魔力極振りの迷宮探索

大山 たろう

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六章 文化祭

初日にして最終日の文化祭

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 今日は文化祭。二日間にわたって行われる予定なのだが、俺たちは知っている。

 今日の十四時。この学校に事件が起きることを。

 しかし、まだ誰にも言わない。というかクラスのメンツは信じてくれるどころか話をすることすらできないだろう。俺も伝える気はないのだが。

 俺は今日のためにちゃんと装備をちゃんと司へと修理に出して、一昨日くらいに回収していた。結構司製作の銃はガタがきていたようだ。きっちり強化されて帰ってきた。

 俺は装備をバッグに突っ込んで、学校へと登校する。

 教室に着いたら、さっさと準備をしていく。

 屋台の組み立てと、材料を回収して製作開始とか......山積みだ。サッサと取り掛からないと終わらないだろうからやってしまおう。

 途中でぞろぞろとやってきて、無言で準備に取り掛かってくれた。なんだ、お前らいいやつみたいじゃねぇか。勘違いしちゃうだろ!

 いやんいやんする内心を抑え、無表情で組み立てていく。あいにくとポーカーフェイスは得意なんだ。最悪偽装するわ!

 バカみたいな偽装の使い方だと自分であきれていたところで、勇者パーティーがまぁまぁ大きな荷物を抱えてきた。

「会長にいつも使っている装備を今日持ってきてくれ、って言われたが、なんでだろ、紗耶香、何か知ってるかい?」

「まぁ、午後使うことになるらしいよ」

 そう答えて教室から去る紗耶香。それくらいだったら問題ないだろう。むしろ勇者がフル装備で行って負けることはないだろう。(フラグ)というか、これでその未来変わるなら万々歳だし。

 勇者パーティーはカバンを下すと、屋台のほうへ装備を置きに行った。誰かに盗まれないようにずっと誰かの眼につく場所に置いておくつもりらしい。俺はバッグに突っ込んでずっと持ち歩くが。

 とまぁ、それは置いといて、みんなの協力のおかげで、屋台の準備が終わった。

 俺のシフトは明日にしておいたので、実質仕事なしだ。

 とはいえ楽しまないのも何なので、めぐってみることにした。


 屋台のところから、校舎二階に向かおうとしたところで、後ろから声がかかる。

「ねぇ、拓海くん、一緒に回らない?」

 そう誘ってきたのは、紗耶香だった。

「えぇ、俺なんかでいいの?」

「いいよ! ってかそんな自己評価低かったのか!」

 驚く紗耶香。女子と一緒に文化祭とかいう状況になって驚く俺。

 非常にドキドキしながらも午前中、俺は紗耶香と楽しむことを決めた。

「まずどこ行きたいとかある?」

「うーん、そうだなぁ......そうだ、お化け屋敷、いこ!」

 俺は紗耶香に引っ張られるままお化け屋敷のある三階へと連れていかれる。

 二年三組、お化け屋敷。
 二人一組で入っていくシステムのようで、カップルが多く並んでいた。

 最後尾に並んだところで、横から服の端を引っ張られる。そちらを向くと、紗耶香は顔を少し朱に染めて

「なんか私たち......カップルみたいだね!」

 そして顔を真っ赤にすると、視線を合わせないようにするためか、はたまた顔を隠すためかは知らないが、下を向いてしまった。

「恥ずかしがるなら言わなければいいじゃない......」

 俺の顔が熱くなっているのがわかる。



 結論から言おう。マジやばかった(語彙力)。

 まず、部屋に入ったときに冷房が少し寒く、暗い部屋と相まって不気味さが引き立っていた。

 そして中に入って少ししたところで、紗耶香が俺の服の裾をつまんできた。そんな行動ばかりとっているから勇気とかいうやつが気に入るんじゃないのか......

 まぁ、流石にこの状況で別の男の名前は出さないが。

 ゆっくりと歩く。曲がり角を曲がろうとしたところで、反対側から大きな音とともにお化けが登場した。

 びっくりして後ろに少し下がる。今の俺の顔は恐らくひきつっているだろう。情けない声を上げなかっただけほめてほしいくらいだ。誰に褒めてもらうのかは謎だが。

 とか思っていると、先ほどまであった服の裾をつままれている感覚が消えていてた。


 何処へ、と思ったが、すぐに見つかった。

 机の下でがくがくと震えていた。下をのぞき込んで、「行くぞ」と声をかけると、一瞬びくっとするも、俺の手を引っ張って立ち上がる。そのあともビビりながらもなんとか完走できたってところだ。

 俺はお化け屋敷の出口で うーんと背伸びをする。先ほどまで寒く感じていたが、部屋の外へと出ると、むわっとした暑さが俺たちを襲う。まぁ、そのうち治るだろうと、紗耶香を連れて文化祭の店巡りを再開する。

 お化け屋敷だけが怖かったのか、ほかの店では結構楽しそうに回っていた。なぜ彼女が最初にお化け屋敷を選んだのかはわからないが、今楽しそうなのでお化け屋敷の話題を掘り返すのはやめておこう。

 ぐるぐるといろいろなところを回っているうちに、集合時刻の十分前。早いに越したことはないので、さっさと集合場所に指定されていた食堂前へと集合する。

「まずは、絶対負ける勇者君を観戦でもしますか。私についてきなさい」

 というと、会長はすたすたと先に行ってしまう。俺たちはその背中を見失わないように追いかけていく。
 会長が歩いて向かった先は、運動場の端のほうだった。

「ここが一番前よ。ここで待っていなさい。あと十秒であそこに現れるわ。」

 そう言って指をさしたのは、舞台だった。そこの動画は学校中に取り付けられたテレビによってみることができるようになっていた。

 発表の間の交代時間のため、誰もいない。そこに

 ヴォン

 音がそう聞こえた。よく見ると空中が歪んで見える。
 現れたのは男が五名と持ち上げられている人が一人......持ち上げられてる人が人質っていってた女性教師か......確かに、見たことあるぞ。今年新任で入ってきた先生だったはずだ。名前はいつものようにわからないが。

 男が一人、舞台上に置いてあったマイクを持って宣言する。

「今から呼ぶやつ、出てこい!さもないとこいつの首を跳ね飛ばす!」

 その宣言がされた瞬間、運動場を超えて学校全体が凍りつく。

 男は続けて話し始める。

「極光の勇者! 預言者! 創造師! 以上三名は、俺たちと戦え! パーティーで来てもいい、別々に掛かってきてもいい! だが、パーティーはこの学校の生徒に限定しよう! そして来なかったり期待に沿えなかった場合は......こいつだけじゃ足りないな、学校を爆破しよう!」

 その宣言に、学校から逃げようとする生徒と、その様子を見に行く生徒の二つに分かれた。しかし、少しして男は「くっくっく」と笑うと、叫んだ。

「もちろん、この校舎からは出られねぇ! 素直に逃走をあきらめることをすすめるぜ!」

 そう言った。と、そんなときに彼らは現れる。

「先生を離せ!」

 剣の先を男たちに向け、鎧を着たそいつは声を放つ。

「あぁ? お前、誰だ?」

「俺が、極光の勇者、天ノ川 勇気だ!」

 そう、宣言をする。部隊を映していたカメラは、好奇心旺盛な奴らによってこの様子全体を映すように操作されていた。

「あぁ、お前が極光の勇者か......そっちは五人か。よし!戦うか!」

 そういうと、男は短剣を抜き放ち、舞台から飛び降りる。それに続いて盾持ちと槍持ちもおりてくる。弓と魔法は後ろにいるらしい。

「さて、このコインが落ちたら、殺し合いの始まりだ!」
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