【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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165・おいでませダンジョンへ

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「……本日でもう一週間ほど戦い続けているが、
 魔族は一向に退く姿勢を見せん。

 まさか、本気でクレイオス王国を滅ぼしに
 来たとでもいうのか……!?」

わらわは、独り言のように自室でつぶやく。

勇者・弥月みつきの報告では―――
敵戦力の減りに対し、こちら側の損害が大きく
なり始めているらしい。

しかも、レオ様を始めとする戦闘系の恩恵ギフト
持つ、勇者様たちまで押され始めていると。

何でも、新たな魔王・エバンスという者が、
勇者様たちを釘付けにし、

そのおかげで他の被害が拡大しつつあるという。

今は聖女の恩恵ギフトを持つユウコの支援で、
死者を出さずに済んでいるらしいが……
士気は落ちる一方、王都の住人にも不安が
広がっているとの事だ。

不幸中の幸いとしては、王都周辺の村や集落の
避難は完了している、との事。

ただそれも王都内へ誘導しただけなので―――
ここが落とされたら何の意味もなくなるのだ。

「これも報いというものか……

 勇者を召喚しなければ、そしてそれなりの
 戦果を挙げなければ……

 聖教会も妙な野望を抱かず、暴走も
 しなかったであろうに」

わらわは、想定していなかった召喚者―――
ジンム・ヒロトを思い出していた。

予定に無い、そして帰す事も出来ない事から、
すぐに処分を決定した少年。

その決断すら無駄で、命を奪った意味すら
無になるのだろう。

いや、これこそが報いというものか。
身勝手な理由で幼い命を絶った事への……

そこへノックの音が響き、

「……何だ?」

「し、失礼します。
 至急、レオ様を始め勇者様たちが会いたい、
 との事で」

報告を受け、ついに来るべき時が来た、
と思う。

彼ら勇者様たちは別世界の人間。
しかも無理やり拉致同然でこの世界へ
召喚された者。

何もこの国と心中する理由は無いのだ。

「わかった。
 すぐにこちらへお通ししてくれ」

そしてわらわは断罪を待つように、
その時間に身を任せた。



「カミュ王女様。
 戦況は聞いていると思うが―――

 落ち着いて俺たちの話を聞いて欲しい」

いつになく真剣な表情で、レオ様が口を開く。

「いえ、わかっております。
 これまでの勇者様たちの働きに感謝を。

 あなた達までこの国と運命を共にする
 必要はありません。

 どこか遠くへ落ち延びて、
 生き延びてください」

それを聞いた勇者様の面々は、ポカンとした
表情になるが、

「いや、逃げるのならカミュ王女様も一緒だ。
 アンタは俺が守る!」

「……なりません。
 わらわはこの国の王族。
 国民を見捨てて逃げ出すわけには……

 それに、わらわに勇者様に助けて頂く
 資格など……!」

ルキア様とアトム様が困惑した顔でこちらを
見ているが、目を細くしていた女性陣が、

「あー、ラブシーン始めないで。
 そーゆーのは避難した後でね?」

「お~……
 しかし、本当にしまむーと王女様、
 そういう仲だったんだー」

白波瀬殿と弥月殿が茶化すように言ってくる。
わらわは真剣だというのに―――

「えっと、カミュ王女様?

 あの、なかなか話す機会が無かったん
 ですけど……
 実はすでに脱出経路を準備してあるんです。

 それを使って避難する事を、王家として
 許可・支援して頂きたく」

聖女である武田殿がおずおずと口を開く。

「無意味だ、武田殿。
 国民が避難出来ないのであれば、
 わらわも王家も王都に残る。

 まさか王都の住人10万人―――
 全て脱出出来るわけでもなかろう?」

すると、ルキア様とアトム様が顔を見合わせ、

「いや、それが……」

「全員脱出させた上、ある程度生活も
 面倒見られますので。

 すでに女性騎士団とも話はつけて
 あります」

その言葉の意味を理解するまで時間がかかり、
わらわはしばし茫然ぼうぜんとしていた。

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