279 / 300
3章 怪異にまつわる雑談・雑考
79「肝試し」
しおりを挟む
・現代怪談話・伝聞
――――――――――――――――――――――――
とある田舎の村役場の男性から聞いた話。
彼の故郷はその村ではなく、恋人がそこの
出身だったので、そこへ移り住んだのだという。
役場といえど地域密着型で、都会のように何でも
通り一遍というものではない。
何か祭りやイベントがあれば手伝いに行くし、
そうやっていくうちに村人たちと顔見知りに
なっていくのだという。
「そんなに大きな村でも無いですしね。
誰かが誰かの知り合いか親戚―――
って感じですから」
そして夏ともなるとお祭りや山歩き、川泳ぎ、
釣りなども参加するのだが、
「夏の定番といえば肝試しがありまして。
もう30年くらいやっている、そこそこ
歴史のあるイベントになってました」
それに彼が初参加した年……
お化けに扮して、地元出身の役場の
先輩と、持ち場でスタンバイする事になった。
「その時は二人一組で子供たちを決められた
道順に行かせる―――
というものだったんですけど。
昔は4・5人一組だったらしく、子供が
減ったなぁ、と先輩は言ってました」
とにかく子供たちを待っていると人影が見え、
彼は動こうとしたが、
「1人だけで来たんですよ、その子」
あぶれたのか、それとも途中ではぐれて
しまったのか……
どうしようかと思って先輩の顔を見ると、
「行くな、アレはいい」
そう面倒くさそうな顔をしたので、田舎特有の
人間関係か何かかな、と思い複雑な気分でその
子供を見送った。
しかし先輩は、その子供の姿が見えなくなると
フーッ、と大きくため息をつき、
「まさかお前と一緒の時に出るとはなあ。
お前が大人しくしてくれて良かった」
先輩曰く、あれはお祭りや何かのイベントの時に
よく紛れ込むそうで―――
『人ではない何か』、としか言えない
存在なのだという。
「確かに、その子の格好を考えてみると、
昔風の着物を着ていたんですよね。
肝試しに参加した子供たちは、みんな
洋服でしたから……」
そして思い返しても、顔がよくわからない。
男の子か女の子かも思い出せなかった。
その後、村役場でその事を直属の上司に
話したところ―――
『珍しい事じゃない』と返されたという。
――――――――――――――――――――――――
とある田舎の村役場の男性から聞いた話。
彼の故郷はその村ではなく、恋人がそこの
出身だったので、そこへ移り住んだのだという。
役場といえど地域密着型で、都会のように何でも
通り一遍というものではない。
何か祭りやイベントがあれば手伝いに行くし、
そうやっていくうちに村人たちと顔見知りに
なっていくのだという。
「そんなに大きな村でも無いですしね。
誰かが誰かの知り合いか親戚―――
って感じですから」
そして夏ともなるとお祭りや山歩き、川泳ぎ、
釣りなども参加するのだが、
「夏の定番といえば肝試しがありまして。
もう30年くらいやっている、そこそこ
歴史のあるイベントになってました」
それに彼が初参加した年……
お化けに扮して、地元出身の役場の
先輩と、持ち場でスタンバイする事になった。
「その時は二人一組で子供たちを決められた
道順に行かせる―――
というものだったんですけど。
昔は4・5人一組だったらしく、子供が
減ったなぁ、と先輩は言ってました」
とにかく子供たちを待っていると人影が見え、
彼は動こうとしたが、
「1人だけで来たんですよ、その子」
あぶれたのか、それとも途中ではぐれて
しまったのか……
どうしようかと思って先輩の顔を見ると、
「行くな、アレはいい」
そう面倒くさそうな顔をしたので、田舎特有の
人間関係か何かかな、と思い複雑な気分でその
子供を見送った。
しかし先輩は、その子供の姿が見えなくなると
フーッ、と大きくため息をつき、
「まさかお前と一緒の時に出るとはなあ。
お前が大人しくしてくれて良かった」
先輩曰く、あれはお祭りや何かのイベントの時に
よく紛れ込むそうで―――
『人ではない何か』、としか言えない
存在なのだという。
「確かに、その子の格好を考えてみると、
昔風の着物を着ていたんですよね。
肝試しに参加した子供たちは、みんな
洋服でしたから……」
そして思い返しても、顔がよくわからない。
男の子か女の子かも思い出せなかった。
その後、村役場でその事を直属の上司に
話したところ―――
『珍しい事じゃない』と返されたという。
0
あなたにおすすめの小説
(ほぼ)1分で読める怖い話
涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話!
【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】
1分で読めないのもあるけどね
主人公はそれぞれ別という設定です
フィクションの話やノンフィクションの話も…。
サクサク読めて楽しい!(矛盾してる)
⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません
⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/3:『おかのうえからみるけしき』の章を追加。2026/1/10の朝8時頃より公開開始予定。
2026/1/2:『そうしき』の章を追加。2026/1/9の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/1:『いえい』の章を追加。2026/1/8の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/31:『たこあげ』の章を追加。2026/1/7の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/30:『ねんがじょう』の章を追加。2026/1/6の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/29:『ふるいゆうじん』の章を追加。2026/1/5の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/28:『ふゆやすみ』の章を追加。2026/1/4の朝4時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
百物語 厄災
嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。
小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる