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♪イキイキと扉を開ける  2ー2ー1

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「あっ!大事だいじなこと、わすれてた!」
なにかにづいた様子ようすで、じた両耳りょうみみを‘パカッ’とけたまま、両目りょうめおおきくひらいている。

“え!え!大切たいせつなこと?どうかしたのかな?わすものなにか?”
もうすこし、出会であえたよろこびにひたりたかったが、突然とつぜん事態じたいに、あれこれと心配しんぱいしてしまう。

「はるばるとおところから、おいただいて、大変たいへん、おつかれのなか、おちゃさずに、すみません!すみません!すみません!」
もうわけなさそうに、何度なんども、あたまげる。

“いえいえ、どうぞ、どうぞ、おかまいなく・・・・・・”
おもいもかけない礼儀正れいぎただしさに、こちらも、おなじようにあたまげてしまう。

つかえなければ、早速さっそく粗茶そちゃでもご用意よういしますので!よろしくおねがいします!よろしくおねがいします!よろしくおねがいします!」
びをするように、何回なんかいも、お辞儀じぎをする。

“あの~~~~~~、そんなに使つかわなくても、大丈夫だいじょうぶだよ・・・・・・、あんまり、にしなくてもいいから、安心あんしんして・・・・・・”
いつもの普段通ふだんどおりでいるように、やさしくつたえる。

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