38 / 68
六章 文化祭
迷宮探索6-2
しおりを挟む
そこに鎮座していたのは、体が人間なのだが、顔が牛という奇怪な生物......と言葉にすると難しいが、要はあれだ、ミノタウロスだ。ミノさんだ。
しかし、いつも俺たちの見聞きしているミノさんとは大きく違うところが、体が黒いところだ。
「なぁ、あの黒さってデフォか?」
「んなわけねぇだろ! 聞いたことねぇか、変異種!」
俺もその存在は知っていたものの、今まで遭遇しなかった......というよりも、こいつは探索者人生で一度出会えるかどうかってレベルのレアものだ。そんな奴がお目にかかれるのは、中々運が良い......いや、悪いか。
なにせ変異種は通常種の数倍、下手すれば数十倍は力の差があるという。
しかも今までのデータはすべてフィールドでのエンカウントである。ボスが変異だなんて聞いたことがない。
「変異種は大抵黒い色してるらしいぞ! 覚えとけ!」
いつものように扉が閉まり、ミノタウロスが目を覚ます。
徹から豆知識をいただいたところで、戦闘を開始しよう。
実は扉が閉まる前に先手必勝してやろうかと思っていたのだが、なぜか絶対にしてはいけないという空気になってできなかった。
まぁいい、後悔はあとでだ。
魔弾を撃ちこむ。
オルトロスも撃ちぬいた俺の魔弾に、撃ち抜けないものはあんまりない!たぶん倫理的に撃ち抜けないものばかりだが。
とか思っていたのだが、分厚い胸板にはじかれ、あっけなく霧散してしまった。
「どうやら魔法は水属性しかダメみたいね......」
どうやら会長の鑑定で見破ったようだ。しかし、魔法が聞かないとなると、結構まずいな、魔法刀身もあの様子だと聞かなさそうだし......俺ってお荷物?
徹が黒い刀身に青い光をまとわせ、一直線に切りかかった。
脚に直撃したはずなのに、びくともしないミノタウロス。
どころか、口角をぐにゃりと歪ませると、背中の斧を地面にたたきつける。
バゴォォォォォォン!
地面を周囲事えぐり取って行く破壊の斧が、ただただ無慈悲に振り下ろされる。
ミノタウロスはいま......そう、もぐらたたきとか、ワニワニパニックとか、そんなゲームを前にした子供のような印象を覚える。
しかし、そうやすやすとつぶれる俺たちじゃあない。向こうも遊んでいるからだろう。結構な大振りの動きをみてからよけるのは結構簡単であった。
ずっとこれを繰り返して疲労を狙う線も考えたのだが、よくよく考えたらあの筋肉が疲弊するのと運動不足の司がくたばるのと、どっちが早いかなど考えるまでもないだろう。
ミノタウロスを見直す。ゴム以上に弾力がありそうなあの胸板をはじめとする筋肉。自然の鎧をどう崩すのか。
とりあえず死ぬわけにはいかないので、双子座を使い、俺は二人に分かれる。
初見だったようで司と徹は驚いていたが、戦闘中というのを思い出して一度驚きを引っ込めたようだ。これができるかできないかが生死を分けると感心していたが、すぐ思考を戻す。
とりあえずお荷物は嫌なので、魔法刀身を使って俺が切りかかる。
「はぁっ!」
しかし、掛け声もむなしくまったく切れないと感覚が悟ったところで、斧に潰され、双子座のもとへと戻る。
次は双子座が行く番だ。
魔弾をガッチガチに固め、固め、固め......恐らく世界一固い物質よりも固いであろうその魔弾を、本気でぶっ放した。
おい、節約して戦っていたのに一撃に三割も持っていきやがって!
隣でニヤニヤしている双子座。そして結果の魔弾だが、少し筋肉の鎧を抉ったのを確認した。
どうやら魔法無効化するような魔法使い殺しじゃなくて、マジもの天然強度らしい。
とか言っている間に双子座は斧に潰された。ので俺がスキルを発動する。
また二人になったものの、結局有効打がないままだ。
徹の剣は通らないし、司も魔法攻撃のため俺の攻撃を見て有効打足りえないと撃つのを控えているようだ。
そして飯塚姉妹だが、姉はステータスがそもそも低いので端っこで待機、妹は苦手な水魔法をとりあえず打ち込んでいるらしい。
決め手......決め手なぁ......
しかし、いつも俺たちの見聞きしているミノさんとは大きく違うところが、体が黒いところだ。
「なぁ、あの黒さってデフォか?」
「んなわけねぇだろ! 聞いたことねぇか、変異種!」
俺もその存在は知っていたものの、今まで遭遇しなかった......というよりも、こいつは探索者人生で一度出会えるかどうかってレベルのレアものだ。そんな奴がお目にかかれるのは、中々運が良い......いや、悪いか。
なにせ変異種は通常種の数倍、下手すれば数十倍は力の差があるという。
しかも今までのデータはすべてフィールドでのエンカウントである。ボスが変異だなんて聞いたことがない。
「変異種は大抵黒い色してるらしいぞ! 覚えとけ!」
いつものように扉が閉まり、ミノタウロスが目を覚ます。
徹から豆知識をいただいたところで、戦闘を開始しよう。
実は扉が閉まる前に先手必勝してやろうかと思っていたのだが、なぜか絶対にしてはいけないという空気になってできなかった。
まぁいい、後悔はあとでだ。
魔弾を撃ちこむ。
オルトロスも撃ちぬいた俺の魔弾に、撃ち抜けないものはあんまりない!たぶん倫理的に撃ち抜けないものばかりだが。
とか思っていたのだが、分厚い胸板にはじかれ、あっけなく霧散してしまった。
「どうやら魔法は水属性しかダメみたいね......」
どうやら会長の鑑定で見破ったようだ。しかし、魔法が聞かないとなると、結構まずいな、魔法刀身もあの様子だと聞かなさそうだし......俺ってお荷物?
徹が黒い刀身に青い光をまとわせ、一直線に切りかかった。
脚に直撃したはずなのに、びくともしないミノタウロス。
どころか、口角をぐにゃりと歪ませると、背中の斧を地面にたたきつける。
バゴォォォォォォン!
地面を周囲事えぐり取って行く破壊の斧が、ただただ無慈悲に振り下ろされる。
ミノタウロスはいま......そう、もぐらたたきとか、ワニワニパニックとか、そんなゲームを前にした子供のような印象を覚える。
しかし、そうやすやすとつぶれる俺たちじゃあない。向こうも遊んでいるからだろう。結構な大振りの動きをみてからよけるのは結構簡単であった。
ずっとこれを繰り返して疲労を狙う線も考えたのだが、よくよく考えたらあの筋肉が疲弊するのと運動不足の司がくたばるのと、どっちが早いかなど考えるまでもないだろう。
ミノタウロスを見直す。ゴム以上に弾力がありそうなあの胸板をはじめとする筋肉。自然の鎧をどう崩すのか。
とりあえず死ぬわけにはいかないので、双子座を使い、俺は二人に分かれる。
初見だったようで司と徹は驚いていたが、戦闘中というのを思い出して一度驚きを引っ込めたようだ。これができるかできないかが生死を分けると感心していたが、すぐ思考を戻す。
とりあえずお荷物は嫌なので、魔法刀身を使って俺が切りかかる。
「はぁっ!」
しかし、掛け声もむなしくまったく切れないと感覚が悟ったところで、斧に潰され、双子座のもとへと戻る。
次は双子座が行く番だ。
魔弾をガッチガチに固め、固め、固め......恐らく世界一固い物質よりも固いであろうその魔弾を、本気でぶっ放した。
おい、節約して戦っていたのに一撃に三割も持っていきやがって!
隣でニヤニヤしている双子座。そして結果の魔弾だが、少し筋肉の鎧を抉ったのを確認した。
どうやら魔法無効化するような魔法使い殺しじゃなくて、マジもの天然強度らしい。
とか言っている間に双子座は斧に潰された。ので俺がスキルを発動する。
また二人になったものの、結局有効打がないままだ。
徹の剣は通らないし、司も魔法攻撃のため俺の攻撃を見て有効打足りえないと撃つのを控えているようだ。
そして飯塚姉妹だが、姉はステータスがそもそも低いので端っこで待機、妹は苦手な水魔法をとりあえず打ち込んでいるらしい。
決め手......決め手なぁ......
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる