婚約を前提に結婚しましょう?

くう

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本編 ルーカス編

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俺はエルバンと作った手作りクッキー持って、馬車の揺れに身を任せ、街並みを眺めながらヴィスコンティ公爵家に向かった。


エルバンと一緒に作ったクッキーは、俺が初めてシリウスに手渡す手作りの食べ物だ。
今まで誰かに買ったものをプレゼントすることはあれど、手作りのものをプレゼントするという経験があまりない。
しかも、好きな人に渡すなんて尚更だ。


味見した時は今まで作った中でも最高の出来だし、俺自らデコレーションも行った。
しかも、シリウスの好物である苺のジャムクッキーもある。
俺なりに心を込めて作った。



内心、喜んでくれるのかドキドキしながらも、
シリウスの喜ぶ顔を思い浮かべ、うっすらと微笑みが溢しながら俺はヴィスコンティ公爵家に着くのを待った。







ヴィスコンティ公爵家に着き、馬車の扉が開くと目の前にシリウスがいて俺に手を差し伸べてきた。

今日は急だったからサプライズのつもりで来たけれど、驚かされたのは俺のほうだった。


「シリウス、!?
驚きました、、、。今日はサプライズのつもりでシリウスに会いに来たのに、、、。」

「少し、気分転換に散歩をしていたらちょうど君の馬車が見えて、それで急いで来たんだ。」

「まあ、そうだったんですね。」


俺はシリウスにエスコートされながらも手に持ったクッキーの入ったかごに目を向け、意を決してシリウスに話しかけた。


「シリウス」

「?、なんだ。」

「私、実は今日あなたに会いに来たのは、手作りクッキーをプレゼントしに来たんです。」

「クッキー、!?わ、私に?」

「はい、シリウスに!お好みの味かどうかはわかりませんが、、、料理長と共に作りました!」

「今すぐお茶の用意をしよう!イリア!」

「かしこまりました。ルーカス様、籠をこちらに。」

「はい、お願いしますね!」


シリウスは俺の手作りクッキーという言葉を聞いてすぐにお茶の用意をしてくれた。
驚きながらも嬉しそうな満面の笑みで。

俺の手作りクッキーってだけで俺のどタイプの男らしいシリウスが満面の笑みで嬉しそうにしてる様子よ。

ギャップ萌えです。




可愛すぎるわ!愛しすぎるわ!




今すぐ結婚したい!!





俺がクッキーの入った籠をイリアに手渡した後シリウスにエスコートされた部屋にはもうすでにお茶の用意が整えられていた。



仕事が早すぎる。
さっき指示されたばかりだろ。

しかも、さっき渡した手作りクッキーが綺麗に並べられている。
しかも、俺のお気に入りの紅茶がもうある。


流石は公爵家。職人技だ。



シリウスに「どうぞ」と手を向けられ、彼に促されてソファへ腰を下ろすと、すぐ隣にシリウスも座った。


はぁ、さりげなく隣に座ってくれるの好き。






「クッキーを手作りするという初めての挑戦で、、、シリウスのお口に合うかわかりませんが、どうぞ、!」

「すごく美味しそうだな、!まずはこのクッキーを頂こう、」


シリウスは一枚のジャムクッキーを大事そうに手に取り口へ運んだ。
サクッという音とともに、シリウスの眉がほんのわずかに動き、瞳が驚いたように瞬いた。


「す、すごく美味しい、、、!
ジャムの甘さとクッキーのサクサク感が絶妙だ、!
見た目もすごく可愛らしいし、、、
君の手作りクッキーが食べられるなんて俺は幸せ者だな。」

「褒めすぎですよ、!喜んでいただけてよかったです!」


シリウスは次々と俺の手作りクッキーを手に取り美味しそうに食べ始めた。

俺はその姿をしっかりと目に収め、頭の中のシリウスフォルダーにしっかり保存した。
この世界にカメラがあったらシリウスの姿を連写して部屋の中一面に飾るのになぁ。




そして、シリウスが隣で手作りクッキーを食べている時、俺のすることといえば、、、!




「シリウス!こちらも食べてみてください!
こちらはチョコチップが入っているものなんですよ。」

「わかった」



そう言うとシリウスは俺の手からクッキーを食べた。もう、少し慣れてきたみたいだがまだ赤いのが尊い。



2人でクッキーを食べて楽しんでいると、「あ、!」っという声と共に、シリウスが何かを思い出したような仕草を見せた。



「そうだ、私もルーカスに渡したいものがあるんだ」

「私に、、、ですか?」

「あぁ。私からまだ君に専用のチョーカーを渡していないだろう?時間が掛かってしまったが、、、」



そう言うとシリウスは俺の前に綺麗な箱を出した。
中を開けて見てみるとそこには繊細な細工が施され小さな赤い宝石が散りばめられた美しい作りのチョーカーが収まっていた。
繊細な細工がしてあるにも関わらずΩのうなじを守るためにしっかりとした作りで鍵がなければ外せない仕組みのようだ。



「素敵ですね、、、!」

「ははっ、喜んでもらえたようで嬉しいよ。」

「シリウス、着けていただけますか、?」

「あぁ、もちろん。」




贈られたチョーカーをシリウスに手渡すと、シリウスがソファから立ち、俺の後ろに立った。
そっと首元に冷たい金属が触れ、カチりと音がなった。




「鍵はこれだ。」

「あぁ、ありがとうございます!」

「もう一つの鍵は私が持っていても良いだろうか?」

「もちろんです!」

「ありがとう。
前の記念パーティーでルーカスがたくさんの人に狙われているという事がよくわかった。少しでも君が安全に過ごせるように全力を尽くそう。」

「ふふっ、ありがとうございます。」





わぁぁぁぁぁぁ!

それって小説とかでよく見る「俺が君を守るよ!」宣言ですか?
ご馳走様です!

あのハゲ散らかしてたおっさん達もいい仕事したなぁ!シリウスの手前、俺が愛想良くしてたせいであいつら、なんかいい顔してたんだよ。
何様だよ!って何回、平手打ちを食らわしたろうかと思ったか!

我慢したけどさ!


まあ、でも、そのおかげで!

シリウスからチョーカーも贈って貰えたし?

最高かよ!俺、前世めちゃ良い事しちゃった?

シリウスが紳士すぎるよー!またまたギャップ萌えだわ!



もー!何回惚れさせにくるんだよ!








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