【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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53・クリア条件

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「えーでは、これよりダンジョン運営会議を
 始めたいと思います」

管理者部屋に集まった―――
リナ、パトラさん、コマチさんを前に、
俺はダンジョン管理者として取り仕切る。

時刻はだいたい夜中の十二時半すぎ。

一度、子供たちをおねしょ対策で起こして……
彼らを寝かしつけた後、小一時間ほどこうして
情報共有をしたり、話し合うのが日課になりつつ
あった。

「今日の議題は、コアルームに到達する
 クリア条件について―――

 ただ前も言った通り、一応各階にある台を
 いくつかクリアしたら……
 という事にしているけど」

この辺り、フワッとした条件設定で終わって
いたので―――
今回はそれを詰めるという感じだ。

「しかし、どれもこれも難しいからのう。
 ぬしのダンジョンは命の危険がありませぬゆえ、
 練習は出来るでしょうが」

パトラさんが狐耳をパタパタを動かし、

「まー問題はアイテムブーストされた時だよね。
 『女神の腕輪』とか『虹のリング』とか―――」

コマチさんがスレンダーな猫のシッポを振り子の
ように動かしつつ語る。

「何ですかそれは?」

俺の横でリナが首を傾げて聞き返すと、

「運が良くなるアイテムでのう。
 罠や仕掛けを回避されてしまうのじゃ」

「トラップ自体は発動するんだけどね。
 アレ厄介なんだよー」

ファンタジーでは定番の、ラックを強化する
アイテムか。

「う~ん……

 実のところ、そういうアイテムがあったと
 しても、あまり気にしてないんだよね」

「どうして?」

リナが薄黄色の髪を揺らしながら顔を向ける。

「まあ推測だけど―――

 そもそも、本当に運が良くなるアイテムを
 手に入れたとして……
 わざわざ危険なダンジョンに来るかな?」

「それなりの見返りがあれば」

「考えられなくは無いと思いますけど?」

魔狐マジカルフォックス銀猫シルバーキャット、二人が同調しながら答える。
それに一獲千金いっかくせんきんを狙う、もしくは敵対している
魔族のダンジョンだとわかれば―――
それなりに対策を立てて攻略してくるのも十分
うなずける話だ。

しかし……

「でもそういう『運の良さ』っていうか、
 『幸運』って……
 危険を回避したりする性質のものだと
 思うんだよね。

 つまりそれを装備した人がトラップを避けたり、
 死なないようにするためのもので―――」

女性陣三人は、俺の言いたい事を理解出来ないのか
困惑した表情になるが、

「例えば、メダルコーナーのゲームだけど、
 あれをそういうアイテムで当てたり勝ったり
 する事って、出来るかな?」

俺の疑問にパトラさんとコマチさんは両腕を組み、

「そもそもあのような仕掛け自体、
 わらわは見た事が無いですしのう」

「クリア出来なくても爆発するわけでも無いし……
 そうなるとただの道具に過ぎないわけで―――」

そこにリナも加わり、

「第一、ヒロトお兄ちゃんのダンジョンって、
 ぜんぜん危険じゃないし……

 もしそういう『運が良くなる』だけのアイテム
 だったら―――
 このダンジョンでは意味の無い物になっちゃい
 ますよね?」

「あくまでもそういう『運の良さ』だったら、
 だけどね。

 それに、どんな事でも幸運を発揮する
 アイテムなら、たいていの事はそれで解決
 出来ちゃうと思うし―――
 王侯貴族が独占していると思うんだ。

 だって何やったってうまく行く、成功する事が
 約束されているんだからさ」

ふむふむ、と彼女たちがうなずく。

「でもまあ、万が一そういう『何でもうまくいく』
 アイテムがあったとしても―――
 対応策が無いわけじゃ無いから。

 この世界に無かったものだからか、
 いろいろと応用が利くみたいでね。

 で、この前いろいろと設定してみたん
 だけど……」

俺がそれを説明すると、一通り聞いたリナ・
パトラさん・コマチさんは、

「ヒロトお兄ちゃん、いざとなったら
 結構厳しい人?」

「クリア条件として設定出来てしまいましたか。
 それはまた……」

「可愛い顔してエグいっすねー。
 今までのマスターの中でも極悪。
 極悪ショタマスターですわー」

やや引かれたが、これもダンジョン、引いては
みんなを守るためなので仕方がない。

「い、一応、コアルームへ続くエレベーターだけは
 独立させておこうと考えていたり?
 で、さっき言っていたのはその前の部屋に……」

こうしてある程度詰めた後―――
パトラさんとコマチさんは団体部屋へ戻り、
俺とリナは管理者部屋で眠りについた。

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