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【第六章】クレイア
【第十二話】実技訓練①
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今日の歴史の授業はこんなものだった。
まだ三谷恭司自身のことにはさほど触れられていなかったが、とりあえず分かったのは最低1000人殺していたということだった。
歴史上最初に認知された初犯が1000人だ。
授業が始まって早々、嫌なことを知った。
記憶を失う前の過去の三谷恭司は、本当に世界中から忌み嫌われる異常者だったらしい。
第1章でこれなら、全部読むとどうなるのか……。
歴史の授業は勉強になる一方、あまり深入りすると鬱になるかもしれない。
(てか、歴史学にとって200年前がどんなもんか知らねぇが、登場人物の発言といい、どこまで具体的に分かってんだ……)
もしかしたら、何かカラクリがあるのかもしれない。
場合によっては嘘が入っているかもという希望的観測の可能性もあるが、ここまで詳細な内容が記載されているのは逆に不自然な気がした。
たかが200年前とはいえ、普通はここまで詳細に分からない。
本当だとすれば『魔法』の存在が一番怪しいが、それは後で誰かに聞いてみるのがいいだろう。
ユウカは多分知らないだろうから、担当のクリス先生にでも聞いてみようかと思った。
素直に教えてくれるかどうかは、正直分かったものではないが。
(てか、過去の俺強すぎだろ……。誰にも見つからずに1000人殺すとか今絶対無理だし、やっぱ、当時の技とか何とか、色々忘れてしまっているのかねぇ……)
ユウカに見せてもらった『喰斬り』。
恭司が今思い出せている技はアレだけだ。
アレも木刀ではなく真剣を使えば、人を簡単に殺せてしまうだろう。
他の技はまだ思い出せてはいないが、思い出したら相当強力な技になりそうだ。
「思い出した方が良いのかそうでないのか……。複雑だ……」
恭司は椅子の背もたれに寄りかかりながら呟く。
技を思い出したら強くなるのは確実だ。
強力な殺人術を手にするのは勿論。
体の動かし方や、もしかしたら過去の戦闘経験すら糧になるかもしれない。
だが、
それを思い出すということは、そこに付随する感情まで戻ってくる可能性も否定しきれない。
三谷恭司はかつて、世界を滅ぼそうとするくらい、強烈な負の感情を抱いていたはずだ。
それが正義心なのか快楽なのか復讐心なのかは分からないが、恭司は結果として数えきれないほどの人間を殺している。
そんな結果に結びつく過程となる感情が、良いものであるはずはない。
おそらくは、思い出さずに一生を過ごすことが、世の中にとっては一番いいことなのだろう。
しかし、
「記憶なんて常に自分の中にあるもの。それに……」
自分自身は、どうしたいのか。
呟かれなかった言葉は、恭司の舌の上を転がって喉の奥に消えていった。
それは、自分のことなのに自分で決めて良いことじゃ無い。
それなのに抗する手立てのなかなか見つからない、厄介なものだった。
結局は気にしても仕方がないということなのだろう。
恭司は大きくため息を吐き出した。
まだ三谷恭司自身のことにはさほど触れられていなかったが、とりあえず分かったのは最低1000人殺していたということだった。
歴史上最初に認知された初犯が1000人だ。
授業が始まって早々、嫌なことを知った。
記憶を失う前の過去の三谷恭司は、本当に世界中から忌み嫌われる異常者だったらしい。
第1章でこれなら、全部読むとどうなるのか……。
歴史の授業は勉強になる一方、あまり深入りすると鬱になるかもしれない。
(てか、歴史学にとって200年前がどんなもんか知らねぇが、登場人物の発言といい、どこまで具体的に分かってんだ……)
もしかしたら、何かカラクリがあるのかもしれない。
場合によっては嘘が入っているかもという希望的観測の可能性もあるが、ここまで詳細な内容が記載されているのは逆に不自然な気がした。
たかが200年前とはいえ、普通はここまで詳細に分からない。
本当だとすれば『魔法』の存在が一番怪しいが、それは後で誰かに聞いてみるのがいいだろう。
ユウカは多分知らないだろうから、担当のクリス先生にでも聞いてみようかと思った。
素直に教えてくれるかどうかは、正直分かったものではないが。
(てか、過去の俺強すぎだろ……。誰にも見つからずに1000人殺すとか今絶対無理だし、やっぱ、当時の技とか何とか、色々忘れてしまっているのかねぇ……)
ユウカに見せてもらった『喰斬り』。
恭司が今思い出せている技はアレだけだ。
アレも木刀ではなく真剣を使えば、人を簡単に殺せてしまうだろう。
他の技はまだ思い出せてはいないが、思い出したら相当強力な技になりそうだ。
「思い出した方が良いのかそうでないのか……。複雑だ……」
恭司は椅子の背もたれに寄りかかりながら呟く。
技を思い出したら強くなるのは確実だ。
強力な殺人術を手にするのは勿論。
体の動かし方や、もしかしたら過去の戦闘経験すら糧になるかもしれない。
だが、
それを思い出すということは、そこに付随する感情まで戻ってくる可能性も否定しきれない。
三谷恭司はかつて、世界を滅ぼそうとするくらい、強烈な負の感情を抱いていたはずだ。
それが正義心なのか快楽なのか復讐心なのかは分からないが、恭司は結果として数えきれないほどの人間を殺している。
そんな結果に結びつく過程となる感情が、良いものであるはずはない。
おそらくは、思い出さずに一生を過ごすことが、世の中にとっては一番いいことなのだろう。
しかし、
「記憶なんて常に自分の中にあるもの。それに……」
自分自身は、どうしたいのか。
呟かれなかった言葉は、恭司の舌の上を転がって喉の奥に消えていった。
それは、自分のことなのに自分で決めて良いことじゃ無い。
それなのに抗する手立てのなかなか見つからない、厄介なものだった。
結局は気にしても仕方がないということなのだろう。
恭司は大きくため息を吐き出した。
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