14 / 134
【第一章】三谷恭司
【第三話】アベルト・バーレン④
しおりを挟む
「実はね、その当時の、世界を混乱たらしめた二人…………。そのうちの一人は、『三谷恭司』というんだよ」
空気が、ピリッと張り詰めた。
空気中に痛みを伴う何かが張り巡らされたかのように、身動きの一つすら躊躇われる雰囲気が流れた。
呼吸が細くなり、思考が麻痺し始める。
ーーこの人は何を言っているのだろう?
現実から目を逸らしたがる心が、考えることを放棄せよと訴える。
だが、そうもいかない。
脳がギリギリのところでそう流れてしまうのを食い止め、精一杯頭を回す。
しかし、
結局それは、単にアベルトの言うことに頷く結果となりそうな考えしか生まなかった。
自分は今、追い詰められているのだ。
記憶が無いから身に覚えが無い。
それでも、その事実がリアルなのだとすれば、やはり自分は罰せられるべき人間となってしまうだろう。
話の中の三谷恭司は、人を何千何万と殺した殺人鬼なのだ。
「…………アベルトさんは、私の正体がその男で、時空間魔法でこの時代まで飛ばされてきたとお考えなのですね?」
「…………ああ。そう考えている」
「…………名前の他に、何か証拠はあるんですか?」
恭司はすがるような気持ちでそう尋ねた。
恭司が自分を『三谷恭司』だと認識するに至ったのはつい最近だ。
単に、服に書いてあった名前から連想したに過ぎないものだ。
自分の記憶違いだった可能性も残っている。
自分は本当は違う名前の人間で、たまたま『三谷恭司』の名前が記憶に残っていただけかもしれない。
だが、
アベルトはそんな恭司の考えを打ち砕くかのように、静かに頷いてみせた。
「コレに…………見覚えはないかな?」
アベルトはそう言って、机の下から一つの刀を手に取り、机に置いた。
いつの間に机の下にそんな物を置いていたのかまるで分からなかった。
しかし、
その置かれた刀を見て、そんな小事は恭司の頭の中からあっという間に吹き飛んでしまった。
全身を漆黒に包んだその刀ーー。
派手な装飾を施された見事な鞘に、真っ黒な刀身が中にしまい込まれている。
そして、
目の前にしただけで襲いくる圧倒的存在感ーー。
見る者に不吉を思わせる邪悪なオーラーー。
ただそこにあるというだけで、押し寄せる巨大にして強大にして膨大な死の波濤ーー。
恭司は喉の奥から込み上げる吐き気をこらえながら、ゴクリと生唾を呑み込む。
見覚えならあった。
ありすぎていた。
何故、アベルトがこの刀をここに持ってきているのかーー。
「…………その顔を見るに、どうやら覚えがあるのは間違いないようだね。まぁ、それはそうだろう。なんせこの刀は、君の部屋にあったのだから」
恭司は頭の中が真っ白になっていくのを感じとった。
まだアベルトからこの刀の関連性は聞いていない。
だが、
言われなくても気づくほどには、既に恭司も受け入れ始めていた。
この刀はきっと、そういうことなのだ。
悪い物なのだ。
『悪』なのだ。
恭司は緊張に震え出しそうな体を押さえ、頷く。
もう、抗うことは無駄なように感じた。
「…………何やら体調が悪そうだが、申し訳ないことにそれに構っている暇はなくてね…………。話を先に進めさせてもらうよ」
「………………」
恭司は再び頷いた。
もう何が何だか分からなくなっていた。
きっと、そういうことなのだ。
きっと、そういうことに決まっているのだ。
もうここまで来たら、間違いないのだ。
まだ記憶の中で思い出せることなど何もない。
記憶喪失であることに変わりはない。
でも…………いや、だからこそ、
他者から知らされる自分の正体が、まさか過去にそれほどの災厄をもたらした人物だったなど、一体どう受け止めればいいというのか。
「この刀は、当時の三谷恭司が使用していた刀だ。名は『灯竜丸』。かつて3つあった国のうちの一つ、『メルセデス』が所有していた魔法刀だ。その人間の持つ才能や能力を最大限まで引き出すことができる。かつて三谷恭司は、この刀を使って鬼と化し、世界中を死で包み込んだ。その被害者の総数は、百や千では到底きかない。今の世の中にも、三谷恭司の行った所業で辛い想いをしている人が山ほどいる」
「………………」
一息に説明されても頭の中には何も入ってこなかった。
心の中には漠然とした不安が渦巻いている。
記憶のあった時の自分が信じられない。
何故そんなことをしたんだ?
何故ここまで話されて一つも思い出せないんだ?
そもそもその三谷恭司は本当に自分なのか?
これからどうするべきだ?
贖罪をするべきなのか?
でもやった覚えもないのに贖罪なんておかしくないか?
これからどうなるんだ?
自分に辛い想いをさせられた人間たちに嬲り殺されるのか?
アベルトはどうするつもりだ?
俺はーー
今からどうするべきなんだ?
頭の中にただ溢れる疑問ーー。
たった一つすら解決のための手段が思い浮かばない。
どういう状態が解決なのかも分からない。
冷静になろうと思っていても、冷静になれない。
完全にパニックだ。
どうしたらいいのか一切不明だ。
何だ俺は。
動揺し過ぎて落ち着けない。
一度寝たい。
目が覚めたら何か変わるかもしれない。
アベルトが冗談だよと笑ってくれるかもしれない。
でも……
それが出来ないことくらいは、今の恭司でも理解していた。
「ふむ…………。どうやらパニックになってしまったか。君は…………三谷恭司は、私が思っていたよりも善良な人間なのかもしれないな」
「…………え?」
恭司は疑心もそこそこに顔を上げた。
罰せられることにばかり染まっていた頭の中に、一筋の光明が差し込んでくる。
アベルトは、何を言うつもりだ?
「今の君を見て、私にも少し思う所があったよ。元々私は君をこのまま制圧して処刑台にまで連れていくつもりだったのだが、もしかしたら君は、まだこの世に生きていていいのかもしれない」
「…………どう……いう…………ことでしょうか?」
「君がこのまま善良な人間であり続けるというのならば、生かしておいてもいいかもしれないと思ったんだよ」
沈んでいた所から急に持ち上げられる。
どういうつもりなのか分からない。
とりあえず、今の恭司には聞く以外の選択肢が無かった。
流れに身を任せるーー。
それしか、対応の仕方が分からなかった。
「まぁ、もちろん。タダでというわけにはいかない。仕事をしてもらう。君にしか出来ない仕事だ」
「…………何を……させたいんですか?」
イエスもノーも無かった。
今の恭司には、イエス以外の道がない。
これは、取引でもお願いでもなく、命令に近いものだ。
「正体をバレないようにしながら、この世を"武術主義"に切り替えてもらいたい。君に、今の世の武術界の覇者となり、"魔法主義"を一掃してもらいたいのだ」
言っている意味が分からなかった。
武術主義?
魔法主義?
何だそれは。
切り替えるも何も、今の世の中の仕組みすら知らない恭司に、その難易度など分かるはずもない。
どういうことをすればいいのかも、どうなればいいのかもまるで分からないのだ。
頭にクエスチョンが浮かぶのは仕方のないこと。
だが、
さっきも言った通り、今の恭司にはイエスもノーも無いのだ。
恭司は頷く。
イエスだ。
空気が、ピリッと張り詰めた。
空気中に痛みを伴う何かが張り巡らされたかのように、身動きの一つすら躊躇われる雰囲気が流れた。
呼吸が細くなり、思考が麻痺し始める。
ーーこの人は何を言っているのだろう?
現実から目を逸らしたがる心が、考えることを放棄せよと訴える。
だが、そうもいかない。
脳がギリギリのところでそう流れてしまうのを食い止め、精一杯頭を回す。
しかし、
結局それは、単にアベルトの言うことに頷く結果となりそうな考えしか生まなかった。
自分は今、追い詰められているのだ。
記憶が無いから身に覚えが無い。
それでも、その事実がリアルなのだとすれば、やはり自分は罰せられるべき人間となってしまうだろう。
話の中の三谷恭司は、人を何千何万と殺した殺人鬼なのだ。
「…………アベルトさんは、私の正体がその男で、時空間魔法でこの時代まで飛ばされてきたとお考えなのですね?」
「…………ああ。そう考えている」
「…………名前の他に、何か証拠はあるんですか?」
恭司はすがるような気持ちでそう尋ねた。
恭司が自分を『三谷恭司』だと認識するに至ったのはつい最近だ。
単に、服に書いてあった名前から連想したに過ぎないものだ。
自分の記憶違いだった可能性も残っている。
自分は本当は違う名前の人間で、たまたま『三谷恭司』の名前が記憶に残っていただけかもしれない。
だが、
アベルトはそんな恭司の考えを打ち砕くかのように、静かに頷いてみせた。
「コレに…………見覚えはないかな?」
アベルトはそう言って、机の下から一つの刀を手に取り、机に置いた。
いつの間に机の下にそんな物を置いていたのかまるで分からなかった。
しかし、
その置かれた刀を見て、そんな小事は恭司の頭の中からあっという間に吹き飛んでしまった。
全身を漆黒に包んだその刀ーー。
派手な装飾を施された見事な鞘に、真っ黒な刀身が中にしまい込まれている。
そして、
目の前にしただけで襲いくる圧倒的存在感ーー。
見る者に不吉を思わせる邪悪なオーラーー。
ただそこにあるというだけで、押し寄せる巨大にして強大にして膨大な死の波濤ーー。
恭司は喉の奥から込み上げる吐き気をこらえながら、ゴクリと生唾を呑み込む。
見覚えならあった。
ありすぎていた。
何故、アベルトがこの刀をここに持ってきているのかーー。
「…………その顔を見るに、どうやら覚えがあるのは間違いないようだね。まぁ、それはそうだろう。なんせこの刀は、君の部屋にあったのだから」
恭司は頭の中が真っ白になっていくのを感じとった。
まだアベルトからこの刀の関連性は聞いていない。
だが、
言われなくても気づくほどには、既に恭司も受け入れ始めていた。
この刀はきっと、そういうことなのだ。
悪い物なのだ。
『悪』なのだ。
恭司は緊張に震え出しそうな体を押さえ、頷く。
もう、抗うことは無駄なように感じた。
「…………何やら体調が悪そうだが、申し訳ないことにそれに構っている暇はなくてね…………。話を先に進めさせてもらうよ」
「………………」
恭司は再び頷いた。
もう何が何だか分からなくなっていた。
きっと、そういうことなのだ。
きっと、そういうことに決まっているのだ。
もうここまで来たら、間違いないのだ。
まだ記憶の中で思い出せることなど何もない。
記憶喪失であることに変わりはない。
でも…………いや、だからこそ、
他者から知らされる自分の正体が、まさか過去にそれほどの災厄をもたらした人物だったなど、一体どう受け止めればいいというのか。
「この刀は、当時の三谷恭司が使用していた刀だ。名は『灯竜丸』。かつて3つあった国のうちの一つ、『メルセデス』が所有していた魔法刀だ。その人間の持つ才能や能力を最大限まで引き出すことができる。かつて三谷恭司は、この刀を使って鬼と化し、世界中を死で包み込んだ。その被害者の総数は、百や千では到底きかない。今の世の中にも、三谷恭司の行った所業で辛い想いをしている人が山ほどいる」
「………………」
一息に説明されても頭の中には何も入ってこなかった。
心の中には漠然とした不安が渦巻いている。
記憶のあった時の自分が信じられない。
何故そんなことをしたんだ?
何故ここまで話されて一つも思い出せないんだ?
そもそもその三谷恭司は本当に自分なのか?
これからどうするべきだ?
贖罪をするべきなのか?
でもやった覚えもないのに贖罪なんておかしくないか?
これからどうなるんだ?
自分に辛い想いをさせられた人間たちに嬲り殺されるのか?
アベルトはどうするつもりだ?
俺はーー
今からどうするべきなんだ?
頭の中にただ溢れる疑問ーー。
たった一つすら解決のための手段が思い浮かばない。
どういう状態が解決なのかも分からない。
冷静になろうと思っていても、冷静になれない。
完全にパニックだ。
どうしたらいいのか一切不明だ。
何だ俺は。
動揺し過ぎて落ち着けない。
一度寝たい。
目が覚めたら何か変わるかもしれない。
アベルトが冗談だよと笑ってくれるかもしれない。
でも……
それが出来ないことくらいは、今の恭司でも理解していた。
「ふむ…………。どうやらパニックになってしまったか。君は…………三谷恭司は、私が思っていたよりも善良な人間なのかもしれないな」
「…………え?」
恭司は疑心もそこそこに顔を上げた。
罰せられることにばかり染まっていた頭の中に、一筋の光明が差し込んでくる。
アベルトは、何を言うつもりだ?
「今の君を見て、私にも少し思う所があったよ。元々私は君をこのまま制圧して処刑台にまで連れていくつもりだったのだが、もしかしたら君は、まだこの世に生きていていいのかもしれない」
「…………どう……いう…………ことでしょうか?」
「君がこのまま善良な人間であり続けるというのならば、生かしておいてもいいかもしれないと思ったんだよ」
沈んでいた所から急に持ち上げられる。
どういうつもりなのか分からない。
とりあえず、今の恭司には聞く以外の選択肢が無かった。
流れに身を任せるーー。
それしか、対応の仕方が分からなかった。
「まぁ、もちろん。タダでというわけにはいかない。仕事をしてもらう。君にしか出来ない仕事だ」
「…………何を……させたいんですか?」
イエスもノーも無かった。
今の恭司には、イエス以外の道がない。
これは、取引でもお願いでもなく、命令に近いものだ。
「正体をバレないようにしながら、この世を"武術主義"に切り替えてもらいたい。君に、今の世の武術界の覇者となり、"魔法主義"を一掃してもらいたいのだ」
言っている意味が分からなかった。
武術主義?
魔法主義?
何だそれは。
切り替えるも何も、今の世の中の仕組みすら知らない恭司に、その難易度など分かるはずもない。
どういうことをすればいいのかも、どうなればいいのかもまるで分からないのだ。
頭にクエスチョンが浮かぶのは仕方のないこと。
だが、
さっきも言った通り、今の恭司にはイエスもノーも無いのだ。
恭司は頷く。
イエスだ。
0
あなたにおすすめの小説
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる