魔力極振りの迷宮探索

大山 たろう

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六章 文化祭

初の共同作業

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 ......あ、そうだ、いままで試したことないやつやってみよう

 俺は昔思いついたものの試すことすらできなかったことをしてみることにした。


「紗耶香! 今から実験するぞ!」

「実験!? この状況で!?」

 そう驚く紗耶香。そう、試せなかったのは単純にいままで使う機会がなかったのと、一緒にする仲間がいなかったからだ。

 俺は紗耶香のほうに駆け寄ると、魔力譲渡で紗耶香の魔力を回復させる。

「今から俺が魔弾の魔法陣を一部開けて描くから、属性のところだけ紗耶香が水魔法を書いてくれ」

「え!? そんな急に言われても......」

 と急にわたわたしだす紗耶香。とりあえずやってみないことには始まらない。魔弾を書き、しこたま魔力を込める。

 紗耶香も覚悟を決めたのか、水属性攻撃の文字を書き始めた。

 その間に徹と司は自身の仕事をわかっているようで、ひたすらにヘイトを集めるように攻撃を開始した。

 向こうも致命打にならないと分かっているから、鬱陶しいのだろう。人が蚊に群がられて気分がいいなんてことはほとんどないはずだ。
 しかし、蚊の中にも人を殺しうるものは存在する。

今回ミノタウロスにとってのそれが、俺たちだっただけだ。

 と決め台詞を吐いた手前、起動しないなんていうヘマをこいたら一生の恥どころかここが一生の終着点になるわけだが、どうやらその心配は杞憂だったようだ。

 一文字を集中して書いたら大丈夫なのか、紗耶香は水属性の魔法文字を結構高い精度で書けていた。俺はそれを見て大体わかるが、書いてもうんともすんとも言わない。が、紗耶香の書いたそれは正しく動くようだ。

 完成した魔法陣を起動すると、そこから魔弾が現れる。

 しかしいつものように無色透明ではなく、青い光がとても強く輝いていた。

「でき.....た?」

 紗耶香はこの光景を見て驚いているようだ。俺も属性魔法を他者の力を借りてとはいえ撃てることに感動を少なからず覚えている。

 が、その感動に浸るのはあとでいいだろう。

 とりあえず目の前の敵を倒すところから始めないと。

 俺は全力で魔弾を射出する。

 青い光がレーザービームのように細く見えるほど素早く射出され、ミノタウロスの肉体へと迫る。

 そして、貫通。

 見事に、天然の鎧を貫き、魔石に穴をあけた。
 それは人間にとっての心臓に穴が開くぐらいの致命傷である。


 ドンドンと霧となって消えていくミノタウロス。しかしその目はどこか満足しているように見えた。

 満足した子供のように、無垢な、その瞳も―――――

 霧となって、消えていった。

 気付いたのは俺だけだろうか。ほかのやつらは勝った疲れからぐったりしている。

 ドロップも穴の開いた魔石だけだ。とはいえ、ボスのしかも変異種の魔石だから高く売れるだろう。

 そして、レベルマックス。

 やっと、やっと。

 この次の職業は一体、どんな名前になるのだろうか。

 四次職か。もう半分もとうに超えていたのか......

 これだけレベルアップが多いのも、ソロで潜っていて経験値分配がなく十割すべて入ってきているどころか、二十四時間経験値を稼ぎまくっているわけで。たまに二人で群れる系の階層を狂って全滅させてますし。そりゃ溜まるのも速いですわ。

 ちょっと今考えると死んでてもおかしくないな、と思えてきたが、生きているので良しとしよう。

 さて、四次職の名前は......

 ・魔力堤防ダム

 もはや俺はダムと呼べるまで進化したようだ......

 まぁ、そりゃぁそうだろう。

 いまやもうすぐで百万の大台へと到達しそうな魔力を収めた箱とかどこにあるんだってはなしだもんね!

 とはいえ、名前からもうわかる、俺のステータス、魔力以外伸びないな、って。

 まぁ、もういいんだ。強化エンハンス頑張るだけだから。
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