Dal Segno ~異世界転移した俺は、自分の願いを叶えるために何度でもやり直す~

大山 たろう

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第零章 序章

0-1 何気ない日々の終わり

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「はぁ......明日で最後......」



 俺は一人、ため息を吐いた。

 今日を超えたら休日。そう考えて活力を出そうとするも、もう前の四日間ですり減った精神が今日の学校を拒んでいた。拒んだところで学校に行くのは強制だけど。



 すり減った精神を、疲れ切った肉体をフル稼働させて、長い長い階段を上る。

 長さ的には一つ階を上るのに三十段前後、二回分でも六十程度だろうが、それすらも金曜日の疲れ切った体には苦痛でしかない。



 教室に入ると、すでに先生は教壇に立ち、クラスメイトはほとんど席についていた。

 けれど別にホームルームが始まっていて、もう遅刻していただなんていうオチはない。ただ単純に、先生が早く入ってきたために空気が少し冷めているというか、引き締まっているというか、落ち着いている、ブレーキがかかっているような感じだった。それは先生が学年主任だからなのか、それとも体育教師だから体格が良いからか。



 かといってまだ始業のチャイムは始まっておらず、皆携帯電話を触ったり、クラスメイトとの会話に興じたりと、各々の行動をしている。先生がいるためにそれも席に座って、周囲に迷惑が掛からない程度でだったが。



 そんな中俺は背中に背負ったカバンを誰かの机に誤ってぶつけないようにしながら自分の席、奥の窓際の席へと座った。



 そこで俺の限られた力が尽きてしまった。カバンを横にかけて椅子に座ったタイミングで、俺はそのまま机に突っ伏した。



「あぁ......秋、きもちぃ......」



 秋の天気を楽しんでいたところで、チャイムが鳴り、号令がかかる。



「起立」



 委員長が号令をかける。各学級の男女一人ずつが代表になっていて、いつも最初の号令は女子のほうだ。



 皆、ゆっくりと、疲れを隠さずにくたびれた様子で立ち上がった。俺も例にもれないが。



「着席」



 委員長の言葉が教室に響く。

 毎日の号令を聞いていて、その言葉はきびきびとした完璧主義というよりも、無駄な喋りを排除したというような、無口な印象を受けている。実際の性格がどうなっているのか、誰も知らないのはクラスメイトの交流が俺のほうにも、向こうにもないのが原因だ。



「それじゃ、今日の予定を――――って、何事だ!」



 先生がホームルームを開始しようとしたところで、教室の床面に白い文字が浮かび上がる。

 窓際の俺は頑張って窓を開けようとしたが、開くことはなかった。



 そして数秒。床面の文字が円を描き始め、どんどんと加速していく。

 その中心に、クラスメイトの姿はなかった。

 皆その光から逃げるように、長方形の教室の中心で描かれた円の外側に逃げ込んでいた。



 さらに数秒後。皆が逃げていた教室の四隅をも覆うように、その円形の文字は広がりを見せ――――



 そしてこの世界から、教師一名と生徒四十名、計四十一名が一斉に姿を消した。
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