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第2部 激戦編
第31話 出撃前のミーティング
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「お待ちしておりました、クラウド艦長様」
「お久しぶりです。 フィーネ女王様」
「今回の前線基地の破壊任務を見届ける為に私もこの戦艦に乗ります。 宜しくお願いいたします」
ロゼッタ魔法国の首都【フェアリーテイル】の王城の隣にある戦艦用デッキに停泊させて、艦内に女性を出迎えた。
クラウド艦長が彼女をフィーネ女王と言っていたが……。
「マイア王女、あの方が?」
「はい。 フィーネ・ロゼッティア女王で私の母です」
隣にいつの間にかいたマイア王女に聞くと、やはりあの人がフィーネ女王で、マイア王女の母親であると言う。
やはり、性格は違えど容姿はマイア王女とそっくりなのよね。
母親の血が濃いのかも知れない。
そう考えていたら、フィーネ女王がこっちにやって来た。
うわ、緊張してきた。
「貴方がアルム大尉達に保護され、【オーパーツ】……今はアパタイトと名付けられた機体を動かしたルキアさんですか?」
「あ、はい。 ルキア・フィーブルです」
流石に女王としての出で立ちが凄いのか、威圧感が滲み出ていた。
その為、緊張したまま自己紹介をしてしまう。
「お母さん、威圧感は出すなってあれ程……」
「うっ、クラウド艦長様とかは慣れてたから普通に振る舞ってしまった……ごめんなさいね、ルキアさん」
「い、いえ……」
マイア王女に叱られたフィーネ女王が威圧感を引っ込めた。
いや、流石に威圧感がヤバすぎてチビりそうになったよ。
だけど王族ならこれくらいの威圧感がなければ、舐められるんだろうね。
「アルム大尉から聞いてます。 この世界に飛ばされてあまり日にちが経っていないのに、アパタイトに乗ってよく頑張ってくれてると」
「勿体ないお言葉です」
「最近、こちらにも貴方と同じようにこの世界に飛ばされた人物が帝国の幹部となって戦っていると知ったばかりですが、今は前線基地の破壊を優先ににしたいので、ルキアさんもサポートだけでも構わないので、無理のない範囲でお願い致します」
「分かりました。 出来る範囲で頑張ります」
優しく私の両腕に触れ、穏やかに話す女王。
まるでお母さんのような雰囲気を間近に感じたので、緊張もせずに返事をすることが出来た。
「おほん! さて、少しの休憩の後、今回の目標である前線基地の規模や戦力を確認するので、一息入れたらブリーフィングルームに来るように」
クラウド艦長の一言で、ひとまずの小休憩を貰えたので、私はすぐにトイレに行く事に。
流石に緊張している時に威圧感でチビりそうになってから、一気に来たから急いで向かった。
別の意味で幸先が不安だ……。
◇◇◇◇◇◇◇◇
無事トイレに間に合い、安心してブリーフィングルームに向かい、アルムとフェリア軍曹の間に座って今回の内容の確認をする。
内容を伝える役は当然ながらクラウド艦長だ。
「さて、今回の目的の場所である帝国軍の前線基地の規模や戦力だが、場所は首都の【フェアリーテイル】からは南東に距離にして500キロ。 基地の規模としては中規模だ」
まず、前線基地の場所と規模だが場所は首都フェアリーテイルからは南東にあり、500キロ先のようだ。
また基地の規模は中規模となかなかの大きさらしい。
「そしてロゼッタ魔法国の諜報部隊が入手した相手の戦力だが、有人機MGTが20で内訳は射撃重視が7機、近接重視が9機、装甲重視が4機だ」
次に基地内の戦力。
まずは有人機のMGTが20機で、装甲重視がそのうち4機あるらしい。
射撃や近接重視の場合は、ある程度立ち回れるが、装甲重視はタイプ次第ではアパタイトのビーム兵器を解禁するか、ジョージ中尉の部隊が持つマギ・スパイクを使わないと厳しそうだ。
「さらに、最新の情報だがそこに無人機のMGTが50機、あの基地に配備されているそうだ」
「何ですって!?」
「う、うそぉ……」
「もう実戦に投入してきたのか……」
「あのキスクならやりかねんな」
(まさかこんなに早く無人機を投入してくるとはねぇ)
まさかの情報に周囲がざわつく。
戦艦防衛戦に無人機を投入してきたばかりなのに、もう前線基地に配備されているとは思わないだろう。
おそらく戦艦が完成したことで、こちらにアドバンテージを握られたからだろう。
多分、誰か一人や二人の指揮官クラスが出てきても不思議ではないかも知れない。
「そこで、我々は三つに分けて基地を攻め込もうと思っている。 リュート小隊は現地の部隊と共にロゼッタ魔法国や戦艦の防衛を頼む」
「分かりました」
まずはリュート小隊の役目だが、まだ機能が不完全なのだろう戦艦の防衛を任された。
現地の部隊の人たちと共に行うそうだ。
「次にジョージ中尉の部隊【ブリューナク】だが、そのまま正面に攻めて欲しい」
「はっ!」
「そして魔法少女部隊は途中から進行方向を左に、アルム小隊は進行方向を右へ進み、基地が見えたらすぐに基地の方へ向けて攻めて欲しい」
「はーい!」
「了解です」
私達は途中まで一緒に進み、進行方向を右へ曲がるようにして基地が見えるまで進むみたいだ。
ジョージ中尉の部隊は正面、アルム小隊は進行方向より右側面、魔法少女部隊は進行方向より左側面を目指して同時に仕掛ける作戦のようだ。
私のいた世界ではこの作戦は時間が掛かるため、正面突破が基本だった。
MGTを主とする世界だからこその作戦だろう。
普段なら数日かかる移動も、これなら現在地からは数十分で移動できるわけだから。
「一隻だけだが、戦艦を完成させた事で得たアドバンテージをこのまま維持させたい。 皆の健闘を祈る!」
ミーティングが終わり、みんなすぐに格納庫へ急ぐ。
機体のチェックは大丈夫なので、アルム小隊のみんなや他の部隊のみんなが準備を整い次第、すぐに出撃となる。
『ルキア、準備はいいな? アルム小隊は出撃するぞ!』
「了解! ルキア・フィーブル、アパタイト出ます!」
次々とアルム小隊や他の部隊が出撃していくのを見て、私も出撃する。
機体の調子は今の所順調だ。
さて、前線基地破壊任務の始まりだ!
「お久しぶりです。 フィーネ女王様」
「今回の前線基地の破壊任務を見届ける為に私もこの戦艦に乗ります。 宜しくお願いいたします」
ロゼッタ魔法国の首都【フェアリーテイル】の王城の隣にある戦艦用デッキに停泊させて、艦内に女性を出迎えた。
クラウド艦長が彼女をフィーネ女王と言っていたが……。
「マイア王女、あの方が?」
「はい。 フィーネ・ロゼッティア女王で私の母です」
隣にいつの間にかいたマイア王女に聞くと、やはりあの人がフィーネ女王で、マイア王女の母親であると言う。
やはり、性格は違えど容姿はマイア王女とそっくりなのよね。
母親の血が濃いのかも知れない。
そう考えていたら、フィーネ女王がこっちにやって来た。
うわ、緊張してきた。
「貴方がアルム大尉達に保護され、【オーパーツ】……今はアパタイトと名付けられた機体を動かしたルキアさんですか?」
「あ、はい。 ルキア・フィーブルです」
流石に女王としての出で立ちが凄いのか、威圧感が滲み出ていた。
その為、緊張したまま自己紹介をしてしまう。
「お母さん、威圧感は出すなってあれ程……」
「うっ、クラウド艦長様とかは慣れてたから普通に振る舞ってしまった……ごめんなさいね、ルキアさん」
「い、いえ……」
マイア王女に叱られたフィーネ女王が威圧感を引っ込めた。
いや、流石に威圧感がヤバすぎてチビりそうになったよ。
だけど王族ならこれくらいの威圧感がなければ、舐められるんだろうね。
「アルム大尉から聞いてます。 この世界に飛ばされてあまり日にちが経っていないのに、アパタイトに乗ってよく頑張ってくれてると」
「勿体ないお言葉です」
「最近、こちらにも貴方と同じようにこの世界に飛ばされた人物が帝国の幹部となって戦っていると知ったばかりですが、今は前線基地の破壊を優先ににしたいので、ルキアさんもサポートだけでも構わないので、無理のない範囲でお願い致します」
「分かりました。 出来る範囲で頑張ります」
優しく私の両腕に触れ、穏やかに話す女王。
まるでお母さんのような雰囲気を間近に感じたので、緊張もせずに返事をすることが出来た。
「おほん! さて、少しの休憩の後、今回の目標である前線基地の規模や戦力を確認するので、一息入れたらブリーフィングルームに来るように」
クラウド艦長の一言で、ひとまずの小休憩を貰えたので、私はすぐにトイレに行く事に。
流石に緊張している時に威圧感でチビりそうになってから、一気に来たから急いで向かった。
別の意味で幸先が不安だ……。
◇◇◇◇◇◇◇◇
無事トイレに間に合い、安心してブリーフィングルームに向かい、アルムとフェリア軍曹の間に座って今回の内容の確認をする。
内容を伝える役は当然ながらクラウド艦長だ。
「さて、今回の目的の場所である帝国軍の前線基地の規模や戦力だが、場所は首都の【フェアリーテイル】からは南東に距離にして500キロ。 基地の規模としては中規模だ」
まず、前線基地の場所と規模だが場所は首都フェアリーテイルからは南東にあり、500キロ先のようだ。
また基地の規模は中規模となかなかの大きさらしい。
「そしてロゼッタ魔法国の諜報部隊が入手した相手の戦力だが、有人機MGTが20で内訳は射撃重視が7機、近接重視が9機、装甲重視が4機だ」
次に基地内の戦力。
まずは有人機のMGTが20機で、装甲重視がそのうち4機あるらしい。
射撃や近接重視の場合は、ある程度立ち回れるが、装甲重視はタイプ次第ではアパタイトのビーム兵器を解禁するか、ジョージ中尉の部隊が持つマギ・スパイクを使わないと厳しそうだ。
「さらに、最新の情報だがそこに無人機のMGTが50機、あの基地に配備されているそうだ」
「何ですって!?」
「う、うそぉ……」
「もう実戦に投入してきたのか……」
「あのキスクならやりかねんな」
(まさかこんなに早く無人機を投入してくるとはねぇ)
まさかの情報に周囲がざわつく。
戦艦防衛戦に無人機を投入してきたばかりなのに、もう前線基地に配備されているとは思わないだろう。
おそらく戦艦が完成したことで、こちらにアドバンテージを握られたからだろう。
多分、誰か一人や二人の指揮官クラスが出てきても不思議ではないかも知れない。
「そこで、我々は三つに分けて基地を攻め込もうと思っている。 リュート小隊は現地の部隊と共にロゼッタ魔法国や戦艦の防衛を頼む」
「分かりました」
まずはリュート小隊の役目だが、まだ機能が不完全なのだろう戦艦の防衛を任された。
現地の部隊の人たちと共に行うそうだ。
「次にジョージ中尉の部隊【ブリューナク】だが、そのまま正面に攻めて欲しい」
「はっ!」
「そして魔法少女部隊は途中から進行方向を左に、アルム小隊は進行方向を右へ進み、基地が見えたらすぐに基地の方へ向けて攻めて欲しい」
「はーい!」
「了解です」
私達は途中まで一緒に進み、進行方向を右へ曲がるようにして基地が見えるまで進むみたいだ。
ジョージ中尉の部隊は正面、アルム小隊は進行方向より右側面、魔法少女部隊は進行方向より左側面を目指して同時に仕掛ける作戦のようだ。
私のいた世界ではこの作戦は時間が掛かるため、正面突破が基本だった。
MGTを主とする世界だからこその作戦だろう。
普段なら数日かかる移動も、これなら現在地からは数十分で移動できるわけだから。
「一隻だけだが、戦艦を完成させた事で得たアドバンテージをこのまま維持させたい。 皆の健闘を祈る!」
ミーティングが終わり、みんなすぐに格納庫へ急ぐ。
機体のチェックは大丈夫なので、アルム小隊のみんなや他の部隊のみんなが準備を整い次第、すぐに出撃となる。
『ルキア、準備はいいな? アルム小隊は出撃するぞ!』
「了解! ルキア・フィーブル、アパタイト出ます!」
次々とアルム小隊や他の部隊が出撃していくのを見て、私も出撃する。
機体の調子は今の所順調だ。
さて、前線基地破壊任務の始まりだ!
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