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77・娼館VS病院02
しおりを挟む「まあ確かに、目を付けられたままって
いうのは、精神衛生上よろしくないわな」
「ならハッキリさせるっていうみっちゃんの
提案は、一理あるッス」
僕の考えを伝えると、まず葵お姉ちゃんと
加奈お姉ちゃんが理解を示してくれて、
「僕も同意なのである」
「文句があるのなら、ちゃんとお客さんを
満足させればいいだけですからね~。
勝敗を付けてあげれば、文句はなくなると
思いますわ~」
そして理奈・詩音お姉ちゃんも賛成して
くれると、
『まあそうだな。
それにこれ以上、冒険者ギルドを
嗅ぎ回られるのも問題だ。
それよりは決着を付けて―――
大人しくしてもらった方がいい。
……よし、娼館に職員を行かせて、
その時に伝えてもらうよ』
ギルド長もボクの提案に乗ってくれた。
「まあ待ってくれ。
ここは綿密に打ち合わせをしないと。
下手をすると、余計に疑いがかかって
しまう可能性もあるからな」
「そうッスね。
みっちゃんの方針に反対は
しないッスけど、
ここは慎重にいった方がいいッス」
葵お姉ちゃんと加奈お姉ちゃんの言葉に、
やっぱり大人なんだなあ、と感心する。
「じゃあ、『ゲート』もある事だし、
僕たちが冒険者ギルドに行って直接、
協議してくるのである」
「難しい話になりますから~、
みっちゃんはここで待ってて
もらえますか~?」
続いての理奈お姉ちゃん、詩音お姉ちゃんの
言う事にボクはうなずいて、
こうして詳細はお姉ちゃんたちに任せて、
ボクは病院で待機する事になった。
『あんっ! やんっ! ダメェッ!!
見ないでっ、お母さん見ちゃ嫌ぁっ!!』
『ああっ! いいっイクわっ!!
息子のイキ顔見ながらわたくしも
イクゥッ!!』
10分後―――
ランストの街の冒険者ギルドでは、
とある動画の鑑賞会が行われていた。
「うわぁ、これが例のヤツですか」
「エグいなぁコレ」
「いい……!
泣いて抵抗しながらイクみっちゃんの
顔……!
これで後10年は戦える」
女性職員たちが食い入るようにモニターを
見る中、
「確かにえげつないな、コレ。
まあコレがあるから―――
1ヶ月に1回しかみっちゃんが来なくても
ガマン出来るんだけどさ」
冒険者ギルドの責任者であるカミュが、
裏事情を話す。
蜜弥が言っていた、
『それだけでガマン出来るの?』
という疑問はある意味合っていて、
それに対する答えが、彼の動画を分院にて
共有している、というものだった。
もちろんそれは……
武田先生=ヴァルマ領主の屋敷近くに
作られた分院でも同様である。
「どうかな、最新作は」
「聞くまでもなさそうッスけどね」
まず葵と加奈が確認し、
「言っておくけど、これは絶対
みっちゃんには秘密なのである」
「正直これが、最大級の秘密のような
気がしますわ~♪」
画面を見ながら、理奈と詩音も続く。
「まあそれはそれとして―――
正直、娼館にも口止めが必要だと
思ったのは確かだ。
けど、今まで口止めして来たのは女だし、
肉体関係を結ぶ事でそれは出来たけど。
男娼はなあ……どうしたものかと」
そこでギルド長が本題を切り出し、
「あの子だけなら、喜んでちょうきょ―――
もとい抱き込むんですけどね。
二重の意味で」
「けど、むさ苦しいのと不愛想なのが
いますから、それを考えると」
女性職員たちも考え込む。
「みっちゃんは多分、正々堂々勝負して、
っていうのを想定しているんだろうけど」
「それってサービス合戦?
って事ッスよねえ。
どちらが女性をより満足させられるか……
そこまで考えているッスかねえ?」
と、別の意味で葵と加奈は心配し、
「いや、そこまで子供ではないと
思うのである」
「すでにみっちゃん、経験豊富ですしね~。
でなければ、『本当に比べちゃったら』
なんて言葉は出て来ないと思いますわ~」
理奈と詩音がその懸念を払しょくする。
「どちらにしろ、娼館を何とかしないと
いけないという考えは、一致していると
思う。
でもそうだな―――
抱き込む、か。
確かにいい考えかも知れないな、それ」
カミュが独り言のように話すと、先ほど
それを提案した職員が、『えっ?』と
驚くが、
「別に、敵対するばかりが能じゃないって
事さ。
要はあの娼館に客が戻るようにすれば
いいわけだろ?
それなら、お互いにサービス向上を
図るという名目で……
病院やら分院でのやり方を教えて
やったらいいんじゃないか?」
すると聖赤山病院メンバーは
顔を見合わせて、
「確かに、こっちはいろいろあるからねえ」
「シチュも道具も使い放題ッスから」
「いわゆる、技術提携という事であるな」
「そうですわね~。
『裏』の道具とかなら、表に出ない……
もとい出せないかも」
それから話し合いは続けられ―――
使者として、そして客として職員が1人
娼館に向かう事となった。
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