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六章 文化祭
姉と、妹と
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「けれど、これを使ったが最後、あなたは蘇生も効かずに死ぬわ」
「どういうことですか」
「神殺しの弾丸。自身の魔力も、体力も、魂も、自身の持ちうるすべて込めて撃ちだす凶弾。魂のない肉体なんて、ただの容器でしかないわ。だから......」
「だからこれは、私が預かっておくわ。間違えても使わないように。」
『わらわが制御しているから、その弾丸は間違えて使うことなどできないのじゃが......それは実際に、神を殺せるのじゃよ』
間違えると確かにやばい。しかしなぜ、魔銃は神を殺せると知っているのだろうか?
『わらわの前任者は、それで神を殺して、そのまま死んだ。隷属神、というのじゃ。早々にあの神を殺せた結果、職業に奴隷が現れることもなければ、隷属の首輪も出てこないのじゃ。』
そんなアイテムは聞いたことがない。となれば、こいつの言っていることは真実だろう。神を殺せることも、それによって死ぬことも。実際にこいつの前の主人は、それによって帰らぬ人となったのだろうから。
『この世界が人によって自滅することはなかったのじゃが......そのために何を犠牲にしてもいいわけではないのじゃ.......』
魔銃の思考は、おそらく前の主人でいっぱいになっていることだろう。俺はそれには触れずに、会長に神殺しの弾丸を渡したまま、自宅へと帰ることにした。
「ねぇ、お姉ちゃん。今の話、どこまで本当?」
拓海が外へ出て、帰っていったあとで、紗耶香が問う。扉の裏で隠れて聞いていた紗耶香は、嘘を発見してしまった。
「何処までも何も、すべて、嘘偽りなく答えたわ。」
「嘘」
「......そうだったわね。あなたはうそをついたかどうかを確認する術があるのだったわね。しかも嘘をついた意識ではなくて、実際に嘘かどうか世界が確認してるレベルの。いいわ。答えましょう。嘘をついたのは一点だけ。」
「何処に嘘をついたの」
「すべて込めて、魂の抜けた体は死んだも同然?違うわ。すべて込めて、死体が残るわけないじゃない。そこは彼にとって死ぬのであれば大きな違いではないから伝えなかっただけよ」
「......本当、なの? 嘘って、言ってよ......お願いだからぁ!」
そう言って、紗耶香は泣き崩れてしまった。
ずっと、ずっと、ずっと......
紗耶香は、家に帰っても、泣き続けた。
妹が自室で泣き続けている間、姉は―――――
「これから一年とちょっと。予知の間には、少なくとも弾丸を使う機会はないはず。一応のために私が預かれてよかったわね」
しかし、彼女は知っている。予知がいくらでも変わることを。本来なら彼はこの武器をわたしに鑑定してもらうどころか、手にすることすらなかったはずだったことを。
だから、これから―――――
いつ、彼がこれを使って、再起不能になるか。
いつ、彼がミスをして迷宮内で帰らぬ人となるか。
いつ、彼が誰かの悪意で殺されるか。
―――――それは、変動してしまう未来の、思いのままなのだ。
どうか、どうか。
彼が、死ぬことがありませんように―――――
妹が大声で泣く隣の部屋で、息を殺して姉は一人泣くのだった。
「どういうことですか」
「神殺しの弾丸。自身の魔力も、体力も、魂も、自身の持ちうるすべて込めて撃ちだす凶弾。魂のない肉体なんて、ただの容器でしかないわ。だから......」
「だからこれは、私が預かっておくわ。間違えても使わないように。」
『わらわが制御しているから、その弾丸は間違えて使うことなどできないのじゃが......それは実際に、神を殺せるのじゃよ』
間違えると確かにやばい。しかしなぜ、魔銃は神を殺せると知っているのだろうか?
『わらわの前任者は、それで神を殺して、そのまま死んだ。隷属神、というのじゃ。早々にあの神を殺せた結果、職業に奴隷が現れることもなければ、隷属の首輪も出てこないのじゃ。』
そんなアイテムは聞いたことがない。となれば、こいつの言っていることは真実だろう。神を殺せることも、それによって死ぬことも。実際にこいつの前の主人は、それによって帰らぬ人となったのだろうから。
『この世界が人によって自滅することはなかったのじゃが......そのために何を犠牲にしてもいいわけではないのじゃ.......』
魔銃の思考は、おそらく前の主人でいっぱいになっていることだろう。俺はそれには触れずに、会長に神殺しの弾丸を渡したまま、自宅へと帰ることにした。
「ねぇ、お姉ちゃん。今の話、どこまで本当?」
拓海が外へ出て、帰っていったあとで、紗耶香が問う。扉の裏で隠れて聞いていた紗耶香は、嘘を発見してしまった。
「何処までも何も、すべて、嘘偽りなく答えたわ。」
「嘘」
「......そうだったわね。あなたはうそをついたかどうかを確認する術があるのだったわね。しかも嘘をついた意識ではなくて、実際に嘘かどうか世界が確認してるレベルの。いいわ。答えましょう。嘘をついたのは一点だけ。」
「何処に嘘をついたの」
「すべて込めて、魂の抜けた体は死んだも同然?違うわ。すべて込めて、死体が残るわけないじゃない。そこは彼にとって死ぬのであれば大きな違いではないから伝えなかっただけよ」
「......本当、なの? 嘘って、言ってよ......お願いだからぁ!」
そう言って、紗耶香は泣き崩れてしまった。
ずっと、ずっと、ずっと......
紗耶香は、家に帰っても、泣き続けた。
妹が自室で泣き続けている間、姉は―――――
「これから一年とちょっと。予知の間には、少なくとも弾丸を使う機会はないはず。一応のために私が預かれてよかったわね」
しかし、彼女は知っている。予知がいくらでも変わることを。本来なら彼はこの武器をわたしに鑑定してもらうどころか、手にすることすらなかったはずだったことを。
だから、これから―――――
いつ、彼がこれを使って、再起不能になるか。
いつ、彼がミスをして迷宮内で帰らぬ人となるか。
いつ、彼が誰かの悪意で殺されるか。
―――――それは、変動してしまう未来の、思いのままなのだ。
どうか、どうか。
彼が、死ぬことがありませんように―――――
妹が大声で泣く隣の部屋で、息を殺して姉は一人泣くのだった。
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