紅龍  RED DRAGON

紋目

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 少女は太陽が昇りきる前に大きな町の入口である門を潜り、奥へ進むと広場へと出た。 人が行き交う広場を見渡し、また歩き出そうとすると後ろから声をかけてくる者がいた。 振り向くと黒く長い髪が印象的な、小柄で可愛らしい少女が不安気な顔でこちらを見ている。
「あの、あの丘の上にある屋敷へ一緒に行って貰えないでしょうか?」
 振り向いた少女は、目だけを丘の上に向ける。この街の有力者の屋敷なのだろう、白い壁の美しい一際大きな建物が遠目にも見えた。
 「なぜ私がそんな事を……」
 少し黙っていたが、そう言うと前を向いて歩き始めた。
「突然こんな事を言って怪しいのはかってます。 一人では不安で行けそうになくて……」
  黒髪の少女は、泣きそうな潤んだ黒い瞳で見上げている。
 少女は関わり合いたくはなかったが、今ここで 放って行けば、いつまでもこの場所で立っていそうな気がした。
「一緒に行くだけでいいのか?」
 大きなため息を吐くと、少女は返事も聞かずに屋敷の見えている方へ歩き始める。
「あ、ありがとう!」
 黒い髪の少女は驚いた様子だったが、少女の後を歩き始めた。
 丘の下まで来ると、黒髪の少女が話しかけてきた。
「私ルナって言うの、名前聞いても良いでしょ?」
 赤い髪の少女は無愛想にティールと名乗ると、首の後ろに手を回し布を取る。
「ティールさん、一緒に来てくれてありがとう」
「別に例を言われるような事はしてない。それから、ティールでいい」
 ルナは黙ってしまったティールの顔を見詰め。
「ねぇ?どうして男みたい……」
 何でも思った事を口にしてしまい良く叱られると、慌てて手で口を抑えた。
「旅をしているとこっちの方が楽なんだ」
  ルナの言い掛けた言葉に、ティールは相変わらず無愛想に答える。
 門番が居ない屋敷の門の前に着き、中を覗くと丁度庭の手入れをしている人の良さそうな老人がいた。
 「すいません。約束はしていないんですが、ガネッシュ・グラン様にお会いしたいのですが、取り次いでもらえないでしょうか?」
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