追憶の刃ーーかつて時空を飛ばされた殺人鬼は、記憶を失くし、200年後の世界で学生として生きるーー

ノリオ

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【第六章】クレイア

【第十二話】実技訓練②

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「なんか黄昏てるねー。お年頃なの?」

「同い年だろ……」


話しかけてきたユウカに、恭司はおざなりな返事を返す。

いつもと違って学校にいる2人なのだが、席が隣同士なおかげでいつも通りになってしまった。


「そんなに寛いでて良いの?武者修行帰りの玄人さんなんでしょ?」

「あっ、いっけね、そうだった」


恭司は慌てて姿勢を正す。

ユウカの冷めた視線が痛かった。


「同い年じゃないか」


姿勢を正しくしたまま、険しい表情でなるべく渋い声で言い直す。

ユウカの視線がより痛くなった。


「もう相当前から手遅れだよ……。てか、コレは一体どういう状況なの?」


ユウカの言葉には少しばかりのトゲがあった。

慣れない中でも『気を遣っていた』というのに、恭司はいわば無下にした形なのだ。

ユウカが慣れないことをしているということは勿論恭司にも分かっていたが、恭司はやれやれとばかりに肩を竦める。


「気を遣ってくれるのは有り難いが、先走り過ぎなんだよ。別にアベルトさんからも、学校で他と仲良くしろなんて言われてないしな」

「え?そうなの?」

「そりゃそうだろ。むしろ一緒にいるよう念押しされたくらいだ。どうせ何か指示受けてると勘違いして不貞腐れてたんだろう?」

「うー……。そこはちょっと返す言葉ないかも……」

「口でユウカに勝てたのは初めてかもな」


正確には一緒にいるどころか結婚まで頼まれているのだが、そこまでは言わなかった。

言ったところで仕方ないし、面倒事が増えるだけだ。

しかし、

ユウカは「あれ?それなら」と首を傾げ、質問を追加してきた。


「じゃあ、私と一緒にいるっていうんなら、『大会』のメンバーとかは一体どうやって揃えるつもりなの?」

「……大会?」


嫌な予感がしつつも、恭司はその初めて聞くワードを問い返した。

アベルトからは一切出てきてない話だ。


「嘘?お父さんから聞いてないの?とても有名なのに」

「……知らないな」


完全に初耳だ。


「あー、そうなんだ……。この学校では毎年、武芸科と魔法科で総当たりのリーグ戦が行われててね。それがチーム制なの。『世の中を武芸派に~』とか言ってたからてっきり参加するものとばかり思ってたよ」

「………………」


参加するしない以前に、存在自体を今初めて知った。

勘違いしていたユウカの頭の中には、常にコレがあったということだ。

アベルトは詳細をユウカに聞くようにということだが、質問するための土台くらいは教えてくれていても良かったのではないだろうか……。

恭司は少し慣れてきたこの状況に、長いため息を1つ吐き出す。


「……とりあえず、その話詳しく教えてくれ」
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