紅龍  RED DRAGON

紋目

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 その少女は、髪と瞳が炎のように赤い。
 両親の顔を知らず、物心ついた時既に少女は黒龍の老人に育てられていた。 老人の話を聞き言葉を覚え、老人に字を教わったのだ。 
 少女は人と一緒にいるのはあまり好きではなかった。自分が何者で、それが知れれば殺されると言うことを知っていたから。
 少女は紅龍の生き残りである。
 少女が生まれて間もなく一人の紅龍が、龍族をまとめていた金龍を意見の食い違いで殺してしまった。 
 その理由は紅龍が、人間を支配するべきだと言った事だった。今までも良く思われていなかった紅龍の部族は、他の部族に殺されてしまったのだ。
 少女がこの事を知ったのは、字が読めるようになってからの話。
 黒龍の老人は紅龍が居無くなるもっと前から生 きている。 老人は真実を知っていて、少女にいつも真実の話を子守歌代わりに聞かせていた。
 老人から聞いていた本当の話とは少し違ている ことが少女には悔しかった。    
 紅龍は、人と仲が良く信頼されていた。
 人間達より自分達が偉いと思っている、龍族は多い。
 金龍も例外ではなかった。

 紅龍が金龍を殺した事を理由に、部族を殆ど全 滅させられてしまった。そしてその全てを紅龍のした事にしてしまったのだ。
 逃げた紅龍達も、生きているのか知る術が無い。老人はその事を隠し続けている事が悔しいと、口癖の様にいつも言っていた。

 少女は人間の姿をしていた。龍の姿をする方が疲れるのだ。
 少女が人間の姿をしているのには、もう一つ理由がある。人間の姿をしている時は龍族ですら、人間と区別出来無いからだ。
 少女が四百年一緒に暮らした老人に、仲間を捜 しに行くと言い、別れを告げたのは。 ほんの百年前の事、龍族では、少女はまだ若い。 旅に出てはみたものの仲間と出会った事は、まだ無い。

 少女は町へと続く街道を歩いている。 ロングソードを肩に担ぎ、髪を短めに切り揃え、 顔の半分が隠れるように布を巻き、鎧を着た上に 丈の長いマントを羽織っている。男の様な格好をしていた。
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