英雄教科書

大山 たろう

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一章 校内魔法対抗戦

異常事態

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 二人はとりあえず、とどちらからともなく学校へと足を進める。
 きっとソフィア先生が終わりの挨拶をしているころだろう、と思い教室に入ったが、人っ子一人いない。

「何があった......魔力も、朝の痕跡しか見えない」

 人は誰しも魔力を持っており、それが魔法使いともなれば、体が無意識に魔力を放出したり、珍しい人で言えば魔法を無意識で使う人までいる。
 が、そのような痕跡が一切ない。ということが示すのは。

「誰一人として、学校に戻ってきていない」

 フィルターで現地解散しているのか、はたまた何か問題に巻き込まれたか。
 とりあえず魔法を使って学校中を探索してみるも、人の影一つない。

 逆、つまり俺が何かをされている、とライズは疑って幻術に対応する簡単な方法、魔力の放出を試してみる。
 も、周囲の環境が変わることはなかった。

「これは一体どういうこと」

 ガイアがぼそりとつぶやいた。

 職員室に行ってみるも、校内大会に来ないで学校に残った先生すらいない。

「これは異常事態だ」

 そう言ったライズは一気に光魔法を使い、王都のあちこちをさがしはじめる。

「見つけた」

 数秒で見つけたライズ。が、状況は芳しくはなかった。

 もっと頭を凝らすべきだったのだ。

 あの頭の悪そうな悪魔が、どうして人間界に訪れたのか。

 あいつが戦いたかったから? それなら悪魔同士のほうがよっぽど満足できる。
 襲撃を仕掛けたかったから? それなら逃走用に何か用意してもいいだろう。それに、目的がはっきりしない。
 様々な可能性を切り捨てた結果―――――と、そこでガイアが答えた。

「あいつは陽動だった」

 ライズもその答えを導き出していた。

「急ぐぞ」

「うん」

 もう日が落ちてきた。
 もう生徒たちは寮に戻る時間だ。

「さて、流石に救援を呼ぶか」

 ライズはそう言うと手の先から微弱な光魔法を放出しだした。
 それが何を意味するのかは、ガイアにはわからないことだった。
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