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14・管理者部屋にて
しおりを挟む「歯はみがいたかー?
それじゃそろそろ寝るよー」
「「「はーい」」」
この岩山のダンジョンで生活し始めてから
一週間ほど―――
子供たちも段々と、ここでの暮らしに慣れて
きたようだ。
何か働かせないと不安になるようなので……
一応『仕事』として、地下一・二階のゲームを
動作チェックと称してプレイさせ、
それ以外は三食と昼寝、お風呂を毎日の
ルーティーンとしていた。
また予想通り、二人ほど熱を出した子がいたが、
グレン君で慣れていたせいか、対応はそれほど
難しくなく、
他の子供たちも看病に回り―――
それ以外は至って平穏な日々を過ごしていた。
「ヒロトお兄ちゃんは?
寝ないの?」
「俺はもう少し確認する事があるから……
夜中、みんなトイレに起こすまでには
戻って来るよ」
初日以降はおねしょ対策として、夜中の
十二時、それに三時に目覚まし時計をかけ、
そこでいったんみんなを起こしてトイレに
行かせるようになっていた。
姉の子供を預かった時に培った知恵だ。
時計を見ると午後八時を回ったばかりだが、
そこは子供の集団。
もう夢の世界に入ってしまっている子も
チラホラいる。
「じゃあ、お休み……」
俺は団体部屋を消灯すると―――
一人廊下に出た。
「う~ん……」
管理者部屋に入った俺は、うなりながら
寝転がる。
ここは日本でも寝泊り出来るようにしていた
部屋で、ベッドに冷蔵庫、家電もある程度は
揃っていた。
電化だがちょっとしたコンロもある。
驚いたのはPCやスマホもあって、しかも
使えた事だが―――
やはり元いた世界とは繋がらないらしい。
ただ、一度見た事のあるページは見る事が
出来るようで、これはどうやら俺の能力である、
『再現』スキルの一環のようだ。
また、各所に設置された監視カメラの映像も、
ここで見る事が出来る。
廊下や自販機コーナー、俺とリナたちが初めて
出会った、この岩山の洞窟もなぜかここで
チェック出来た。
あとまあここには……
子供たちには『見せられないよ』的な物も
持ち込んでいるので、管理者権限でしか
開かないようにロック。
ようやくプライベートというか、一人でゆっくり
考える場所と時間が出来たわけだが、
やる事は結構山積みである事を思い知らされた。
まず情報収集として、リナたちにこの世界の事を
いろいろと聞いてみたのだが、
文明レベルは恐らく、二・三百年くらいは
遅れているだろうという事。
お風呂もあるにはあるが、水道が無い世界では
水汲みが超重労働。
またお湯を沸かすにも薪やら燃料が必要で、
よほどのお金持ちか貴族でも無ければ、
入る事は無いらしい。
食事も、彼女たちの村では一日一回もあれば
いい方で、二・三日は食べられないという事も
珍しくは無かったとの事。
だから……
自分たちが『売られた』のであろう事は、
驚くほど冷静に受け止めていた。
当初リナは、
『いきなり、知らないおじさんたちに
連れて来られたの』
と言っていたが―――
実際は家で寝ていて、目覚めたら
馬車の中だったという。
恐らくは親が、別れが辛くなるから……
眠っている間に連れ出して欲しいと、奴隷商に
頼んだのだろう。
彼女の村では、子供たちがいなくなる事は
毎年あって―――
次は自分の番じゃないか、という思いは
ずっとあったらしい。
だから俺と出会い、こんな生活を送れる事自体、
とてつもない幸運で、神に感謝していると……
そう言っていた。
だからこそ、ここでの生活は何としてでも
死守しなければならない。
「でもそのためには……」
俺は、自分の目の前に表示された
メッセージウィンドウ―――
その内容を前に苦悩していた。
――――――――――――――――――――――
『施設内にいる人間を眷属に出来ます』
※眷属にするにはお互いに合意が必要です。
※眷属は管理者に絶対服従です。
※眷属は管理者権限でいつでも解除出来ます。
※眷属は一体につき毎日管理ptを
加算します。
※眷属は管理者権限において処分し、
管理ptに変換可能です。
――――――――――――――――――――――
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