ガールズ・ハートビート! ~相棒は魔王様!? 引っ張り回され冒険ライフ~

十六夜@肉球

文字の大きさ
14 / 96
第一章 魔王様拾っちゃいました!

第三話 目指せ! ランクアップ#2

しおりを挟む




 さてさて。ちょいと面倒だったけど、これで必要な情報は集まった。
 ギルドハウスで借りたテーブルの上に地図を広げ、わたしが集めた情報を吟味する。
「ふんふんふ~ん」
 表の店と裏の店。それぞれを中心に人が半日で歩けそうな距離の円を描く。
 円が重なる部分が一番怪しい地域で、今度はそこから確率の低い場所を弾いてゆく。
 チマチマと魔力結晶を集めるとすれば、必然的に店に通う回数は増える。荷車を使うほど買ってしまうと嫌でも目立つし。

 ギルドハウスの周囲――問題外。バツ。
 人の多い住宅街――人目に付きすぎる、バツ。
 雑多な商店街――場所としては悪くない。だけど衛士や警士の目が厳しい。バツ。
 スラム・下街――ロケーションは良いが、秘密を保つのは案外不向き。バツ。
 高級住宅街――人目も少なく、入る方法があるなら意外とあり……。

「よし。これぐらいでいいか」
 数十分の作業の後、わたしはだいたいのアテを付けて地図を畳んだ。
 これで仕事の前段階は終了……だけど、準備を終わらせるにはもう一手必要だ。
「トーマスさん、ちょっとお願いがあるんですけど」
 その最後の一手を埋めるべくカウンターに向かう。これは一番重要で、それだけに難易度も高い。
「ん? お前さんがお願いとは珍しいな」
 暇な時間帯ということもあって手持ち無沙汰にしているトーマスさんがこちらに顔を向ける。
「今夜一晩、高級住宅街担当の警士隊メンバーを引き止めておいて欲しいんですけど」
「はぁ?」
 続いたわたしの言葉に、ポカンとした表情が浮かぶ。
「お前……それ、本気で言っているのか?」
「本気ですよ」
 わたしの正気を疑うようなトーマスさんの言葉だけど、それも無理はない。
 ここだけ聞いたら、わたしだって自分の正気を疑ってしまうところ。
「例の畑は、十中八九高級住宅街にあります」
 だから正気であるということを理屈で説明しないといけない。
「物が物だけに何が起きるかわからないので、こちらの行動を邪魔される可能性は少しでも減らしたいんです」
「お前さんの言いたいことは解ったが、そいつは難しいぞ」
 わたしの言い分に一応は納得したらしいトーマスさんが腕組をしながら唸る。
「高級住宅街で警士の姿が見えなくなると、色々面倒な問題になる。それに連中自身が乗ってこないだろうさ」
「別に高級住宅街全部の警士を引きつける必要はないです」
 もちろんその点はわたしも理解している。当然その対策も考えている。
「『下エリア』の警士、それも夜中の一~二時間程の間だけいなくなれば充分なので」
 一口で高級住宅街とは言っても、その中にはやはり格付けがある。
 大貴族や古くからの名家は『上エリア』に存在し、新興の貴族や商家と言ったいわゆる『成金』の家は『下エリア』に存在する。
 当然その警備体制には大きな差があり、『上エリア』の警士は職務に忠実な精鋭をあてられている。
 反面『下エリア』の警士は、任務にあまり熱心ではない二線級以下が殆ど。正直言って質はよろしくない。
「つまり、成金共の住処に畑がある――お前さんはそう睨んでいるワケだ」
「ある程度人目を避けつつ、表に露見するのを防ぐ。そんな都合の良い条件を満たせる場所は、そう多くないですし」
 マンドラゴラの栽培は簡単であるとはいえ、家庭菜園程気楽に行える物じゃない。
 目的を知っているかどうかはともかく、安全な場所を提供する協力者は必要だ。
 その辺のチンピラを雇っても秘密が守られるとは限らないし、地位や財産を持つ人はやすやすと怪しい話には乗らない。
 となると、狙いは限られる。そこそこの資金があり、なおかつ地位や財産の上乗せを狙っている『成金』層だ。
 その手の連中ならば、儲けさえ保証すれば簡単に手を貸すだろう。
「ふん……やってやれないことはないが」
 トーマスさんの視線が鋭くなる。
「こいつは外に大きな借りを作ることになるぞ? ギルドの立場から許容できると思うのか?」
 うぅ、怖い。今すぐ後ろを向いてダッシュで逃げてしまいたい。
「許容するしかないと思いますよ」
 それでもなんとかなけなしの勇気を総動員して言葉を続ける。
「少なくとも領軍が動きだす事態に比べれば、断然ダメージは少ないでしょうし」
 どちらにしても無傷で終わらせる方法は無いのだから、せめてよりダメージの低い方を選ぶのが賢いやり方ってもの。畑さえ押さえてしまえば、後はなんとでもなるのだし。
「チッ……まったくもってその通りだな」
 トーマスさんは苛立たしそうに自分の頭をペチペチしている。
「いいだろう。『下エリア』の連中は手を打っておく」
 億劫そうな表情と動きで幾つかのメモを書き、その辺で手持ち無沙汰にしている雑用係の少年を何人か呼んで小銭と一緒にそれを手渡す。受け取った少年は扉から飛び出しどこかへと走り去って行った。
 トーマスさんも、アレで中々顔が広いって話だからなぁ……本当に、なんでギルドのカウンター受付なんてやってるんだろ?
 ギルドマスターを筆頭に、ギルドの構成メンバーって、本当に底の知れない人が多いナァ。
「ここまでやった以上、失敗は許されんぞ。お前さんの首一つで済めばいいがな」
「あんまり脅さないでよ……こう見えてわたし、ノミの心臓より小心者なんだからさぁ」
 怖い表情を浮かべているトーマスさんだけど、その目はいつもと同じ。
 ようするに一種の気合入れってところ。でも空気が読めるわたしは、ちゃんと怖がってみせるのだ。
「けっ……レベルってやつは本当にアテにならんな」
 どこか面白くなさそうなトーマスさん。うーん……もうちょっと怖がってあげた方が良かったかな?
 あの人の凄みってその辺の中級探索者でも腰が引けてしまうって評判なのだから、低ランク低レベル探索者のわたしがビクリともしないのでは、自信に傷が付いてしまったのかも。
「きゃ、きゃ~こわ~い」
 口元に手を当て、ちょっと目をうるうるさせてみたりして……。
「おせぇよ!」
 だけどトーマスさんのお気には召さなかったもよう。
 う~ん……演芸スキルをもう少し磨いておくべきだったかな?


 さて、準備はこれで終わり。
 後は夜を待って行動を起こすだけ。別に今すぐ行動しても良いんだけど、コトがコトだからできるだけ人目にはつきたくないし。
 それにアイカさんを置いて行ったら……後でどれだけゴネられるか、想像するだに恐ろしい。
 おっと。それに念の為に幾つか道具を用意しておかないと。
「あー……疲れた」
 長いこと地図を睨みつけてたせいで皺のよった眉間を指先でほぐす。
「甘いモノがほしー」
 シティアドベンチャーは体力的には楽だけど、頭脳的というか精神的には本当に消耗する。特に準備段階で。
 ダンジョン系探索は極論すれば脳筋ゴリ押しでもなんとかなるけれど、人相手が中心となれば何でもかんでも力づくとはゆかない。
 法律によって運営されている『街』の中での行動を、ダンジョンや魔物相手と同じノリでやっちゃえば、たちまち衛士や警士のお世話になってしまっちゃう。
 要は可能な限りスマートかつ力ずくで物事を解決する必要がある……って、うん。自分で言っててなんだか意味がわからない。
「トーマスさーん。なにか甘いものひとつー」
 まだ明るい時間なせいでギルドハウス内の探索者の姿はまばら。暇な様子のトーマスさんに、テーブルの上にうつ伏せたまま注文してみる。
「うるせぇ。昼間はセルフサービスだ。自分で取ってこい」
 だけどトーマスさんから戻ってきた返事は、接客精神の欠片もないものだった。
「ってか、ウチは茶店じゃねぇ。甘いモンが欲しけりゃ他所にゆけ、他所に」
 ごもっとも。酒場で出るのはアルコールであってジュースじゃないし、ツマミであってスイーツではない。
 そもそもここに来る人は、そのほぼ全員が酒とツマミそして食事が目的なんだから当然といえば当然だけど。
「えー。もう少しこう、商売っ気だしましょうーよー。顧客の要望に答えるのがうまい商売の秘訣ってやつでしょー」
 いや、ホントのところは知らないけれど。まぁ、それっぽいことを言ってればトーマスさんもその気になってくれるかも?
「適当抜かしているんじゃねぇ」
 だけどトーマスさんはそう簡単にノッてはくれない。
「仮にそれが正しいとしても、現時点でそれは達成されているだろうが。おまえさん一人の要望に応えたとして元が取れねぇよ」
 チェッ。そう簡単には丸め込めないか。ギルドハウスでスイーツ扱ってくれたら、わたし的には大ラッキーなんだけど。
「いやいや、少数の声にも応えてこそ――」
 未練がましくトーマスさんに言葉を続けようとした時、バン!という景気の良い音と同時にギルドハウスの扉が、文字通り蹴り開けられた。
 振り返ったその視線の先には、日差しを背に立つ背の高い女性。逆光のせいでその姿は全体的に黒い影で覆われ判然としない。
 その両手で持ち上げられた横に長い物体が激しく暴れており、なんとも言えぬ不気味さを醸し出していた。
「……っ」
 言葉が出ない。額からは汗が流れ喉には何かが貼り付いたかのように動かせない。
「くっくっくっ……」
 そんなわたしの様子を面白そうに笑う人影。
「驚いて声も出ぬようだな」
 そういいながら、人影は一歩前に歩きでた。
「どうじゃ! 期待通り大物を釣り上げてきたぞ!」
 それは両手で一メートルはあろうかという巨大な魚を持ち上げた格好で、フンスと得意げな表情を浮かべているアイカさんだった。
 えぇ、見た瞬間から分かってましたとも。単に現実逃避していただけで。
「これだけあれば、夕食どころか明日の朝も困らぬな!」
 衣服どころか髪の毛先からも水がポタポタと垂れている。どうやって捕まえて来たのか容易に想像がつく。
 多分、釣り竿なんか使わなかったんだろうなぁ……川の中に飛び込んで魚相手に大立ち回りを演じただろうなぁ……。
 後で釣り場の管理人から苦情が入るだろうなぁ……はぁ。
 なんとも言えない気持ちを押し隠し、精一杯の笑顔を浮かべる。
「えぇ……と、まぁ、たしかに大物ですね」
「そうだろう。そうだろう」
 さぁ、褒めろ! と言わんばかりのアイカさん。
 あー、うん。頑張って大物を釣り上げてね、と言ったのは確かだけど……えーっと、これってわたしが悪いってことになるのかしら?
「はぁ……」
 そして、頭の痛い問題というものは必ずしも一つですむとは限らないものなのだ……。
「大物は良いんですけど、どう処理するんです?」
「む?」
 わたしの質問に、アイカさんが小首を傾げた。
「どうもこうも、ギガント・ボアでやった時のように、バラして焼いてしまえば良いではないか」
 当然のように言われたけど、いやいや。ここ街の中ですからね?
「良くないですからね?」
 ただでさえ街中で野宿をするのは行儀の悪いことなのに、そのうえ焚き火をおこして野営なんか始めたら流石に衛士から怒られてしまう。
「自宅でもあれば自分たちで調理するって手もありますけど、宿場で調理は無理ですから」
「む。ではこの大物はどうすれば良いのだ? 取ってきてくれというから奮起してきたのに……」
 そこを突かれると弱い。半ば冗談だったとはいえ、アイカさんを煽ったのは間違いなくわたしなワケで。
「あー、トーマスさん?」
 わたしに視線を向けられたトーマスさんは深くため息を漏らした。
「酒場用の食材としてギルドが買い取ってやる。ただし値段は期待するなよ?」
 ギルドは探索者が持ち込んだ物なら大抵は買い取ってくれる。その代わり相場より安めだし手数料も掛かるのでお得度はガッツリ下がってしまうけど。
 だからといってわたしに直接取り引きをするような商店とのツテはないから、そこは必要経費と割り切るしかないわけで。
 取り敢えず魚を渡して百リーブラ程と交換する。
「なんだ、なんだ。せっかく余が身体を張って捕らえたのに……」
 アイカさんは不満そうだったけれど、実はギルドの買取価格としては破格の値段。これは結構おまけしてくれている金額だ。
「いやいや、流石はアイカさんですね! 大物すぎてギルドのお世話が必要になるなんて、相当ですよ」
「であろう!」
 機嫌を損ねる前に、持ち上げられるだけ持ち上げておく。
「多少は苦戦したものの、これを捕らえることができるのは余だけであろう!」
 たちまち機嫌がよくなるアイカさん。ふ……ちょろい。ついでにもう一つ。
「その腕前、今夜も期待してますね」
「ほぉ……動くアテがついたというワケだな?」
 わたしの言葉に、アイカさんが目をスッと細める。
「なにやら色々と探っておったようだが、準備は上々……ふむ。予想していたよりは早かったな」
 そう言いつつ含み笑いを漏らしている。相変わらず底の知れない人だ。
 釣り場で大暴れしていた筈なのに、どうやってかわたしの行動を正確に把握している。
 これも魔王の力、ってやつなのかしら?
「そろそろ夕飯の時間だぞ」
 柱の時計を眺めながらトーマスさんが口を開く。
「どうしたことか獲れたての魚があってな。長く保存できるモンでもないし、今日のメニューはバター焼き定食になるみたいだが、食ってゆけ」
 ふむ。言わてみれば夕食に丁度よい時間。甘いものもさることながら、お腹の空き具合も良いところ。仕事の展開にもよるけど、今夜は体力使いそうだし。
 あと、飲兵衛が多いせいか意外と知られていないんだけど、ギルド内酒場は料理も平均以上に美味しかったりする。
 仕切っているハンナおば――お姉さんは、若い頃は領主館で調理長を努めていた程の実力者。
 貯めたお金で店を持つつもりだったらしいのだけど、ギルドマスターに拝み倒されてギルド内酒場の責任者になったという話。
 ただこのエリアに関しては完全に任されているから、実質自分の店ってことでハンナお姉さん的に問題はないらしい。
「ふむ! そう言えば小腹も空いて来たしな! 大盛りでゆくぞ!!」
 軽くスキップしながらカウンターに向かうアイカさん。
 この人、本当に人生楽しそうだなぁ……。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

狙って追放された創聖魔法使いは異世界を謳歌する

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーから追放される~異世界転生前の記憶が戻ったのにこのままいいように使われてたまるか!  【第15回ファンタジー小説大賞の爽快バトル賞を受賞しました】 ここは異世界エールドラド。その中の国家の1つ⋯⋯グランドダイン帝国の首都シュバルツバイン。  主人公リックはグランドダイン帝国子爵家の次男であり、回復、支援を主とする補助魔法の使い手で勇者パーティーの一員だった。  そんな中グランドダイン帝国の第二皇子で勇者のハインツに公衆の面前で宣言される。 「リック⋯⋯お前は勇者パーティーから追放する」  その言葉にリックは絶望し地面に膝を着く。 「もう2度と俺達の前に現れるな」  そう言って勇者パーティーはリックの前から去っていった。  それを見ていた周囲の人達もリックに声をかけるわけでもなく、1人2人と消えていく。  そしてこの場に誰もいなくなった時リックは⋯⋯笑っていた。 「記憶が戻った今、あんなワガママ皇子には従っていられない。俺はこれからこの異世界を謳歌するぞ」  そう⋯⋯リックは以前生きていた前世の記憶があり、女神の力で異世界転生した者だった。  これは狙って勇者パーティーから追放され、前世の記憶と女神から貰った力を使って無双するリックのドタバタハーレム物語である。 *他サイトにも掲載しています。

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~

松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。 異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。 「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。 だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。 牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。 やがて彼は知らされる。 その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。 金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、 戦闘より掃除が多い異世界ライフ。 ──これは、汚れと戦いながら世界を救う、 笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。

リーマンショックで社会の底辺に落ちたオレが、国王に転生した異世界で、経済の知識を活かして富国強兵する、冒険コメディ

のらねこま(駒田 朗)
ファンタジー
 リーマンショックで会社が倒産し、コンビニのバイトでなんとか今まで生きながらえてきた俺。いつものように眠りについた俺が目覚めた場所は異世界だった。俺は中世時代の若き国王アルフレッドとして目が覚めたのだ。ここは斜陽国家のアルカナ王国。産業は衰退し、国家財政は火の車。国外では敵対国家による侵略の危機にさらされ、国内では政権転覆を企む貴族から命を狙われる。  目覚めてすぐに俺の目の前に現れたのは、金髪美少女の妹姫キャサリン。天使のような姿に反して、実はとんでもなく騒がしいS属性の妹だった。やがて脳筋女戦士のレイラ、エルフ、すけべなドワーフも登場。そんな連中とバカ騒ぎしつつも、俺は魔法を習得し、内政を立て直し、徐々に無双国家への道を突き進むのだった。

処理中です...