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2章
初仕事
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外に出た。
外の風景はこうなっていたのか、と感嘆せずにはいられなかった。
特に珍しい景色が広がっている、というわけではなかったが、それでも見慣れないその風景に、本当に転移して他国に来ていたんだと実感させられる。
「聖者様、道をお示しください」
一人の兵士が、俺のところへと走ってくる。
きっと隊長とか、司令塔となる人なんだろう。
とはいえ、このわからない地理において、指示もくそも......と思い、指輪を確認する。
「この光の道の通りに進みなさい」
俺は治癒の光を飛ばし、空に光の線を描く。
特に治癒をしなくても、エフェクトだけは立派に飛ぶもんだ、と初めてやって気づいた。
「ありがたき幸せ」
そう言って隊長らしき男は俺から離れる。
「全軍、傾聴!」
その瞬間、空気が引き締まる。
「聖者様が道を示してくださった。あとは、我々が向かうのみである!」
その瞬間、雄たけびが上がった。
魂が震えるような、怖いものが何もないといわんばかりの高揚感。
「全軍! 進軍せよ!」
その声を聞いて、兵士たちが走り出した。
「おそらく、最初に敵を補足するのは騎馬隊でしょう」
つまり、馬に乗った兵士、というわけだ。
確かに、足の速さで言えばそれが一番速いだろう。
「では、私も行きます」
「聖者様!?」
その瞬間、男から驚きの声が漏れる。
とは言っても、今は隊長の男――――部隊長ではなく総隊長のため場に残っている――――しかいないため、先ほどの雄たけびに比べれば随分と音量としては小さく感じる。
「おそらく、近くなればわかります。私が行くのが一番良いでしょう」
それは今なお光が小さくなっていく指輪が証明しているようなものだった。
そしてこの指輪が大切だとあれだけ念を押されている以上、誰かに貸すことも躊躇われる。
やはり、自分が行くのが最善だろう。
「大丈夫です、これでも戦闘に身を置いていましたから」
あのパーティーでこき使われた記憶が蘇る。
正直、あのパーティーで技術を身に着けていなかったら、この行動どころかここまでたどり着けた気がしない。もう思い出すことのない日々だったと思っていたが、今ばかりは感謝だ。
「わかりました。それでは、私の馬に乗ってください」
どうやら、総隊長も出陣するらしい。
まぁ、後ろでずっといると情報が古いし、いずれ前に出ていく予定だったのかもしれないが。
とりあえず、その指示に従って俺は馬に乗る。
「行け!」
その声とともに、馬は走り出した。
外の風景はこうなっていたのか、と感嘆せずにはいられなかった。
特に珍しい景色が広がっている、というわけではなかったが、それでも見慣れないその風景に、本当に転移して他国に来ていたんだと実感させられる。
「聖者様、道をお示しください」
一人の兵士が、俺のところへと走ってくる。
きっと隊長とか、司令塔となる人なんだろう。
とはいえ、このわからない地理において、指示もくそも......と思い、指輪を確認する。
「この光の道の通りに進みなさい」
俺は治癒の光を飛ばし、空に光の線を描く。
特に治癒をしなくても、エフェクトだけは立派に飛ぶもんだ、と初めてやって気づいた。
「ありがたき幸せ」
そう言って隊長らしき男は俺から離れる。
「全軍、傾聴!」
その瞬間、空気が引き締まる。
「聖者様が道を示してくださった。あとは、我々が向かうのみである!」
その瞬間、雄たけびが上がった。
魂が震えるような、怖いものが何もないといわんばかりの高揚感。
「全軍! 進軍せよ!」
その声を聞いて、兵士たちが走り出した。
「おそらく、最初に敵を補足するのは騎馬隊でしょう」
つまり、馬に乗った兵士、というわけだ。
確かに、足の速さで言えばそれが一番速いだろう。
「では、私も行きます」
「聖者様!?」
その瞬間、男から驚きの声が漏れる。
とは言っても、今は隊長の男――――部隊長ではなく総隊長のため場に残っている――――しかいないため、先ほどの雄たけびに比べれば随分と音量としては小さく感じる。
「おそらく、近くなればわかります。私が行くのが一番良いでしょう」
それは今なお光が小さくなっていく指輪が証明しているようなものだった。
そしてこの指輪が大切だとあれだけ念を押されている以上、誰かに貸すことも躊躇われる。
やはり、自分が行くのが最善だろう。
「大丈夫です、これでも戦闘に身を置いていましたから」
あのパーティーでこき使われた記憶が蘇る。
正直、あのパーティーで技術を身に着けていなかったら、この行動どころかここまでたどり着けた気がしない。もう思い出すことのない日々だったと思っていたが、今ばかりは感謝だ。
「わかりました。それでは、私の馬に乗ってください」
どうやら、総隊長も出陣するらしい。
まぁ、後ろでずっといると情報が古いし、いずれ前に出ていく予定だったのかもしれないが。
とりあえず、その指示に従って俺は馬に乗る。
「行け!」
その声とともに、馬は走り出した。
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