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88・王都へ行こう03
しおりを挟む「えーと……
その、口止め、は?」
彼がうつむきながら聞いて来て―――
ボクの思考は体ごと固まる。
ていうか、テオさんの母と姉は、
すでに施設に入る許可を出した時点で、
眷属になっているんだけど……
そこはまだ説明してなくて。
「ほら、あの―――
2人で覚えた『技』があったよね?
あれをすると、お客様が本当に
気持ちよさそうだったから……
出来れば、お母さんやお姉ちゃんにも
どうかなって思って」
えっと、それはいいの?
と思って周囲を見渡すと、
みんながニヤニヤしながら、ボクたちの
方を見つめていて、
「まあ、娼館の時の条件で良ければ?」
「上がみっちゃん、下がテオさんッスね」
葵お姉ちゃんと加奈お姉ちゃんが
同意し、
「まあ、うん。
『あれ』で口止めをしておけば、
まず大丈夫なのである」
「というかアレに逆らえる人って―――
この世界には多分いないと思いますわ~」
理奈お姉ちゃん、詩音お姉ちゃんも続く。
そして騎士のお姉さんたちも、
「確かにアレは反則だった……」
「美少年2人がかりで前と後ろから……
ヤベ、濡れてきた」
「ね、ね♪
2人が終わったらアタシたちも……
いい?」
あれ?
どうして騎士の人たちもあの『技』を
知っているんだろう、と思ったけど、
まあそもそも、聖赤山病院でも
娼館でも、散々ヤってしまったし、
この世界ではエッチな会話―――
特に女性同士だと、日常的にあるとも
聞いているし、話が広まってしまったん
だろうな。
「じゃあミルトレッドさん、
行きましょう!」
「あっ、は、はい!」
そうして彼は自分の母と姉の片腕をそれぞれ
つかんで、奥へと進み……
ボクもその後を追う事にした。
『おぐっ!? うぅうっ♪
お”っお”お”お”っ!?』
『あは……お母さんすごぉい♪
ねぇテオちゃん、ミルトレッド君……
次、私なんだね……♪
お母さんよりもっと激しく、犯して
くださぁい……♪』
テオとその母、姉―――
そしてミルトレッドが『一戦』交えて
いる頃、
ナースステーションにあたる部屋で、
冒険者パーティー『クイーン・ビー』と、
護衛騎士たちは、そのモニターに
くぎ付けとなっていた。
「うひゃー、こりゃ効くわ♪」
「みっちゃんが左腕を、テオ君が
右腕を持って……
こりゃたまらんッス!」
「む? 体勢を変えたであるな。
こ、これは―――」
「あ、仰向けに……
あー、お母さん、足がビクビク
イってますわ~♪」
解説のように語る冒険者パーティー。
そして女性騎士たちは、
「いやー、あり得ん。
レ〇プ―――
レ〇プだわ、これは」
「何度か『どうが』で見た事はあるが、
実際にその場でされているのを見ると、
また迫力が違う」
「これ、あなた方は経験済み、
なんですよね……?
『どうが』で見ましたし。
ど、どのような感じでしたか?」
と、おずおずと同性に質問する。
「アタシはどっちかと言うと、
シた後の方がキツかったかなあ」
「そうッスねー。
体中のいろいろなところが痛かったッス」
「僕は思いっきりヤってって注文したから、
失神までいったのである。
覚えているのは、喉奥で出されて―――
鼻から逆噴射したところまでである」
「わたくしは体が2人と比べて大きかった
ので~、前と後ろから突かれるのを、
合わせてあげるのに精一杯でしたわ~♪
あ、でも……♪
みっちゃんに両腕をつかまれて、後ろから
ズコバコはとても興奮しましたわよ~♪」
それを聞いた女性騎士たちは、思わず
ヨダレを垂らし―――
「お!
今度はお姉さんの方にシフトしたね」
「あれ?
テオ君が下になって……」
「これは新しい体位であるな。
多分、娼館でレベルアップしたものと
思われるのである」
「あー、テオ君と騎乗位になっている
ところに横からみっちゃんが~。
これ、わたくしにもシてもらおう
かしら~?」
その『クイーン・ビー』の発言に
騎士たちは、
「いや! ぜひとも我々から!」
「この通り!!」
「もうガマン出来ません!!」
と、順番について彼女たちは懇願し、
母と姉を満足させたテオ―――
そしてミルトレッドは、
帰って来た途端に、彼女たちの相手も
する事になっていて驚いた。
「あはぁ、あぁ……♪
もう、どうにでもしてぇ……」
「私、メスブタって言われてもいいわぁ♪」
テオさんのお母さんとお姉さんが、
とろけるような表情で席に座る。
結局、あの後―――
『使用人たちも口止めしないと』という
事になり、
一通り全員の相手をする頃には、
すっかり夜になっていた。
ボクたちはレストランで、みんなで夕食を
取る事になり……
地上のお屋敷には最低限の人を残し、
料理を口に運んでいると、
「そういえばさぁ。
テオ君、王都に来た途端にヘンなのに
絡まれたんだよね」
「あ、そうッス!
何でもここの娼館の男娼って話して
いたッスけど―――」
ふと、昼間の出来事について葵お姉ちゃんと
加奈お姉ちゃんが話を振る。
すると、母娘が同時にため息をついて、
「あそこですか……
まだ根に持っていいるんですね」
「確かに、平民に身分を落とされた後、
私たちは王都に住み始めましたから、
テオちゃんも王都の娼館で働くと
思っていたんでしょう」
やれやれといった表情で2人は語る。
「あそこは王都の娼館でも抜きん出ている
反面―――
競争というか、内部の争いも激しいと
聞いていますから……」
母親が補足するように説明すると、
「テオ君は、そういうギスギスした
権力争いのようなものが嫌だったので、
地方の娼館を希望したと―――
そう聞いているのである」
「それにしても、まるで逃げたみたいに
言っていたのが腹立たしいですわ~。
今のテオ君の『技』を見れば、
そんな事はまったく無いのに~」
理奈お姉ちゃんと詩音お姉ちゃんも、
悔しそうに語る。
「まあ確かに……
そこにいるミルトレッドさんと一緒に
組まれると、どんな男娼も敵では無いと
思います」
「身をもって知りましたからね……」
あの後、相手にした女性騎士の人たちが
口々に話し―――
ボクとテオさんは思わず照れてうつむく。
「まあ、『ゲート』を作った以上、
そうそう王都内を出歩く事も無い
だろうし」
「絡まれる機会も無いと思うッスよ」
葵お姉ちゃんと加奈お姉ちゃんがそう
言うと、ようやく食事の場は一段落した
ような雰囲気に包まれた。
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