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24・ジャッジメント
しおりを挟む「……ふぅん。
『魔境の森』と言っても、一応
通れないわけではないのか」
「あ、ああ。
魔物除けの匂い袋がありゃ、ある程度は魔物の
危険を遠ざける事が出来るからな。
ただ、魔物除けの道具はとても高価いんだ。
効果はピンキリだが、それなりの値段の
ヤツなら―――」
俺は奴隷商たちから聴取を続けていた。
この国の情勢や風習、相場など―――
商人である彼らの情報はかなり参考になる。
俺が頭の中でいろいろと整理していると、
「お、俺たちをどうする気だ? 殺すのか?
奴隷商だからか?」
奴隷商の頭であるグロンソンは、不安気に
俺を見上げるが、
「……?
この国では奴隷は合法だろう?
人さらいでも無し―――
まっとうな商売とは言い難いかも知れないが、
それを理由にどうこうする気は無いぞ?」
その言葉に、彼らはホッとした表情を見せる。
「な、なら……
俺と組まねぇか?
魔境の森の奥深くに、こんな拠点があるたぁ、
誰も思わねぇ。
それに、ここにも高く売れそうなモンが
揃っている!
あの水や酒、他の飲み物―――
傷みにくい食い物なら、王都に持っていけゃ
必ず売れる!!
アンタにだって金は必要だよな?
悪い話じゃねえだろう」
連絡役や偵察の一人くらい、欲しいと思って
いたのは確かだが……
俺はそこで深くため息をついて、
「……なあ、グロンソンさん。
あんた、リナって女の子覚えているか?」
「あ?」
奴隷商の頭は、突然の質問に間の抜けた
声を上げるが―――
「以前もあんたは、この魔境の森を通ったよな?
その時に運んでいた奴隷の1人だ」
彼は少し考えて、
「あ、ああ。
確かにいたかも知れねぇが。
馬車がすっ転んだ際に逃げられちまった。
それがどうかしたか?」
俺は顔をグロンソンに近付け、
「彼女にこう言ったそうだな?
『お前の村の連中はバカばかりで助かる。
相場の1/5から1/10で売ってくれるん
だからよ。
こっちはいつも助かっているぜ』
と―――」
「う、いや、あ……
そ、それは」
怯える彼に俺は畳み掛ける。
「俺も商売をしてきたからわかる。
まず信用ってのが第一だ。
こういう時―――
信じてもらえないからなあ」
「わ、わかった!
今回連れてきたガキどももアンタに渡す!
本店に戻れば、いろんな奴隷が
選り取り見取りだ!
どんな女でも、ガキでも用意出来るぞ!
あ! もしかしてアンタそっちの趣味も
あるのか!?
アンタほどではないにしろ―――
少女に見まがうほどの少年も用意出来るぞ!
貴族様には、そういうのも多いからな」
そこで俺は少し考えるフリをする。
「そそ、それに……!
俺が戻らなかったら店は大騒ぎだ!
捜索隊が出されるかも知れねぇし、
そうなったらここも発見されるぞ!
アンタ、ここに隠れて暮らしているんだろ?
そうなったら困るんじゃねぇか?」
そこで俺は大きく息を吐いて、
「そういう事を聞きたかったわけじゃ
ないんだよなあ。
信用を失ったのなら、少しは取り返す努力を
したらどうなんだ?
安く買い叩いた差額を返すとか、補償するとか。
どの道お前らは―――
信用出来ないよ」
それを聞いて、奴隷商の連中は顔が青ざめていく。
俺は続けて、
「これからは……
まっとうに商売するんだぞ」
俺の言葉に、連中の顔はパアッと明るくなるが、
「……来世でな」
――――――――――――――――――――――
『眷属・奴隷商グロンソンとその部下を
処分し、管理ptに変換しますか?』
→はい
いいえ
――――――――――――――――――――――
俺はそのまま『はい』を選択した。
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