【完結】ゲーセンダンジョン繁盛記 ~魔王に異世界へ誘われ王国に横取りされ、 そこで捨てられた俺は地下帝国を建設する~

アンミン

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176・ゲーセンダンジョン・十五・十六店目!

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「……メルダ」

「来たかの、兄上。
 いや、今は魔王様か」

魔王城、その玉座の間で―――
同じ赤髪を持った兄妹が対峙する。

メルダは玉座に座らず、俺と一緒に玉座の側に
立ち、そしてパトラとコマチが護衛として
両側を固める。

「どうやって魔族領を落とした?

 いや、北方のドメルン国の脅威をあおったとは
 聞いている。
 問題はその進軍経路だ。

 いくら俺でも、あの王都周辺には目を光らせて
 いたのだぞ?」

魔王が目を威嚇するように光らせると同時に、
魔法使い風の巨乳の女性と、黒髪黒目のメイドが
一歩前に出る。

「だってアタシには、『彼』がおるしのう」

そう言ってメルダは、俺の片腕に手を回す。

「貴様が、異世界よりメルダが召喚したという
 ダンジョンマスターか。

 どういう事か説明してもらおう。
 何せもうこちらは、貴様らの条件を飲むしか
 無いのだからな」

俺は『ン』、と咳払いし、

「説明も何も、魔境の森を最初のダンジョン、
 本拠地にしていたので。

 王都を迂回して、魔族領に向かった。
 ただそれだけですよ」

「だからそれがあり得ないと言っている。

 俺は配下に王都周辺の監視を命じた。
 いくら貴様でも、3人4人で城に攻め入った
 わけではなかろう?

 軍の移動に気付かないわけはない」

そこで俺はメルダを抱き寄せ、

「俺はどうも、この世界のダンジョンマスター
 とは異なり―――
 ダンジョンの外を自由に動き回れるみたい
 なんです。

 そして俺さえ移動出来れば、どこにでも
 ダンジョンを作る事が出来ます」

「という事じゃ。

 アタシとヒロトがこの2人の魔物……
 魔狐マジカルフォックス銀猫シルバーキャット
 乗って、王都をぐるりと遠回りして魔族領へ
 潜入、そこでダンジョンを作成したのだ。

 後はダンジョン産の魔物たちと一緒に、
 魔王城へ押し寄せた、それだけよ」

そう、移動そのものは少人数で行った。

何より、本来の姿に戻ったパトラとコマチの
移動速度はすさまじく、

例え見つかったとしても捕捉は困難だった
だろう。

そして魔族領へ潜入後、魔王城の目と鼻の先で
ダンジョンを作成し、

後はメルダの言った通り、ダンジョン内で
生産した魔物たちと共に城へと押し寄せたので
ある。

「一つ聞くが―――
 本当にドメルン国は兵を集結させて
 いたのか?」

その問いに、メルダはもともと猛禽類のような
目をますます鋭くさせ、

「さてなあ。

 アタシはただ、魔王に返り咲いたと
 ドメルン国へ手紙を送っただけだが?」

「く……っ」

エバンスが悔しそうに口を歪める。

そう―――
ドメルン国がメルダの魔族領へ攻め込むかも
知れないという情報は、彼女のハッタリだった。

だがそれでもけん制にはなるし、しかも
手紙通りに魔族領は彼女の手に戻った。

指導者としてはこの時点で、一手も二手も
彼女の方が上だろう。

「さて、兄上。
 このままではそなたも納得はすまい?

 条件について話そうぞ」

「確か、この魔族領と―――
 クレイオス王国の支配権を賭ける、
 と言ったか。

 いいだろう、受けて立つ」

するとメルダはニッ、と笑い、

「あのクレイオス王国の王都に作った
 ダンジョン……
 アレと同じ物。

 いや、アレ以上の本拠地と同じダンジョンを
 この魔王城地下に作った」

「……何だと?」

いぶかしげにこちらを見上げる彼に、
彼女は続けて、

「そこにある魔導具で決着を付けようぞ。

 練習期間として10日与えてやる。
 その間に代表者を選ぶといい。

 勝敗を決める魔導具は兄上、お主に
 選ばせてやろう。
 ギャンブル系は抜かしてもらうがな。

 勝負の日は、そちらが代表者と魔導具を決めた
 翌日じゃ」

「フン、いいのか?
 せっかくお前の方に優位性があるのに」

挑発気味にエバンスが返してくるが、

「いや、こちらが有利過ぎるからのう。
 そこまで譲歩して負けたとあれば、
 兄上も言い訳は出来まいて」

「わかった、それでいい。

 後悔させてやる、必ずな」

こうして新旧魔王の対決が決まり―――

「ではいったん、ヒロトの眷属となれ。
 兄上が勝てば解除してやろう」

「エバンス様!」

その時、同じ謁見の間に控えていた彼の
配下が反発するが、

「騙すつもりなら、俺たちが王都から
 撤退した時に追撃するはずだ。

 さあ、やるといい」

そこで俺は彼を眷属に加え……
いったん魔王城は彼に返し、俺たちは
本拠地まで戻る事にした。

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