魔力極振りの迷宮探索

大山 たろう

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六章 文化祭

迷宮探索6-2

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 そこに鎮座していたのは、体が人間なのだが、顔が牛という奇怪な生物......と言葉にすると難しいが、要はあれだ、ミノタウロスだ。ミノさんだ。

 しかし、いつも俺たちの見聞きしているミノさんとは大きく違うところが、体が黒いところだ。

「なぁ、あの黒さってデフォか?」

「んなわけねぇだろ! 聞いたことねぇか、変異種!」

 俺もその存在は知っていたものの、今まで遭遇しなかった......というよりも、こいつは探索者人生で一度出会えるかどうかってレベルのレアものだ。そんな奴がお目にかかれるのは、中々運が良い......いや、悪いか。

 なにせ変異種は通常種の数倍、下手すれば数十倍は力の差があるという。
 しかも今までのデータはすべてフィールドでのエンカウントである。ボスが変異だなんて聞いたことがない。

「変異種は大抵黒い色してるらしいぞ! 覚えとけ!」

 いつものように扉が閉まり、ミノタウロスが目を覚ます。

 徹から豆知識をいただいたところで、戦闘を開始しよう。
 実は扉が閉まる前に先手必勝してやろうかと思っていたのだが、なぜか絶対にしてはいけないという空気になってできなかった。

 まぁいい、後悔はあとでだ。
 魔弾を撃ちこむ。
 オルトロスも撃ちぬいた俺の魔弾に、撃ち抜けないものはあんまりない!たぶん倫理的に撃ち抜けないものばかりだが。

 とか思っていたのだが、分厚い胸板にはじかれ、あっけなく霧散してしまった。

「どうやら魔法は水属性しかダメみたいね......」

 どうやら会長の鑑定で見破ったようだ。しかし、魔法が聞かないとなると、結構まずいな、魔法刀身もあの様子だと聞かなさそうだし......俺ってお荷物?

 徹が黒い刀身に青い光をまとわせ、一直線に切りかかった。

 脚に直撃したはずなのに、びくともしないミノタウロス。

 どころか、口角をぐにゃりと歪ませると、背中の斧を地面にたたきつける。

 バゴォォォォォォン!

 地面を周囲事えぐり取って行く破壊の斧が、ただただ無慈悲に振り下ろされる。

 ミノタウロスはいま......そう、もぐらたたきとか、ワニワニパニックとか、そんなゲームを前にした子供のような印象を覚える。

 しかし、そうやすやすとつぶれる俺たちじゃあない。向こうも遊んでいるからだろう。結構な大振りの動きをみてからよけるのは結構簡単であった。

 ずっとこれを繰り返して疲労を狙う線も考えたのだが、よくよく考えたらあの筋肉が疲弊するのと運動不足の司がくたばるのと、どっちが早いかなど考えるまでもないだろう。

 ミノタウロスを見直す。ゴム以上に弾力がありそうなあの胸板をはじめとする筋肉。自然の鎧をどう崩すのか。

 とりあえず死ぬわけにはいかないので、双子座ジェミニを使い、俺は二人に分かれる。



 初見だったようで司と徹は驚いていたが、戦闘中というのを思い出して一度驚きを引っ込めたようだ。これができるかできないかが生死を分けると感心していたが、すぐ思考を戻す。

 とりあえずお荷物は嫌なので、魔法刀身を使って俺が切りかかる。

「はぁっ!」

 しかし、掛け声もむなしくまったく切れないと感覚が悟ったところで、斧に潰され、双子座ジェミニのもとへと戻る。


 次は双子座ジェミニが行く番だ。

 魔弾をガッチガチに固め、固め、固め......恐らく世界一固い物質よりも固いであろうその魔弾を、本気でぶっ放した。

 おい、節約して戦っていたのに一撃に三割も持っていきやがって!

 隣でニヤニヤしている双子座ジェミニ。そして結果の魔弾だが、少し筋肉の鎧を抉ったのを確認した。

 どうやら魔法無効化するような魔法使い殺しじゃなくて、マジもの天然強度らしい。

 とか言っている間に双子座ジェミニは斧に潰された。ので俺がスキルを発動する。

 また二人になったものの、結局有効打がないままだ。

 徹の剣は通らないし、司も魔法攻撃のため俺の攻撃を見て有効打足りえないと撃つのを控えているようだ。

 そして飯塚姉妹だが、姉はステータスがそもそも低いので端っこで待機、妹は苦手な水魔法をとりあえず打ち込んでいるらしい。

 決め手......決め手なぁ......
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