
売っており、その時に聞いた話だという。
「どこだったっけなあ。
5年ほど前になりますか」
ある東南アジアの国にビジネスで行った時の事。
思ったよりも早く商談も終わり、またその相手に
気に入られた事から数日滞在を勧められ―――
言う通りにする事にした。
「で、夜になったんですけど。
そこはちょっと郊外でね。
電気がそれほど通っていなくて、
日が落ちると、本当に真っ暗闇になるんです」
基本、そうなると外出は禁止となる。
特に外国人は、ホテルから絶対に出ないでくれと
念を押されるのだそうだ。
「日本とは違って、歩ける場所、安全な場所は
限られている事が多いですからね」
するとホテルの敷地内だが、ガサガサと何かが
動く音がする。
どうも中庭に何者かがいるようで―――
彼は手持ちのスマホをナイトモードにして、
密かに窓越しにのぞいてみた。
「1人じゃなく、複数いたんです。
それがどうも地面を掘っていたみたいで」
彼らは土中から何かを見つけたようだが、
小さくてよく見えない。
小石か何かをつまむようにして、掘ったところを
元通りに埋めると去っていったという。
「朝、その場所に行ってみたんですが……
掘り返された形跡はあったんですけど、
それだけでした」
彼は商談相手に会った時、その事を話して
みたという。すると―――
「彼が言うには、多分そこで虎が死んだか
捕まったかしたんじゃないかと。
その地の伝承というか俗信で、虎が死ぬ、
もしくは捕らえられた時の頭の場所を
覚えていて……
次の新月(月の無い)の晩にそこを掘り返すと、
ある種の石が手に入る、という話があるらしい」
ただその商談相手曰く、虎なんてもう何十年も
この地に出たなんて話は聞かない、との事。
「琥珀、というらしいんですけどね」
ただ彼としては、虎が出るという事自体
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