【完結】女性冒険者パーティーの愛玩少年記～ナースのお姉さんたちと一緒の世界に転生したボクは、 病院ごと彼女たちの癒し要員となる～

117・使節団との交渉０２

「ふう……」

「ふう……」

武田医師の部屋での『鑑賞会』が
一通り終わった後―――

改めて聖赤山せいせきざん病院の医療スタッフ一同と、
ガド帝国の使節団が向かい合う。

「……それでは、改めて話し合いを
　しましょうか……」

「ああ」

ヴァルマこと武田女医に対し、
使節団リーダー、リエールがその赤い
ミドルショートの髪をかき上げ、

「やはりあの、ミルトレッドという子が
　最高だと思われる」

「おう話がわかるじゃねぇか」

使節団リーダーと、冒険者パーティー
『クイーン・ビー』のリーダーの間で
同意が結ばれる。

「いや、テオという子もなかなか……」

「それにあのライドって男娼？
　確かこの国のナンバーワンなんでしょ？

　それがあんな、女性としか思えない
　ほどに化けるなんて」

使節団のメンバーも次々と、動画を見た
感想を語り、

「いい趣味しているッスねー」

「そちらとは美味しく酒が飲めそう
　ですわ～♪」

そう加奈と詩音が同調し、

「あ、でも―――
　あのマシムっていう男娼？
　アレは一回試してみたいかなーなんて。

　あんな軽々と持ち上げられて、
　後ろからヤられまくったらと思うと
　もう……♪」

「あー、ちなみにアレ、ここにある
　吊り下げる道具を使えば、みっちゃんも
　出来るのである。

　もう脳破壊モノなのである」

理奈の答えに、使節団メンバーは
獣の咆哮ほうこうのように盛り上がる。

「それで、だ。

　話を元に戻すが、我々と何を交渉
　するのだ？

　すでにこちらは全面敗北しているような
　ものだと思うのだが」

リエールが話を仕切り直すと、

「……別段わらわは、ガド帝国と事を構える
　つもりはありません……」

そして武田医師はセミショートの赤髪を
ほぐし、その長い耳を見せる。

「エ、エルフ……！」

「ま、まさか本当に！？」

使節団のメンバーはさすがに驚き、

「……ガド帝国も、よもやエルフ族と
　敵対するつもりは無いでしょう……

　……そこであなた方に―――
　このヴァルマ領とは、友好関係を結んだ
　方がいいと……
　帝国へ伝えて欲しいのです……

　もちろん、それなりのお礼は
　いたしますわ……」

そこで彼女は葵あおいに目配せし、
とある書類を持って来させる。

「ヴァルマ様、ここに」

「……ちゃんと人数分ありますわね……？
　……さて……

　……ここに、好きなように書き込んで
　ください……」

加奈・理奈・詩音の手によって、それらが
ペンと共に使節団メンバーに配られていく。

「うおっ！？」

「ここ、これは……！」

リエール以下、受け取った彼女たちは
驚きの表情になる。

そして武田医師はずい、と使節団に
顔を近付けて、

「さあ、己おのが欲望に従って書くがいい！

　あの動画で出てきた男娼や男は全員
　指定出来るぞ！
　誰がいいか、２人がかりがいいか、
　どんなシチュがいいか―――

　いろいろと解き放て！！」

その書類には、かつてテオの屋敷地下で
娼館の女性客たちに作ったもので、

希望項目がもっと詳細になり、顔写真付きで
製作されていた。

それを一読した使節団リーダーが
片手を挙げて、

「質問であります！！」

「何だ！？」

葵がその問いに聞き返し、

「この、２人いっぺんに相手してもらえる
　項目で……
　男娼の隣りにある上か下かというのは
　何でしょうか！？」

「決まっているッス！」

「どちらが上の口と下の口を担当するのか、
　という事である！」

加奈と理奈の答えに、使節団メンバーが
拳を突き上げて吠ほえ―――

「ええと、この……
　主従という項目は？」

「それはそのままですわ～♪

　『主』を選べば相手に命令出来ますし～、
　『従』を選べば命令されまくりですわ～♪

　みっちゃんやテオちゃんがあなたに
　強制する事も出来るんですわよ～。

　『後ろを向け』とか『おねだりしてみろ』
　とか、言ってくるんですのよ～♪」

詩音から説明を受けたメンバーは、
『あっ』『か、軽くイッた……』
ともじもじと体を動かし始め、

いそいそと書類に希望を書き込んでいった。