【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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151・楽観(無謀)

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「あぁんもう可愛い尊い……!
 私の息子ながらこんな天使がいるなんて」

「元からお可愛いお姿でしたが―――
 もうこうなっては無敵です!」

ダンジョン:【ハーレイドッグ子爵家地下】……
そこのロビーで、子爵夫人であるマリアさんと
護衛のアマンダさんが、子爵家の一人息子である
ロイ君を抱きしめていた。

そのロイ君はというと、猫耳にシッポつきの
着ぐるみに身を包み―――
まんざらでもない表情で二人に身を任せる。

その一方で俺は、ここの責任者であるガド様と
対峙していた。

「いやあすまない。
 まさか、ヒロト殿自ら持って来て
 頂けるとは」

「あ、いえ。
 ついでと言っては何ですが……
 荷物でもありませんし、喜んでもらえたら
 嬉しいです」

俺が持ってきたのは、以前モニター越しで
各ダンジョンと情報共有した際、子爵様が
希望していた息子の衣装だ。

それぞれの組織のトップ同士、お互いに
頭を下げると、

「ついでという事は、本題がある、
 という事かね?」

「はい。
 パトラ、コマチが冒険者ギルド支部から得た
 情報なのですが―――

 魔族領でのトップ交代をつかんだ聖教会が、
 何やらきな臭い動きをしていると。

 女性勇者たちから、勧誘の動きが激しくなって
 いるとの情報も入っていますが、俺には彼らが
 どう動くのかわからなくて。

 それで意見を聞きに来たんです」

俺は異世界の人間だし、まだこの王国の
事情にうとい。
それなりの地位にいる彼ならば、聖教会が
何を狙っているのか、見当がつくと思って
相談に来たのだ。

ガド子爵様は両腕を組んで眉間にシワを
寄せるが、やがて口を開き、

「正直、聖教会側は貴族とも王族とも
 異なる組織なので、正確な予想が
 立て辛いのだが……

 ある種、読みが甘いところがある。
 これは神のしもべ、代弁者と自負しているから
 仕方がないかも知れないが、要は現実に
 基づいた情報を無視する傾向があるんだ」

神様という最強の大義名分がバックボーンの
組織だものな。
そこはわからないでもない。

「なるほど……
 つまり暴走する可能性があると?」

「当人たちは暴走とは思わないだろうしね。

 勇者召喚、それなりの戦果、加えて魔族領の
 トップ交代―――
 一度にこれだけの事が起きれば、神が与えて
 くださった機会ととらえても不思議はない」

俺は子爵様の意見に表情で答え、それが
伝わったのか彼も複雑な表情になる。

「しかし、ジル夫妻からも聞きましたが、
 どうも聖教会は宗教というより、好戦的な
 側面が目立つような」

それを聞いたガド子爵様はうなずいた後、

「立地条件もあるだろうね、それは。

 クレイオス王国は魔族領との最前線。
 いわば人類の代表として魔族の侵攻を
 食い止めているという自負がある。

 だから聖教会にもかなりの軍事力があるのさ。
 迷惑な話だがね」

「ですが、魔王メルダの話では……
 魔族側から仕掛けた事は無いと」

俺の問いに、子爵様は一度カップを口に付け、

「ああ。
 最前線といえば危険だと思うだろうけど、
 どちらかというとなれ合いのような関係
 だったのだろう。

 膠着こうちゃくしている状態が一番良いと―――
 魔王メルダも王家も理解していたのだろうな」

すると、それまで会話に参加してこなかった
女性陣が、

「でも、そんな現実を知る人間なんて……
 現場と関わりのある兵士とその上くらい
 ですからね」

「最前線を守備する軍、そして王家ならば
 それは理解していると思います」

マリア様とアマンダさんが―――
ロイ君を放さないままこちらに顔を向けて話す。

「そして現実を一番理解していないのが、
 聖教会というわけですか……」

俺の言葉に、子爵様は眉間にシワを寄せ、

「いや、理解しているとは思うよ。
 ただ教義上、認める事が出来ないっていうか」

宗教絡みは本当になあ……
思わずため息が出る。

「一応、万が一に備え―――
 ここのダンジョンの出入り口も拡張して
 おきましょう。

 今のところエレベーターが一基ですが、
 もっと大きいものを複数揃えます。
 さらに非常階段も設置して……」

こうして今後の対応を踏まえ、子爵家と話を
詰めていった。


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