魔導戦記マギ・トルーパー

イズミント(エセフォルネウス)

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第2部 激戦編

第40話 ゼネアと別の勢力の動向

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【side ゼネア】

「はぁっ、はぁっ、はぁっ!」

 私ことゼネア・ベルベットは、機体を捨てて辛うじて目眩ましの魔法と転移魔法を同時に発動させる事に成功し、何処ともわからない深い森の中に逃げ込んだ。
 新型を引っ提げて無能魔女のルキア・フィーブルとその仲間を屠ろうとして、ロゼッタ魔法国へ向かったが、帝国軍の前線基地は全て壊滅され、私に至っては複数の奴らになす術もなく叩きのめされたのだ。

「くぅっ、こんな屈辱……初めてよ! 前の世界じゃそんな事はなかったのに……!」

 私がここまでの屈辱を味わったのは生まれて初めてだ。
 前の世界じゃそんな事はなかったし、この世界に来て魔王軍と戦った時も私の圧倒的な力で簡単にねじ伏せる事が出来たのに……。

「しかもあの無能が乗ったオーパーツ……、あんな厄介なモノが装備されてるなんて……」

 その上、あの無能魔女が乗っていたオーパーツにビーム兵器などという厄介な代物が標準で装備されていた。
 あの女は余り使わなかったが、仲間が言うには使えば人は間違いなく骨すら残さなくなる威力と言っていた。
 私の背後にもその威力が地面を抉らせたという形で見せつけられたのだ。

「くぅ……、その後にあの女が殺す気満々でビームサーベルとやらを突き立てられたせいで……。 とにかく今のうちに着替えないと……」

 さらにあの女は、私を殺す気満々でビームサーベルを突き立てた。
 私は恐怖から来る本能で辛うじてコクピットに刺さるのを避けられたが、モニター越しにビームの粒子が勢いよく放出していた事で、さらなる死の恐怖に苛まれ、そこで私は失禁もらしてしまったのだ。
 森の中かつ誰もいないのを確認してからスカートをたくし上げ、グッショリの下着を見てげんなりした。
 幸い魔法で予備の着替えがあるので、それを取り出してからさっさ着替える。
 濡れた下着や服は魔法で亜空間を開いてそこへ放り投げた。

「ついでに今ある材料で機体を作りあげようかしら……。 ノベンバーは棄てちゃったし……」

 そして私は、材料のアダマンチウムやオリハルコンを始めとしたあらゆる材料と帝国から貰った基本設計図を出して、新たな機体を作ろうとした。
 もちろん、【制作魔法クラフトマジック】でね。
 前の世界の魔法だが、この世界でも使えるので利用しない手はない。
 ノベンバーは棄てたから、それを上回るスペックで制作する。
 流石にすぐには出来ず、間を置いて日にちを掛けないと作れないのが欠点かしら。
 それでも、あの無能魔女とアリシアと仲間達にリベンジをしっかりしておかないと私の気が済まない。
 結界とコテージを用意して休みながら機体を制作していく。

 待ってなさいよ、無能魔女のルキア、そしてアリシア。
 私をバカにした罪を必ず受けて貰うからね!

◇◇◇◇◇◇◇◇

【side ???】

「えっ!? 連合軍が戦艦を一隻完成させて、ロゼッタ魔法国内にあるキスク派閥が作った前線基地を全て破壊したのですか!?」

「はい、お兄様」

「そうですか。 これでキスクの野望を食い止める一歩になってくれれば……。 報告ありがとうございます、リリア」

 私はリリア。
 フルネームはリリア・グラニュー・オライオンで、第一皇女ですが、継承権はありません。
 私は、兄である第一皇子に従者から聞いた内容を報告していました。
 現在、私達はキスクによって帝都から追い出され、私の隠れ家に身を隠しなから、キスクに対する反撃のチャンスを伺っています。
 もちろん、私の隠れ家の地下にMGTが置いてありますが、3機しかない為に心ともないのです。
 そこにファシナシオン王国を中心に結成された【ファシナシオン連合軍】が戦艦を一隻完成させて、さらにはロゼッタ魔法国内にあるキスク派閥によって作られた帝国の前線基地を全て破壊したという報告が従者から舞い込んできたので、すぐに報告した次第です。
 兄であるカイン・グラン・オライオンもこれでキスクの野望を食い止める一歩になれればという願望を抱いております。

「それでお兄様、これからどうなさいます?」

「まだ暫く様子見ですね。 キスクが保護したゼネアという厄介な人物の動向次第です」

「ああ、いましたね」

 兄はゼネアというキスクが保護した厄介な人物の動向がまだ分かっていないので、もう少し様子を見るとの事。
 聞いた話では、魔王軍相手に一人で立ち回れるという反則じみた強さを持っていると聞いています。
 その上に性格も最悪だとか。

「その人物の動向次第で、まずはフィーアクロイツ共和国に身を寄せて貰おうと思います。 キスクへの反撃の為に」

「分かりました。 MGTの調整をやっておきますね」

「頼みますよ、リリア」

「お任せください、お兄様!」

 元気よく返事をした私は、カインお兄様の部屋を出て、地下に向かいます。
 いつでも出せるようにMGTの調整をやっておかないといけませんし。
 そう言い聞かせながら、私は反撃のチャンスを掴む為に、MGTの調整を始めたのでした。
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