【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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142・現状認識と今後の方針

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「さて、と……」

王都の勇者たちとも何とか連絡が付き、
また物理的にも地下通路で繋がった事で―――
当面はするべき事は終わったという感じだろう。

改めて俺は、この世界、クレイオス王国に作った
ダンジョンを記録に取りまとめる。

まずはダンジョン:【魔境の森】。

ここが一店舗目であり、俺のコアも保管している
メインダンジョン。

次に俺が今いるダンジョン、
【エンテの街地下】、

そして【ハーレイドッグ子爵家地下】……

同じく四店舗目、
【ズコウファミリー本拠地地下】、

ミントさんの故郷に【アドベグ家地下】、

王都・ネーヴェの王宮に―――
【女性騎士団施設地下】、
【聖女様の部屋地下】と、

合計七店舗のダンジョンが、地下に作成・
張り巡らされている。

「魔境の森から始まったと考えれば、
 ずいぶんと増えましたねー」

リナがひょこっと、俺の肩越しに書類を見つめ、

「一時はどうなる事かと思っておったが、
 何とかなるものだのう」

メルダがカップを片手に、テーブルの上の書類を
見下ろす。

「しかし勇者たちはどうするのだ?
 このままでいいのか?」

猛禽類のような縦線の瞳を持つ魔王が、
続けて聞いてくるが、

「子供じゃないんだし、身の振り方は
 自分たちで考えるだろう。

 避難先として受け入れるとも言ったし、
 俺としては最低限、敵に回る事さえ無ければ
 いいから」

「い、意外とあっさりしてますね……」

人間の方の妻がやや困惑しながら話す。

「実際、俺としてはそこが限界だよ。

 いくら同郷の人間とはいえ―――
 今の俺の優先順位は妻であるリナとメルダ、
 そして子供たち。

 他、眷属にした人たちだ」

俺がそう答えると、嫁二人は顔を赤らめる。

「そ、そうだのう。

 それに時間が出来たのなら、ダンジョンの
 弱点も作り直さないといかん」

魔王・メルダが威厳を保とうと姿勢を正すが、
俺には年相応の少女が、大人びた態度を取ろうと
しているようにしか見えない。

「ていうかメルダ。
 【魔境の森】ダンジョンの管理は……」

リナがたずねると、彼女は腰に両手をつけて、

「あっちならホーンドに任せておるから
 大丈夫だ。

 今のところ、これと言ってする事も
 ないしのう」

一応、この前戦力補強として獣人ビースト風狼ウィンド・ウルフ
追加したけど―――
もともと戦闘用としてダンジョンを作って
いないからなあ。

「しかし、いざ侵攻された場合には備えて
 おかないと。

 緊急時は眷属たちには地下2階以下に
 降りてもらって、まず地下1階は全ての
 ゲームクリアを下の階へ行く条件としよう。

 それだけでも時間は稼げるはずだし」

そこで俺はふと考え、

「なあ、メルダ。
 もしクリア条件以外で……
 例えば床や壁を破壊しようとしたり、
 魔道具を壊そうとしたらどうなる?」

『物理で全部解決』―――
だとしたらクリア条件もへったくれも
無くなるけど……

「その場合は大丈夫じゃ。

 クリア条件以外で進もうとした場合、
 ペナルティを設定出来るからのう」

「あ、やっぱりあるんだそういうの」

まぁ確かに『鍵三つでクリア』とかの扉を、
強引に壊してこじ開けて来たら困るしな。

「ダンジョン増えたし、戦力も増やしておく?」

リナが密着するように俺の右側に来て、

「今のところ獣人10名に風狼20頭か。

 管理ptポイントに余裕があるのなら、
 各ダンジョンにそれくらい配置しても構わんと
 思うが」

メルダが俺の前におでこをくっつけるくらいに
近付く。
そこで俺は彼女の目を見つめ、

「魔族領を取り戻す気は無いのか?
 そのために勇者陣営を引き込みたいと
 言っていたし……

 それに魔物たちは地上に出ても
 平気なんだろう。
 何ならそれで戦力をそろえたって」

そこでメルダは首を軽く左右に振って、

「確かにそうは言ったが―――
 勇者たちの力を使っての全面戦争など、
 もってのほかじゃ。

 要はあの兄上バカを引きずり下ろせば
 いいわけだからな。
 勇者たちがいれば、双方になるべく犠牲を
 出さずに済む方法が考えられると思ったまで。

 でもありがとう、ヒロト」

そう言うと彼女はリナの反対側、つまり
俺の左側に来て腕をつかみ、

「それより新婚の旦那様として、
 義務を果たしてもらおうぞ?
 なあ、リナ?」

「そうですね、メルダ。
 ちゃんと可愛がって頂かないと」

そこで俺は管理者部屋の布団まで二人に
引きずられ―――

そのまま二人に抱きつかれるようにして、
倒されたのだった。


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