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第1部 幼馴染ざまぁ(?)編
007 九条 久留里さんと義経との距離感(翔太視点)
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「さて、九条さん、転校初日は散々だったな」
「そうだね。 三限目の後でのトイレ妨害とか、昼休みのアレとか……。 しかもそれがきっかけで紛争状態だったし……」
「九条さんが美少女なのは私でも認めるけど……、そこまでして話したいと思ってるのがね」
「僕っ娘というギャップもあったんだろ。 それを差し引いてもドン引きレベルだったし」
「まぁ、あのクラスの男共は陽キャのくせにモテないからな。 性質が悪すぎて女子たちから警戒されてる」
「そ、そうなんだ……。 僕も気を付けないと……」
結局、放課後まで屋上で過ごす羽目になった俺達は、そのまま下校をすることになる。
途中で副担任の先生が、経過報告に来てくれた。
その人からの話じゃどうも最初は言葉の暴力だったのだが、陽キャ男子グループがキレて女子に椅子や机を投げ飛ばしだしたようで、気の強い女子たちも反撃したもんだから、机や椅子が散乱、ガラスも割れるという酷い事態になったんだとか。
呆れてものがいえん……。
そもそもうちのクラスの陽キャグループは、自称みたいなもので相手の意志を無視してでも話したいという変な意思を持っているようで、あの幼馴染とは別格で性質が悪い。
しかし……。
「ま、まだかな……。 わ、私、もう……」
「もれる、もれるー!」
トイレ付近を通ると、クラスの女子が恥も外聞もなく、トイレ我慢している様子が写し出されていた。
「七海ちゃん、何処のトイレもあんな感じなのかい……?」
「副担任曰く、説教中でもトイレに行かせるようにはしたが、先生同伴なのが嫌らしく、ずっと我慢してたみたいね……」
「まぁ、三限目の後の僕もそんな状態だったからね。 無事に間に合ったけど」
「俺ら男子がいる手前でその話はやめてさしあげろ」
「あらら、ごめんごめん」
「でも、三階も二階の女子トイレも恥も外聞もかなぐり捨ててるからね。 相当だよ」
「そろそろトイレの話から離れようか」
トイレの話ばかりする女子二人に堪らず話題を変えようと試みる。
そこで気になった事を彼女に聞いてみる。
「九条さんは、義経から距離を置かれているらしいけど、なんでなんだ?」
「ああ。 僕の今の口調や女子なのに、一人称が僕なのが原因みたい。 特に口調がね、ヨッシーにはきつく感じているから……」
やはり、通話で義経が言っていた事と大体同じみたいだな。
義経も口調がと言っていたしな。
だが、圧が強いかと言われるとそうとは言えないが、受け取り方は人それぞれなんだろう。
「今まで話してみてる限りでは、キツイとは思えないが……」
今の九条さんの喋り方を聞いてみて、正直に思った感想だ。
しかし、彼女は首を横に振りながらこう言った。
「これでも何とか抑えている方なんだ。 気を許すともっと口調の圧がキツくなる」
「そうなのか?」
「うん。 それでヨッシーを傷付けた事があったから。 謝りたいと思ってても……、向こうは避けられているから」
「こりゃあ、相当ね……」
「ああ」
九条さんと義経の距離感の理由を黙って聞いていた七海と圭太は、聞いた話では相当の距離感になっていると感じていた。
俯く九条さんを見て流石にこれは……と思い、こう告げた。
「ま、義経の事はこっちで何とかする。 少しでも仲直りはしてほしいしな。 時間はかかるかもしれないが」
「ありがとう。 ヨッシーの事は頼むよ」
「もちろんだ」
九条さんを安心させるために、彼女の肩に手を置く。
彼女にだきしめられても、拒絶反応が起きなかったから、こうしても大丈夫になった。
とにかく義経と彼女の距離感を縮めるのは、時間を掛けてやるしかない。
「そうそう。 話は変わるけど、あの時『義妹』って言ってたね? どういう事なんだい?」
「それなら、まずはあそこに行こう。 丁度帰りに行くところだし」
「ああ。 あそこだな」
「そうだね。 いつも帰り際にそこに寄るんだよね」
「え? え?」
あ、九条さんが混乱している。
流石に『あそこに行く』というだけでは抽象的過ぎたか。
しかし、まずは論より証拠として彼女からの疑問に答える為には、どうしても彼女をも連れていく必要がある。
「とにかく一緒に来てくれれば分かる。 さぁ、行くぞ」
「あ、うん、分かったよ」
俺と圭太と七海は、九条さんを連れてある場所へと向かう。
俺が今住んでいる家の道中から少し東の方向に寄り道した先に『それ』はある。
裏山っぽい感じの道を少し進んだところで目的の場所に着く。
なお、その場所の所要時間は、学校からは徒歩で20分、家からは徒歩で15分だ。
「さぁ、ここだ」
「え、ここって……お墓?」
そう九条さんを連れて来た場所は、俺の本当の両親が眠っている墓地エリアだったのだ。
今の俺の状況を説明するとなれば、今は墓の中にいる本当の両親の事も話さないといけないのだから。
例の暴力幼馴染関連の続きでもあるからな……。
「そうだね。 三限目の後でのトイレ妨害とか、昼休みのアレとか……。 しかもそれがきっかけで紛争状態だったし……」
「九条さんが美少女なのは私でも認めるけど……、そこまでして話したいと思ってるのがね」
「僕っ娘というギャップもあったんだろ。 それを差し引いてもドン引きレベルだったし」
「まぁ、あのクラスの男共は陽キャのくせにモテないからな。 性質が悪すぎて女子たちから警戒されてる」
「そ、そうなんだ……。 僕も気を付けないと……」
結局、放課後まで屋上で過ごす羽目になった俺達は、そのまま下校をすることになる。
途中で副担任の先生が、経過報告に来てくれた。
その人からの話じゃどうも最初は言葉の暴力だったのだが、陽キャ男子グループがキレて女子に椅子や机を投げ飛ばしだしたようで、気の強い女子たちも反撃したもんだから、机や椅子が散乱、ガラスも割れるという酷い事態になったんだとか。
呆れてものがいえん……。
そもそもうちのクラスの陽キャグループは、自称みたいなもので相手の意志を無視してでも話したいという変な意思を持っているようで、あの幼馴染とは別格で性質が悪い。
しかし……。
「ま、まだかな……。 わ、私、もう……」
「もれる、もれるー!」
トイレ付近を通ると、クラスの女子が恥も外聞もなく、トイレ我慢している様子が写し出されていた。
「七海ちゃん、何処のトイレもあんな感じなのかい……?」
「副担任曰く、説教中でもトイレに行かせるようにはしたが、先生同伴なのが嫌らしく、ずっと我慢してたみたいね……」
「まぁ、三限目の後の僕もそんな状態だったからね。 無事に間に合ったけど」
「俺ら男子がいる手前でその話はやめてさしあげろ」
「あらら、ごめんごめん」
「でも、三階も二階の女子トイレも恥も外聞もかなぐり捨ててるからね。 相当だよ」
「そろそろトイレの話から離れようか」
トイレの話ばかりする女子二人に堪らず話題を変えようと試みる。
そこで気になった事を彼女に聞いてみる。
「九条さんは、義経から距離を置かれているらしいけど、なんでなんだ?」
「ああ。 僕の今の口調や女子なのに、一人称が僕なのが原因みたい。 特に口調がね、ヨッシーにはきつく感じているから……」
やはり、通話で義経が言っていた事と大体同じみたいだな。
義経も口調がと言っていたしな。
だが、圧が強いかと言われるとそうとは言えないが、受け取り方は人それぞれなんだろう。
「今まで話してみてる限りでは、キツイとは思えないが……」
今の九条さんの喋り方を聞いてみて、正直に思った感想だ。
しかし、彼女は首を横に振りながらこう言った。
「これでも何とか抑えている方なんだ。 気を許すともっと口調の圧がキツくなる」
「そうなのか?」
「うん。 それでヨッシーを傷付けた事があったから。 謝りたいと思ってても……、向こうは避けられているから」
「こりゃあ、相当ね……」
「ああ」
九条さんと義経の距離感の理由を黙って聞いていた七海と圭太は、聞いた話では相当の距離感になっていると感じていた。
俯く九条さんを見て流石にこれは……と思い、こう告げた。
「ま、義経の事はこっちで何とかする。 少しでも仲直りはしてほしいしな。 時間はかかるかもしれないが」
「ありがとう。 ヨッシーの事は頼むよ」
「もちろんだ」
九条さんを安心させるために、彼女の肩に手を置く。
彼女にだきしめられても、拒絶反応が起きなかったから、こうしても大丈夫になった。
とにかく義経と彼女の距離感を縮めるのは、時間を掛けてやるしかない。
「そうそう。 話は変わるけど、あの時『義妹』って言ってたね? どういう事なんだい?」
「それなら、まずはあそこに行こう。 丁度帰りに行くところだし」
「ああ。 あそこだな」
「そうだね。 いつも帰り際にそこに寄るんだよね」
「え? え?」
あ、九条さんが混乱している。
流石に『あそこに行く』というだけでは抽象的過ぎたか。
しかし、まずは論より証拠として彼女からの疑問に答える為には、どうしても彼女をも連れていく必要がある。
「とにかく一緒に来てくれれば分かる。 さぁ、行くぞ」
「あ、うん、分かったよ」
俺と圭太と七海は、九条さんを連れてある場所へと向かう。
俺が今住んでいる家の道中から少し東の方向に寄り道した先に『それ』はある。
裏山っぽい感じの道を少し進んだところで目的の場所に着く。
なお、その場所の所要時間は、学校からは徒歩で20分、家からは徒歩で15分だ。
「さぁ、ここだ」
「え、ここって……お墓?」
そう九条さんを連れて来た場所は、俺の本当の両親が眠っている墓地エリアだったのだ。
今の俺の状況を説明するとなれば、今は墓の中にいる本当の両親の事も話さないといけないのだから。
例の暴力幼馴染関連の続きでもあるからな……。
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