【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

文字の大きさ
163 / 203

163・その頃魔族領は02

しおりを挟む

「くく……!
 こ、これほどまでに魔族の戦力が残って
 いるとは……

 あの闇商人が持ち込んだ情報が、
 間違っていたのか!?」

「聖騎士隊11部隊班、全滅!
 12部隊班撤退しました!

 敵はもう本隊まで迫ってきております!」

魔族領まで遠征してきた聖教会は―――
反撃という名の猛攻を受けていた。

・魔族領でクーデターが発生、エバンス派が
メルダ派を倒したが、双方に大きな被害が出た。

・トップが交代したが、未だエバンスを
新魔王と認めない勢力もおり、国内は
混乱している。

・もし聖教会が魔族領へ攻め込めば、
反エバンス派は聖教会の味方となる。

それらの情報を信じての侵攻だったのだが、
魔族軍は混乱どころか待ち構えているかのような
体制で、

戦闘になった途端、彼らはあっという間に
蹴散らされたのである。

「撤退してください!
 これ以上は持ちません!!」

「と、止めろっ!!
 後方部隊も前面へ押し出せ!!」

「間に合いませーん!!」

聖教会が期待した魔族領内の混乱の極みは、
自分たちの身で再現しつつあった。



「……いや、何だありゃ?
 勝つつもりで来たんだよな、アイツら?」

妹と同じ赤髪をした、少年のように見える
魔王―――
エバンスは敵の惨状さんじょうを見て呆れるように
声を上げる。

「勇者らしき者も発見報告がありませんから……
 あまりの弱さに戸惑う部隊もあるようで」

「だよなあ。
 って事は何だ?

 純粋な人間だけの戦力で攻めて来たって事か?
 罠じゃねえだろうなあ?」

あまりの手応えの無さに、彼は部下に聞き返す。

「もし罠であれば、とっくに仕掛けている
 頃かと……
 見てください、すでに相手の本陣にまで
 迫っているのですよ?」

「あ~もう……!
 とにかく、ある程度押し返したら逃げ出す敵は
 見逃せっていう命令だけは徹底しておけ!!」

新たな魔王の号令の元―――
伝令が戦場に向かって飛び出して行った。



「はぁはぁ……

 な、何とか逃げ切る事が出来ましたな」

騎士の一人が、身分の高そうな司祭に
話しかける。

「さすがに向こうも疲れたのであろう。

 あそこで反攻に転じる事が出来れば、
 逆転する目もあったものを……!

 それもこれも、本国が勇者様たちの同行を
 認めなかったからだ!!」

八つ当たりとも思える彼の発言に、同意する者は
一人もおらず―――

むしろ間違った情報を元に行動を決断した
上層部に、不満がつのっていたが……
それはおくびにも出さずに歩き続ける。

「……!
 あ、あれは?」

騎士の言葉に後方を見ると、魔族の大軍が
向かってくるのが見え、

「まさか、このままクレイオス王国まで
 攻め込むつもりか!?」

「ど、どうしますか?
 司祭殿?」

騎士たちは遠征の総指揮を執っていたであろう、
初老の老人に今後の方針を聞こうとするが、

「……いや、本国・王都には勇者様たちが
 おられる。

 我々が反撃を喰らったように―――
 おびき寄せて討ち取る事も可能なはず。

 攻め込まれれば、王国も重い腰を上げぬ
 わけにはいくまい。
 そうだ、これでいい、これでいいのだ……!」

目の前の失敗から逃げるため、
そして正当化のため―――
司祭はブツブツと語るが、それをまともに
受け取る部下や騎士はいなかった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu
ファンタジー
 男は絶望していた。  使い潰され、いびられ、社畜生活に疲れ、気がつけば死に場所を求めて樹海を歩いていた。  しかし、樹海の先は異世界で、転生の影響か体も若返っていた!  リスタートと思い、自由に暮らしたいと思うも、手に入れていたスキルは前世の影響らしく、気がつけば変わらない社畜生活に、、  そんな不幸な男の転機はそこから20年。  累計四十年の社畜ジョブが、遂に覚醒する!!

異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』

チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。 日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。 両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日―― 「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」 女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。 目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。 作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。 けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。 ――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。 誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。 そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。 ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。 癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

処理中です...