【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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115・ズコウファミリーVSダンジョン02

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「これは……アレか。
 ゴーレムに乗って戦うヤツだな?」

モニター見ていたズコウさんがつぶやく。

地下四階『体感レーシング・シューティング系』
に二人が到着した事を、映像で確認する。

プリムちゃんとグレッグさんが『搭乗』
するのは、某アニメのSFロボットゲーム。

プリムちゃんはその髪に合わせたのか、
赤い機体を選び―――

グレッグさんは遠距離攻撃を主体とする、
下半身がキャタピラの機体に乗り込む。

「これはまた対照的だな」

「ですね。
 機動力はプリムちゃんの方が数段上です。

 近付かれたらグレッグさんは厳しい
 ですけど」

俺はリナとモニターを見つめ、状況を
分析する。

そして対戦が始まった。



「ん!?
 何だ、あの嬢ちゃんやられてもいねぇのに
 負けただと?」

「うわー……
 そう来ますか」

今回もまた五回戦をやって、三回勝ち抜いた
方が勝ちだが―――

プリムちゃんが乗る機体がやられても
いないのに、初回の決着がついた事を
ズコウさんが不審がる。

「オヤジぃ。
 あれな、相手の戦力を一定数削ったら
 勝ちになるんだよ。

 グレッグはあのお嬢さんとの直接対決は
 避け、敵拠点や周囲の敵を倒す事に
 専念してんだ。

 人間より、あっちの方が反応が鈍いからな」

エレンさんが、赤茶のツインテールを揺らして
ズコウさんに説明する。

「勝てばいいってワケか。
 ふん、アイツらしい。

 だがまあ、これも勝負だ。
 情けは禁物だぜ」

彼女の説明に納得したのか、ドカッと
ソファに座り直す。

「ヒロト殿。
 本当に大丈夫か?

 今からでも、人を変えた方が―――」

「さすがにそれは出来ませんよ。
 大丈夫、プリムちゃんに任せましょう。

 きっとグレンのかたきを取ってくれます」

心底不安そうな顔をするサリーさんを
俺はなだめ……
試合の行方を見守った。



「あ、プリムちゃん戦法変えたわね」

「うわ、まあそうなるわな」

リナとバームードさんがモニターで対戦を
評価する。

「プリムおねーちゃん、相手と同じ事
 始めた?」

「あっちゃー……」

グレンとエレンもまた、流れが変わった事を
感じていた。

一・二回戦を落としたプリムだったが、
グレッグさんが直接対決を避けているのを見て、

彼女もまた、CPUの拠点や周囲の敵に狙いを
定め始めたのだ。

こうなると機動力が劣るグレッグさんの
機体は厳しくなる。

モニター越しに、淡々とした表情で敵を仕留める
ダンジョン側の少女と―――
明らかに焦りの色を見せるズコウファミリーの
男性の様子が見え、

そしてイーブン、二勝二敗で折り返した最終戦、

「あ、グレッグさん……
 接近戦に持ち込むつもりかな?」

「いやー、そりゃ無謀じゃねぇか?
 って、えぇ!?」

最後になって、積極的に彼がプリムの機体に
近付き―――
戦闘を挑む。

俺やバームードさんが困惑しながら見ていると、

タックルや、本来遠距離で使う砲撃を
至近距離から撃ち込み、予想外の健闘を
見せ始め、

あわやこれで終わりかと思われた時―――
ギリギリでプリムの機体がグレッグさんの
攻撃を回避すると同時に、ゲームが終了した
表示がなされ、

「拠点がやられたか」

「って事は―――」

エイミさんの後にズコウさんが続き、

モニターにはうなだれるグレッグさんと、無表情の
プリムちゃんが映し出されていた。



「す、すいませんズコウさん!」

VIPルームに戻ってきた眼鏡のアラサーの
男性は、自分のボスに頭を下げる。

「お前は昔っから詰めが甘かったからなぁ。
 最初からガンガン攻め込んでいりゃ、
 勝てたんじゃねぇのか?」

それを横目に見る俺の方には、

「プリムおねーちゃん、ありがとー!」

「ちゃんと勝ったでしょー、グレン♪」

ややドヤ顔でプリムがグレンを抱きしめ、
それをホッとした顔でサリーさんが見つめる。

「じゃあアタイは、グレッグの仇を取ると
 しましょーかね。

 オヤジ、最後はアタイに任せてくれ」

エレンさんが、スキンヘッドに黒ヒゲの
ボスにウィンクし、

「じゃああなた。
 行ってくるわね」

リナがそのまま、彼女の隣りに立つ。

「……アンタ、あの魔導具を操作させたら、
 敵無し―――
 クィーンと呼ばれているそうじゃないか。

 でもクィーンは2人もいらないよねぇ?」

「あはは……
 お、お手柔らかにお願いします」

そうしてリナとエレンさんは、さっきまで
プリムとグレッグさんがいた―――
地下四階へと上がっていった。

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