500年後転生、美少女としてやり直し王子に拾われる。

ポッポ

文字の大きさ
29 / 107

【第29話】一騎討ち

しおりを挟む
不死鳥の炎によって人と魔物の間に炎の壁ができた。

壁の向こうでは、冒険者達と兵士達が避難誘導をジークの指示で行っていた。

クルミは魔物の方にいた。そして、ローマンも

「ローマンなんで、こっちにきちゃたの?」
クルミが声をかけた。

「1人で、行かせるわけにはいきません!」

魔物は少し減ったがまだ半分の150体は残っていた。

「全く、少しさがって!一気にいくから!」

「何を?」

【疾風竜胆一閃】

クルミが横凪の一閃を放った。
数十体の魔物が切られた。

魔物が恐怖して、敗走していく。
敗走した魔物が炎の壁により、人々の方へ行けない状況だから、クルミは力業にでたのだった。

今までは、逃げた魔物が人々のいる方に逃げてしまう可能性があったから時間を稼いでいて、本来殲滅ならクルミ1人でも可能だった。

「これは夢なのか....」
ローマンが呆けていた。

そして、近づいてくる親衛隊をクルミは察知していたのだった。

「フリード、そっちに逃げた魔物を可能な限り撃破して!」

「かしこまりました!親衛隊今こそ力をクルミ様に見せるときだ!」

「おおーーー!」

魔物相手に怯まず向かっていく、クルミが鍛えたこともあるが、妖精達が、【妖精の加護】を施していたのだ。

クルミは、短期間で妖精に気に入られたことに驚いていた。

「これならいける!」

クルミも殲滅に加わったのだった。

ほどなくして、魔物は消え去り窮地を脱したのだった。

「ジーク王子!」
「ありがとう!」

避難誘導をしている、人々が感謝の言葉を告げているのを聞いてクルミも嬉しい気持ちになっていた。


その頃、レオパルドとミン宰相、セオドは玉座にたどり着いていた。

「さてそろそろ本番を始めようか!」

レオパルドがルーク公爵に化けた中級悪魔のガウラに話しかけた。

「お前は竜王の息子か?邪魔ばかりしおって。」

「ルーク公爵は、死んでるのか?」

悪魔は死体を操ることが多いので死んでいるのかと思ったが、

「まだ生きているよ。その方が利用価値がありますから。」

「こざかしい!」

レオパルドは、ルーク公爵は殺しても仕方がないと考えた。

ルーク公爵と激しい打ち合いになったが、こちらにはミン宰相の援護魔法があった。

徐々にレオパルドが有利になっていったのであった。

「このままでは、厳しいですか。どうやら魔物もやられてしまったようです。」

「それでどうするんだ?」

「今回は引き上げましょう。この屈辱はいずれ必ず返しにきます!」

ルーク公爵から、黒い煙が消えた。

「逃げられたか、中級程度の悪魔ってところだろうな。」

「あれで中級ですか....」
セオドは、驚いていた。自分ではかなわなかっただろう。

「さて、ルーク公爵。意識は戻りましたか?」

「あーぁ。そなたは?竜神王国のものか?」

「こちらはレオパルド王でございます。」

「此度の件、感謝いたします!
なんとお礼をもうしたらよいか。」

「悪魔の仕業だから仕方がないけど、それで許されるのか?」

「無理でしょう。責任は取ります。あなた様が来られていると言うことはジーク王子もこちらへ」

「あーぁ   人々の避難誘導をしている。」

ルーク公爵は、考え込んでいるようだ。そして、操られていたが多少意識もあり今まで何をしたのか白状した。

魂をもらうと言うことで、定期的に国民を上級悪魔への生け贄にしていたのだった。
それも数百人にも及ぶとのこと。

それして一番の罪はジークの父親である王を殺したのだった。

普通の国では死罪は免れないだろう。

ここは、他国なのでレオパルドはこの国の者に判断を任せることにした。

ジークのもとへルーク公爵を連れていく。

ルーク公爵は、ジークへ問いかけた。

「これ以上は、言葉は無用!騎士らしく一騎討ちで勝敗を決めようではないか!」

レオパルドはこの発言に驚いたが、悪魔に利用されたと言っても王を殺すことは重罪。この言葉の意味を理解していた。

「叔父上、何を全ては悪魔の企みだったのではないのですか?」

「悪魔でも何でもこの国を強くするために利用したまでのこと。いざ!」

「待ってください!」

ルーク公爵は切りつける。
それを防ぐジーク。

攻めるルーク公爵に守るジーク。

クルミが止めに入ろうとしたが、レオパルドに止められる。

「はなせ!」
「一騎討ちの重さを理解できないのか?」

この戦いには、深い意味があるのかもしれないがジークは人を殺すことなどまだできないだろうと考えていた。

「大丈夫だから、見てろ。」
「何が大丈夫だ、もしジークに何かあったらあなたを許さないから!!」

本来なら王にそのような言葉を言うなど許されないのだが、ミン宰相は思わず身震いをして何も言えなかった。

クルミの覇気がすごすぎたのだ。
悪魔と戦っているレオパルドよりも濃密で重い覇気だった。

竜王が話していた。クルミを怒らせるなとの忠告が理解できた気がした。

戦いは、あっけなく終わった。
攻めるルーク公爵に対して、ジークは剣を捨てたのだった。

「ジーク!!」叫ぶクルミ。

迫るルーク公爵。そして、剣を振りかぶった。ジークは目を閉じた。

「グハッ」

ルーク公爵は、自分で胸を刺したのだった。

ジークは目を開くと、倒れかけたルーク公爵が見えた。

「叔父上!!」

抱きかかえるジーク。

「これで全ての責任を渡しに!
レオパルド王!見届け人をお願い...」

「しかと! 竜神王国の王、レオパルドが宣言する。反逆人ルーク公爵は、ジーク王子によって処罰された!」

最初からレオパルドには、分かっていた。罪の重さに耐えきれていなかったルーク公爵を。人はそれほど強くはないのだと。

「オーーー!」

回りの人々からは歓喜の声があがる。
ジークは、涙を流していた。

走りよるクルミ。ジークを抱きしめた。まわりにはその姿を見せないように、そっと優しく。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

愛する義兄に憎まれています

ミカン♬
恋愛
自分と婚約予定の義兄が子爵令嬢の恋人を両親に紹介すると聞いたフィーナは、悲しくて辛くて、やがて心は闇に染まっていった。 義兄はフィーナと結婚して侯爵家を継ぐはずだった、なのにフィーナも両親も裏切って真実の愛を貫くと言う。 許せない!そんなフィーナがとった行動は愛する義兄に憎まれるものだった。 2023/12/27 ミモザと義兄の閑話を投稿しました。 ふわっと設定でサクっと終わります。 他サイトにも投稿。

【短編】将来の王太子妃が婚約破棄をされました。宣言した相手は聖女と王太子。あれ何やら二人の様子がおかしい……

しろねこ。
恋愛
「婚約破棄させてもらうわね!」 そう言われたのは銀髪青眼のすらりとした美女だ。 魔法が使えないものの、王太子妃教育も受けている彼女だが、その言葉をうけて見に見えて顔色が悪くなった。 「アリス様、冗談は止してください」 震える声でそう言うも、アリスの呼びかけで場が一変する。 「冗談ではありません、エリック様ぁ」 甘えた声を出し呼んだのは、この国の王太子だ。 彼もまた同様に婚約破棄を謳い、皆の前で発表する。 「王太子と聖女が結婚するのは当然だろ?」 この国の伝承で、建国の際に王太子の手助けをした聖女は平民の出でありながら王太子と結婚をし、後の王妃となっている。 聖女は治癒と癒やしの魔法を持ち、他にも魔物を退けられる力があるという。 魔法を使えないレナンとは大違いだ。 それ故に聖女と認められたアリスは、王太子であるエリックの妻になる! というのだが…… 「これは何の余興でしょう? エリック様に似ている方まで用意して」 そう言うレナンの顔色はかなり悪い。 この状況をまともに受け止めたくないようだ。 そんな彼女を支えるようにして控えていた護衛騎士は寄り添った。 彼女の気持ちまでも守るかのように。 ハピエン、ご都合主義、両思いが大好きです。 同名キャラで様々な話を書いています。 話により立場や家名が変わりますが、基本の性格は変わりません。 お気に入りのキャラ達の、色々なシチュエーションの話がみたくてこのような形式で書いています。 中編くらいで前後の模様を書けたら書きたいです(^^) カクヨムさんでも掲載中。

夫が寵姫に夢中ですので、私は離宮で気ままに暮らします

希猫 ゆうみ
恋愛
王妃フランチェスカは見切りをつけた。 国王である夫ゴドウィンは踊り子上がりの寵姫マルベルに夢中で、先に男児を産ませて寵姫の子を王太子にするとまで嘯いている。 隣国王女であったフランチェスカの莫大な持参金と、結婚による同盟が国を支えてるというのに、恩知らずも甚だしい。 「勝手にやってください。私は離宮で気ままに暮らしますので」

私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?

水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。 日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。 そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。 一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。 ◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です! ◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています

一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました

由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。 ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。 遠い存在になったはずの彼。 けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。 冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。

強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!

ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」 それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。 挙げ句の果てに、 「用が済んだなら早く帰れっ!」 と追い返されてしまいました。 そして夜、屋敷に戻って来た夫は─── ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。

いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。 「僕には想い合う相手いる!」 初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。 小説家になろうさまにも登録しています。

処理中です...