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第1部 邂逅編
第24話 戦艦防衛戦~対国賊大臣~
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『うおぉぉぉっ!』
『甘いな』
『避けただと!? パーツの癖に……ぐわっ!?』
「無駄口叩いてる場合じゃないわよ」
『そうですよぉ!』
出航前の戦艦を防衛しながら、敵を対処する防衛戦が始まった。
最初は国賊の大臣アーリントンと奴を支持する家臣達相手だ。
フェリア軍曹達は、戦艦付近で護衛と周囲への警戒。
帝国軍が来るかも知れないからね。
一方、マイア王女率いる【魔法少女部隊】の仲間達は、アーリントンの支持者が乗るMGTに攻撃を仕掛けていた。
電撃による攻撃は、向こうの標準装備なのだろうか?
みんなが電撃を放っていたのだ。
その後、杖の先端を鋭利化して、コクピットを狙って突き刺していた。
壊し方が最低限だけど、後で遺体を処理する人たちの苦労が想像される。
さて、私はと言うとアルムとマイア王女と共にアーリントンが乗るMGTをかく乱しつつ攻撃を仕掛けていた。
というのも、奴が乗る機体は副隊長用の機体らしく、コクピットや関節部分を狙って撃ってもピンポイントに魔法バリアが発生して防がれてしまう上、装甲重視型の機体なので、思った以上にダメージが与えられない。
なので、三人で仕掛けつつまずは部分的に発生するバリアの特徴を探ってから一気に仕掛ける事にしようと、アルムからの提案だ。
「どうも、その機体から部分的に発生しているバリアは三か所が限界のようね」
『なら俺が三か所を同時に発動させる。 ルキアとマイア王女はその隙に叩き込んでくれ』
「了解!」
『分かりましたぁ!』
『お、おのれぇ!!』
その甲斐あってか、バリアの欠点を見抜くことが出来た。
部分的に発生する魔法バリアは、三か所までしか発動しないので、アルムが攻撃を引きつけながらマギ・デバイスで仕掛けてバリアを発生させている隙に他の部分に私とマイア王女が狙い撃つというスタンスを取った。
アーリントン自体の魔力もそこまで多くはないようなので、バリアを発生させていればすぐに魔力が尽きて稼働不能になるはずだ。
『おのれ! まさか、魔力切れを狙うつもりかぁ!?』
「当たり前でしょ。 別のタイプの装甲重視型の機体なんだし、魔力切れさせないと装甲の質を低下できないでしょ」
『ああ、ミュリアさんの機体とは違うタイプの装甲重視型だったんですね。 だったら魔力で装甲の硬さも補正が掛かるタイプじゃそうしますよぉ』
『な、なめるなぁっ!!』
私とマイア王女の挑発に激昂したアーリントンが、サーベルを抜いて魔力を流してから斬りかかる。
「避けるまでもないわね」
『な……!?』
『おいおい、白刃取りかよ』
『ルキアさん、やりますねぇ!』
「オリジネイターであるこの機体……アパタイトの性能のおかげですよ……っと」
『な、なぁぁっ!?』
金属音と共にアーリントンが振るったオリハルコンサーベルは、私に白刃取り7をされた上にそのまま剣を折られた。
奴はそれを見て、絶望の悲鳴を上げる。
『お、おのれ……! こうなったら……って、う、動かない!? 落ちるぅぅ!?』
『魔力が切れましたね、マスター。 これで奴は動かないですし、魔力補正の効果も消えましたね』
「しかし、そのまま墜落とはね……」
魔力が切れて、操縦が出来なくなったのか、機体は稼働不可能になりそのまま落下した。
ガシャンと言う大きい音が鳴り響く。
『さて、やろうか?』
『誰がやります?』
「私が行きます」
墜落してそのまま動かなくなった機体を見て、そろそろ止めを刺す頃だという事で、ここは私が買って出ようとした。
『なら俺も一緒に行こう。 奴が処刑される様を見ておきたいんでな』
「了解。 でも、怒りを露にしないようにね。 隊長なんだし」
『もちろんさ』
『じゃあ、私は仲間と一緒に戦艦付近で見回りしてますね』
「お願いします、マイア王女」
私とアルムがアーリントンが乗る動けなくなった機体まで近づくことにした。
マイア王女はフェリア軍曹たちと合流し、戦艦周囲の警戒を行う。
『ま、待て! 貴様らはこの私を殺すというのか!? この機体もろとも!!』
「国王様から処刑の許可が下りてるんでね。 後、機体はそのまま、乗っているあんたには死んでもらうから」
『や、や、やめ……、がびゅっ!!』
私は魔力を込めたオリハルコンサーベルをコクピットに向けて思いっきり突き刺す。
奴の肉体に刃が届いたのか、哀願途中で狂った声が聞こえた。
そのまま声が聞こえなくなったので、おそらく死んだのだろう。
そう判断した私はコクピットからサーベルを抜く。
かなりの血がこびり付いたので、流石に気持ち悪くなってきたが、アルムがデバイスを使って水を出して血を洗ってくれた。
『ひとまず大臣たちの処分は終わったな。 こっちで報告をしておいたからな』
「ありがとう。 後は帝国かしら?」
『戦艦が動くという話は、アーリントンが流していたから食いついてくるはずだ』
『こちらフェリア! 北西より帝国軍のMGTが攻めてきました! 数は30!』
私とアルムがプライベートモードで通信をしている時、フェリア軍曹から広範囲通信で帝国の接近を報告した。
『30機か。 多いな』
『こちらミュリア。 北西より帝国軍を追いかける部隊も来ます。 どうやらフィーアクロイツ共和国の第33機動小隊【ブリューナグ】のようです』
お、同時に援軍も来るのか。
30機はやや多いので、アルムと共に少しゲンナリしていたが、これで何とかなりそうだ。
『ルキア、連戦になるがいけるか?』
「ええ、やってみる」
『よし、まずは合流しよう。 北西から来るから陣形を立て直すぞ』
そう言いながら、アルムはフェリア軍曹たちのいる場所に向かい、そのまま合流する。
連戦なので辛いが、援軍もくるから何とかやっていけそうだ。
こうして大臣たちは処分され、私達は第二ラウンドに備えて帝国軍が近づくのを待った……。
『甘いな』
『避けただと!? パーツの癖に……ぐわっ!?』
「無駄口叩いてる場合じゃないわよ」
『そうですよぉ!』
出航前の戦艦を防衛しながら、敵を対処する防衛戦が始まった。
最初は国賊の大臣アーリントンと奴を支持する家臣達相手だ。
フェリア軍曹達は、戦艦付近で護衛と周囲への警戒。
帝国軍が来るかも知れないからね。
一方、マイア王女率いる【魔法少女部隊】の仲間達は、アーリントンの支持者が乗るMGTに攻撃を仕掛けていた。
電撃による攻撃は、向こうの標準装備なのだろうか?
みんなが電撃を放っていたのだ。
その後、杖の先端を鋭利化して、コクピットを狙って突き刺していた。
壊し方が最低限だけど、後で遺体を処理する人たちの苦労が想像される。
さて、私はと言うとアルムとマイア王女と共にアーリントンが乗るMGTをかく乱しつつ攻撃を仕掛けていた。
というのも、奴が乗る機体は副隊長用の機体らしく、コクピットや関節部分を狙って撃ってもピンポイントに魔法バリアが発生して防がれてしまう上、装甲重視型の機体なので、思った以上にダメージが与えられない。
なので、三人で仕掛けつつまずは部分的に発生するバリアの特徴を探ってから一気に仕掛ける事にしようと、アルムからの提案だ。
「どうも、その機体から部分的に発生しているバリアは三か所が限界のようね」
『なら俺が三か所を同時に発動させる。 ルキアとマイア王女はその隙に叩き込んでくれ』
「了解!」
『分かりましたぁ!』
『お、おのれぇ!!』
その甲斐あってか、バリアの欠点を見抜くことが出来た。
部分的に発生する魔法バリアは、三か所までしか発動しないので、アルムが攻撃を引きつけながらマギ・デバイスで仕掛けてバリアを発生させている隙に他の部分に私とマイア王女が狙い撃つというスタンスを取った。
アーリントン自体の魔力もそこまで多くはないようなので、バリアを発生させていればすぐに魔力が尽きて稼働不能になるはずだ。
『おのれ! まさか、魔力切れを狙うつもりかぁ!?』
「当たり前でしょ。 別のタイプの装甲重視型の機体なんだし、魔力切れさせないと装甲の質を低下できないでしょ」
『ああ、ミュリアさんの機体とは違うタイプの装甲重視型だったんですね。 だったら魔力で装甲の硬さも補正が掛かるタイプじゃそうしますよぉ』
『な、なめるなぁっ!!』
私とマイア王女の挑発に激昂したアーリントンが、サーベルを抜いて魔力を流してから斬りかかる。
「避けるまでもないわね」
『な……!?』
『おいおい、白刃取りかよ』
『ルキアさん、やりますねぇ!』
「オリジネイターであるこの機体……アパタイトの性能のおかげですよ……っと」
『な、なぁぁっ!?』
金属音と共にアーリントンが振るったオリハルコンサーベルは、私に白刃取り7をされた上にそのまま剣を折られた。
奴はそれを見て、絶望の悲鳴を上げる。
『お、おのれ……! こうなったら……って、う、動かない!? 落ちるぅぅ!?』
『魔力が切れましたね、マスター。 これで奴は動かないですし、魔力補正の効果も消えましたね』
「しかし、そのまま墜落とはね……」
魔力が切れて、操縦が出来なくなったのか、機体は稼働不可能になりそのまま落下した。
ガシャンと言う大きい音が鳴り響く。
『さて、やろうか?』
『誰がやります?』
「私が行きます」
墜落してそのまま動かなくなった機体を見て、そろそろ止めを刺す頃だという事で、ここは私が買って出ようとした。
『なら俺も一緒に行こう。 奴が処刑される様を見ておきたいんでな』
「了解。 でも、怒りを露にしないようにね。 隊長なんだし」
『もちろんさ』
『じゃあ、私は仲間と一緒に戦艦付近で見回りしてますね』
「お願いします、マイア王女」
私とアルムがアーリントンが乗る動けなくなった機体まで近づくことにした。
マイア王女はフェリア軍曹たちと合流し、戦艦周囲の警戒を行う。
『ま、待て! 貴様らはこの私を殺すというのか!? この機体もろとも!!』
「国王様から処刑の許可が下りてるんでね。 後、機体はそのまま、乗っているあんたには死んでもらうから」
『や、や、やめ……、がびゅっ!!』
私は魔力を込めたオリハルコンサーベルをコクピットに向けて思いっきり突き刺す。
奴の肉体に刃が届いたのか、哀願途中で狂った声が聞こえた。
そのまま声が聞こえなくなったので、おそらく死んだのだろう。
そう判断した私はコクピットからサーベルを抜く。
かなりの血がこびり付いたので、流石に気持ち悪くなってきたが、アルムがデバイスを使って水を出して血を洗ってくれた。
『ひとまず大臣たちの処分は終わったな。 こっちで報告をしておいたからな』
「ありがとう。 後は帝国かしら?」
『戦艦が動くという話は、アーリントンが流していたから食いついてくるはずだ』
『こちらフェリア! 北西より帝国軍のMGTが攻めてきました! 数は30!』
私とアルムがプライベートモードで通信をしている時、フェリア軍曹から広範囲通信で帝国の接近を報告した。
『30機か。 多いな』
『こちらミュリア。 北西より帝国軍を追いかける部隊も来ます。 どうやらフィーアクロイツ共和国の第33機動小隊【ブリューナグ】のようです』
お、同時に援軍も来るのか。
30機はやや多いので、アルムと共に少しゲンナリしていたが、これで何とかなりそうだ。
『ルキア、連戦になるがいけるか?』
「ええ、やってみる」
『よし、まずは合流しよう。 北西から来るから陣形を立て直すぞ』
そう言いながら、アルムはフェリア軍曹たちのいる場所に向かい、そのまま合流する。
連戦なので辛いが、援軍もくるから何とかやっていけそうだ。
こうして大臣たちは処分され、私達は第二ラウンドに備えて帝国軍が近づくのを待った……。
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