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猫の国ミャウシア連邦
猫の国と周辺国
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<<大陸北岸付近の内陸部>>
先の戦闘で自機を失ったフニャン達は見知らぬ土地の草むらに潜んでいた。
不時着した時は僅かな非常食と緊急用の道具と護身拳銃を二丁しか持っておらず本国まで歩いてたどり着くには物資を調達する必要性をフニャン達は痛感していた。
周囲を歩いて1日すると集落を発見し様子を観察する。
いきなり会っては混乱が生じることを考え、会い方を検討した上でできれば彼らから平和的にものを調達したかったのだ。
集落の住民はネズミのような耳と尻尾を持った種族のようで自分たちより一回り身長が高く、文明レベルは近世並で農村なのか周辺の畑を耕していた。
陸軍の連中が異世界の知的生命体は下等生物だなんだと豪語してしていたが多少の差はあれ対して身体的な差はあまりないように思える。
どれくらい耳がいいのかはわからないが自分たちと同程度だと考え30mより先に近づくのは難しいと思った。
「隊長、どうするんですか?このまま待っててもどうしようもないですよ?」
ウーのいう通りアクションを起こさなければならない。
だが妙案が思い浮かばない。
「中尉、ここはアタイに任せてよ。アドリブは得意なんだ」
振り向くとアーニャンが近寄っていた。
その場で色々思考巡らせてみる、がアーニャンは一見勝ち気に見えるが賢く利口なので臨機応変に状況に対応できる柔軟さがあるので適任だと思った。
「いける?」
「もちろん」
接触はアーニャンに決まり、簡単な接触手順を決めて行動を始める。
フニャン達は援護できる位置に、アーニャンは移動すると見晴らしがよく雑木林に直ぐ逃げ込める土手から声を上げた。
「おーい!」
すると農作業していた住民数人が気づいてアーニャンを見る。
住民はすぐに集落の中心に集まりだした。
住民はしきりにアーニャンを見ながら話し始める。
狙い通りまずは相手に考える時間を与えることができた。
いきなり接触すればパニックが起きることも十分考えられるからだ。
向こうの集会は続きそうなので退屈になったアーニャンはアピールするようにあくびをして斜面に座り込むことにした。
そして周囲を見渡している時少し離れた草むらに人を発見し。
草むらに隠れるようにしてじっとこっちを見ていたので何をしているのか考えるが理由が思いつかない。
「だれ?」
アーニャンはポツリとつぶやく。
「・・・・!」
「・・・・!」
集会から掛け声がする。
偉そうな住民がみんなに呼びかけると腕の立ちそうな住民がぞろぞろと斧や鍬を持ってせわしなく動き始めた。
アーニャンはすぐにまずい状況になったと気づき口笛を2回吹く。
「やっば!」
アーニャンはそう言うと土手から下りて走り始めた。
雑木林に入るとすぐにフニャンたちと走りながら合流した。
「何やらかしたんですか准尉殿!」
ウーが問い詰める。
「知るかそんなの!喧嘩っ早い連中なだけだよ!」
6人はそのまま林の中へ消えていく。
少し走って止まり彼ら自慢の猫耳をピクピクさせながら周囲の音を拾う。
「追ってはいないようですね・・・」
「そのようね」
フニャン達は敵がいないことを確認しつつ休憩する。
「准尉、お腹減って力でないですぅ」
アーニャン機の機銃手で最年少のティーチャがうずくまるように言う。
最悪の場合を想定して6人はまだ食料には手を付けておらず、澄んだ小川の水を飲んだだけだった。
「あ、アタイの、せい?・・・」
アーニャンは困った顔で顔を指でもじりながら言う。
「どうしますか、隊長?」
ウーも少しひもじそうな眼差しをフニャンに向ける。
フニャンは護身用の回転式拳銃をちらっと見る。
最悪、これで危害を加えて略奪するしかないのではないかと思い始めていた。
ただもう少しだけ踏ん張りたかった。
「諦めて向こうの山の麓まで歩きましょ」
「えぇぇ・・・」
フニャンの命令にフニャン機下部銃座の機銃手であるネッカがうなだれる。
しかしこればかりはどうしようもない。
夕方になり、ひもじい様子で一同は歩き始めた。
「ん?」
ウーが立ち止まり唸る。
「どうしたの?」
「なにか聞こえます。大声や叫ぶ声です」
皆耳をピクピクさせて聞き入る。
「確かにほんのわずかに声がする。さっきの集落の方だからアイツらあたし達を追撃する気かも」
しかし発砲も聞こえたので全く違う事態が進行していることはすぐにわかった。
「発砲?」
「行きましょ」
6人は集落へ向かう。
集落
集落は彼らと同じ種族の盗賊に襲撃を受けていた。
武装した住民は集落から少し離れた場所で戦っている。
鍬や斧で住民は応戦するが剣や弓やマスケット拳銃で武装する盗賊にはが立たず。あっという間に全滅する勢いで殺られていた。
「くそおおお」
ガタイのいい住民が斧を振り下ろすが盗賊は剣で斧を弾いて軌道をずらしてかわし反撃で一太刀入れる。
「ぐあああ」
盗賊の腕はかなり良かった。
「このまま畳み掛けろ」
生き残った住民は残り僅かだった。
これでおしまいと思える状況のなか銃声が轟く。
ドォォン。
マスケット拳銃を持った騎馬兵が馬から転げ落ちる。
「なんだ?」
盗賊が困惑するように叫ぶ。
銃声はさらにして弓兵が3人倒れ、うち2人がもがく。
騎馬兵が銃声がした低木々にマスケット銃を向けて突進する。
お互い姿を認識するが、フニャンが先手で発砲する。
一発外したが2発目が命中し騎馬兵は落馬して地面を転がった。
フニャンはすかさずリボルバーのシリンダーを開けて空の薬莢を捨てて弾を込める。
「やった。飛び道具を一掃した!」
ウーが叫ぶ。
ぞろぞろ盗賊が走って集まってくる。
タァァン、タァァン。
今度はアーニャンが別の角度から拳銃で銃撃する。
ドタドタと盗賊が倒れ幾人かは這いつくばったりうめき声をあげる。
「なっ、奴らじゅうを連射できるのか?」
「散って囲め!」
回り込もうとする盗賊に給弾を終えたフニャンが銃撃を浴びせる。
タァァン。
またバタバタと盗賊が倒れ茂みに突撃できたものもウー達が木の棒でカウンターを入れて倒れたところを袋叩きにした。
2人にまで激減した盗賊は勝ち目がないとばかりに走って逃げ始めた。
フニャンは走って追う。
防具を付けず瞬発力でも勝るアッテリア人のフニャンはすぐに追いつくと二人は反転してフニャンに急接近して一太刀入れようとする。
フニャンは一撃を避けてかわすとジャンプして盗賊の顔面を膝でキックする。
強烈なキックに盗賊はのけぞりながら倒れる。
最後の盗賊が着地した瞬間のフニャンに剣を振り落とすがフニャンは地面を蹴って水平にジャンプしてかわした。
着地したフニャンが振り返ると盗賊は剣を引っさげ今にも斬りかかる勢いで接近する。
フニャンは畑に着地したので地面が柔らかく初動では逃げかわせないと直感し畑の土を握って盗賊の顔面目がくけて投げる。
土は盗賊に直撃し視界を奪うが構わず剣を振り下ろす。
手応え無しと気づいた瞬間フニャンのミドルキックを頭に受け盗賊がよろめく。
そしてミドルキックからの側転蹴りを受け盗賊は完全にノックアウトする。
終わってフニャンが仲間に目を向けると皆ぽかんとこっちんを見ていた。
誰もこんなことになるとは考えていなかった様子である。
「...隊長って凄く強かったんですね...」
「...」
フニャンは黙ったまま尻尾を少しだけ振りながら視線を先程倒した盗賊に向ける。
のびてるだけで死んではおらず後でいろいろ聞き出すつもりで生け捕りにしたのだ。
「縛っておいて、ティーチャ」
「サーイエッサー」
ティーチャは緊張した面持ちで盗賊の持ち物から縄を出して縛る。
少し見渡すと盗賊は全滅したが戦った住民も全滅し、集落から火の手があがっているのも見える。
フニャンは少し悲しそうな表情をして言う。
「とりあえず集落へ」
「サーイエッサー」
皆がふざけたような返事をする。
しかし先程の格闘戦をみて思わず言っただけなのだ。
フニャンはキョトンとすると少しバツが悪そうな顔をした。
「まったく」
そう言うと歩き始めた。
集落では建物が燃え盛っており老人などの死体が転がっている。
フニャン達は火の中あたりを物色するが目ぼしいものは農具や家財だけだった。
「なんにもないですね。もう略奪された跡みたいです」
ウーがそう言うとアーニャンが答える。
「アタイが集落に声がけした時近くに誰かいた。多分あいつが村人を釣って奇襲する気だったんだろうね。その役回りをこっちが引き受けた形になったんだ。その間に別働隊が略奪ってところか」
「いない」
「?」
「子供と女がいない」
フニャンの発言にアーニャンが答える。
「人さらい...」
集落から少し離れた林の中
「何なんだよアイツら、馬鹿みてえに強いぞ」
「あんな連射のきく銃なんて聞いたことない」
「移動したほうがいい、連中追ってくるかも知れない」
「あいつら間違いない、異界の住民だ」
盗賊が怯えながら話していた。
「頭!」
盗賊が声をかけた方では女性の喘ぎ声がする。
「あっ、あっ・・・」
「うるせえな。ガキも他の女も手はず通り控えていた売人に売り飛ばしたんだ。足手まといはほぼいねえから馬に乗る俺らに追いつけるわけねえんだよ」
「でも馬二頭置き去りですぜ。アレで追ってくるかも」
「きゃっ」
盗賊の頭が抱いていた女を放り出し弱音を吐いた下っ端に近づく。
「ひっ」
スパーンと音を立てて下っ端の首が飛ぶ。
盗賊の頭はとても速く正確に剣を振って下っ端の首を落とした。
「文句のあるやつはいるか?」
全員だんまりを決め込む。
「それでいい」
頭は再度女性に近づく。
ただ頭を見るだけで騒ぐ様子は一切ない。
しかしその目はしっかりと相手を捉え何かを考えてるようにも見える
「ふん、利口なやつだ。まるで娼婦だぜ」
頭は懐からナイフを出すと女性に近づく。
しかしすんでのところで止まる。
「おい、見張りはどうした?」
頭がそう言うと下っ端が口笛を吹く。
しかし一切反応がない。
敵が直ぐそこにいることに全員が気づき、臨戦態勢を取る。
下っ端が火を消す。
その時フニャン達は見張りの口を手でふさぎ、首にナイフを突きつけていた。
「・・・」
フニャンはちっと言いたげな顔をする。
「まずいですよ隊長」
ウーが言う。
しかしフニャンはすぐに落ち着いて言う。
「敵が火を消した。まだこっちが有利」
今さっき盗賊が焚き火を消したことで暗視力で圧倒的に勝るアッテリア人にむしろ好都合な状況になったのだ。
「確かに暗くなったのにこっちが見えてなさそうだ」
フニャンは捕まえた盗賊を気絶させると集団に近づいていく。
「出てきやがれ、俺と勝負しろおおお」
盗賊の頭が叫ぶ。
しかしフニャンは相手にせず有効距離まで近づくと目つきを鋭くして銃を構える。
タァァン。
発砲音がすると盗賊の一人が倒れる。
盗賊は怖気づいて四方に逃げ始める。
しかし一人だけがフニャンめがけて走ってくる。
少し手前で待ち伏せていたウーが剣で先制するが敵の剣で防がれ勢い良くウーを弾き飛ばす。
ウーは弾き飛ばされると尻もち付いて痛そうにする。
見上げると巨漢が立って凄い形相で睨みつけている。
「いっ」
ウーはなわなわ震えて声を漏らす。
フニャンがすかさず頭領に発砲する。
頭領は一発目が脇にあたりグッっと痛い顔をすると巨大で頑丈そうな盾をフニャンに向けて突進してくる。
フニャンは続けて発砲するが盾を貫通し敵に当たっても威力減衰で有効打になっていなかった。
フニャンはジャンプして突進を避けようとするが僅かにかすめて弾き飛ばされ木に激突する。
「よくもやってくれたな!皆殺しにしてやるぞ!」
頭領はそう言うとフニャンに急速接近して斬りかかる。
フニャンはゲホゲホ言いながら苦しそうに拳銃を拾い頭領に向けると渾身の一撃で撃つ。
銃弾は頭領の右肩に当たりその勢いで剣の軌道がずれる。
フニャンは転がりながらぎりぎりかわして剣が木の根元切ると持っていた拳銃のグリップ根本で思いっきり頭領の顔面を殴打して手持ちのナイフを体に突き刺す。
頭領は左手でフニャンを再度弾き飛ばす。
失明確実の傷と腹部の傷から血がタラタラ流れていたがまだまだ動ける様子で木に刺さった剣を抜くとフニャンにそれを向ける。
フニャンは這いつくばっていて力が出なかった。
再度拳銃を向けて引き金を引くが撃鉄はカチカチ言うだけの弾切れ状態だった。
懐に手を突っ込むが残りの弾が四散してて吹っ切れたように銃をそっと投げる。
「へへ、俺の勝ちだ猫野郎!」
絶体絶命かと思われたがそれは唐突だった
頭領の腹から剣が突き出る。
振り返ると先程レイプした女性が背中から剣を突き刺していた。
「このクソ尼!」
頭領が少しかすれた声を上げる。
女性が剣を引き抜くと頭領が体を向けて斬りかかる体制に入ろうとするがトドメの一撃を先に食らわす。
「はああ!」
女性の一太刀で額に深い切り口ができ衝撃で頭領はのけぞって倒れる。
ううと声をあげてピクピクするがやがて反応がなくなった。
「はあ、はあ・・・」
女性は息が切れがちになっているがフニャンに歩いて近づき手を差し伸べる。
フニャンは女性を少し眺めてから手を取って立ち上がった。
先の戦闘で自機を失ったフニャン達は見知らぬ土地の草むらに潜んでいた。
不時着した時は僅かな非常食と緊急用の道具と護身拳銃を二丁しか持っておらず本国まで歩いてたどり着くには物資を調達する必要性をフニャン達は痛感していた。
周囲を歩いて1日すると集落を発見し様子を観察する。
いきなり会っては混乱が生じることを考え、会い方を検討した上でできれば彼らから平和的にものを調達したかったのだ。
集落の住民はネズミのような耳と尻尾を持った種族のようで自分たちより一回り身長が高く、文明レベルは近世並で農村なのか周辺の畑を耕していた。
陸軍の連中が異世界の知的生命体は下等生物だなんだと豪語してしていたが多少の差はあれ対して身体的な差はあまりないように思える。
どれくらい耳がいいのかはわからないが自分たちと同程度だと考え30mより先に近づくのは難しいと思った。
「隊長、どうするんですか?このまま待っててもどうしようもないですよ?」
ウーのいう通りアクションを起こさなければならない。
だが妙案が思い浮かばない。
「中尉、ここはアタイに任せてよ。アドリブは得意なんだ」
振り向くとアーニャンが近寄っていた。
その場で色々思考巡らせてみる、がアーニャンは一見勝ち気に見えるが賢く利口なので臨機応変に状況に対応できる柔軟さがあるので適任だと思った。
「いける?」
「もちろん」
接触はアーニャンに決まり、簡単な接触手順を決めて行動を始める。
フニャン達は援護できる位置に、アーニャンは移動すると見晴らしがよく雑木林に直ぐ逃げ込める土手から声を上げた。
「おーい!」
すると農作業していた住民数人が気づいてアーニャンを見る。
住民はすぐに集落の中心に集まりだした。
住民はしきりにアーニャンを見ながら話し始める。
狙い通りまずは相手に考える時間を与えることができた。
いきなり接触すればパニックが起きることも十分考えられるからだ。
向こうの集会は続きそうなので退屈になったアーニャンはアピールするようにあくびをして斜面に座り込むことにした。
そして周囲を見渡している時少し離れた草むらに人を発見し。
草むらに隠れるようにしてじっとこっちを見ていたので何をしているのか考えるが理由が思いつかない。
「だれ?」
アーニャンはポツリとつぶやく。
「・・・・!」
「・・・・!」
集会から掛け声がする。
偉そうな住民がみんなに呼びかけると腕の立ちそうな住民がぞろぞろと斧や鍬を持ってせわしなく動き始めた。
アーニャンはすぐにまずい状況になったと気づき口笛を2回吹く。
「やっば!」
アーニャンはそう言うと土手から下りて走り始めた。
雑木林に入るとすぐにフニャンたちと走りながら合流した。
「何やらかしたんですか准尉殿!」
ウーが問い詰める。
「知るかそんなの!喧嘩っ早い連中なだけだよ!」
6人はそのまま林の中へ消えていく。
少し走って止まり彼ら自慢の猫耳をピクピクさせながら周囲の音を拾う。
「追ってはいないようですね・・・」
「そのようね」
フニャン達は敵がいないことを確認しつつ休憩する。
「准尉、お腹減って力でないですぅ」
アーニャン機の機銃手で最年少のティーチャがうずくまるように言う。
最悪の場合を想定して6人はまだ食料には手を付けておらず、澄んだ小川の水を飲んだだけだった。
「あ、アタイの、せい?・・・」
アーニャンは困った顔で顔を指でもじりながら言う。
「どうしますか、隊長?」
ウーも少しひもじそうな眼差しをフニャンに向ける。
フニャンは護身用の回転式拳銃をちらっと見る。
最悪、これで危害を加えて略奪するしかないのではないかと思い始めていた。
ただもう少しだけ踏ん張りたかった。
「諦めて向こうの山の麓まで歩きましょ」
「えぇぇ・・・」
フニャンの命令にフニャン機下部銃座の機銃手であるネッカがうなだれる。
しかしこればかりはどうしようもない。
夕方になり、ひもじい様子で一同は歩き始めた。
「ん?」
ウーが立ち止まり唸る。
「どうしたの?」
「なにか聞こえます。大声や叫ぶ声です」
皆耳をピクピクさせて聞き入る。
「確かにほんのわずかに声がする。さっきの集落の方だからアイツらあたし達を追撃する気かも」
しかし発砲も聞こえたので全く違う事態が進行していることはすぐにわかった。
「発砲?」
「行きましょ」
6人は集落へ向かう。
集落
集落は彼らと同じ種族の盗賊に襲撃を受けていた。
武装した住民は集落から少し離れた場所で戦っている。
鍬や斧で住民は応戦するが剣や弓やマスケット拳銃で武装する盗賊にはが立たず。あっという間に全滅する勢いで殺られていた。
「くそおおお」
ガタイのいい住民が斧を振り下ろすが盗賊は剣で斧を弾いて軌道をずらしてかわし反撃で一太刀入れる。
「ぐあああ」
盗賊の腕はかなり良かった。
「このまま畳み掛けろ」
生き残った住民は残り僅かだった。
これでおしまいと思える状況のなか銃声が轟く。
ドォォン。
マスケット拳銃を持った騎馬兵が馬から転げ落ちる。
「なんだ?」
盗賊が困惑するように叫ぶ。
銃声はさらにして弓兵が3人倒れ、うち2人がもがく。
騎馬兵が銃声がした低木々にマスケット銃を向けて突進する。
お互い姿を認識するが、フニャンが先手で発砲する。
一発外したが2発目が命中し騎馬兵は落馬して地面を転がった。
フニャンはすかさずリボルバーのシリンダーを開けて空の薬莢を捨てて弾を込める。
「やった。飛び道具を一掃した!」
ウーが叫ぶ。
ぞろぞろ盗賊が走って集まってくる。
タァァン、タァァン。
今度はアーニャンが別の角度から拳銃で銃撃する。
ドタドタと盗賊が倒れ幾人かは這いつくばったりうめき声をあげる。
「なっ、奴らじゅうを連射できるのか?」
「散って囲め!」
回り込もうとする盗賊に給弾を終えたフニャンが銃撃を浴びせる。
タァァン。
またバタバタと盗賊が倒れ茂みに突撃できたものもウー達が木の棒でカウンターを入れて倒れたところを袋叩きにした。
2人にまで激減した盗賊は勝ち目がないとばかりに走って逃げ始めた。
フニャンは走って追う。
防具を付けず瞬発力でも勝るアッテリア人のフニャンはすぐに追いつくと二人は反転してフニャンに急接近して一太刀入れようとする。
フニャンは一撃を避けてかわすとジャンプして盗賊の顔面を膝でキックする。
強烈なキックに盗賊はのけぞりながら倒れる。
最後の盗賊が着地した瞬間のフニャンに剣を振り落とすがフニャンは地面を蹴って水平にジャンプしてかわした。
着地したフニャンが振り返ると盗賊は剣を引っさげ今にも斬りかかる勢いで接近する。
フニャンは畑に着地したので地面が柔らかく初動では逃げかわせないと直感し畑の土を握って盗賊の顔面目がくけて投げる。
土は盗賊に直撃し視界を奪うが構わず剣を振り下ろす。
手応え無しと気づいた瞬間フニャンのミドルキックを頭に受け盗賊がよろめく。
そしてミドルキックからの側転蹴りを受け盗賊は完全にノックアウトする。
終わってフニャンが仲間に目を向けると皆ぽかんとこっちんを見ていた。
誰もこんなことになるとは考えていなかった様子である。
「...隊長って凄く強かったんですね...」
「...」
フニャンは黙ったまま尻尾を少しだけ振りながら視線を先程倒した盗賊に向ける。
のびてるだけで死んではおらず後でいろいろ聞き出すつもりで生け捕りにしたのだ。
「縛っておいて、ティーチャ」
「サーイエッサー」
ティーチャは緊張した面持ちで盗賊の持ち物から縄を出して縛る。
少し見渡すと盗賊は全滅したが戦った住民も全滅し、集落から火の手があがっているのも見える。
フニャンは少し悲しそうな表情をして言う。
「とりあえず集落へ」
「サーイエッサー」
皆がふざけたような返事をする。
しかし先程の格闘戦をみて思わず言っただけなのだ。
フニャンはキョトンとすると少しバツが悪そうな顔をした。
「まったく」
そう言うと歩き始めた。
集落では建物が燃え盛っており老人などの死体が転がっている。
フニャン達は火の中あたりを物色するが目ぼしいものは農具や家財だけだった。
「なんにもないですね。もう略奪された跡みたいです」
ウーがそう言うとアーニャンが答える。
「アタイが集落に声がけした時近くに誰かいた。多分あいつが村人を釣って奇襲する気だったんだろうね。その役回りをこっちが引き受けた形になったんだ。その間に別働隊が略奪ってところか」
「いない」
「?」
「子供と女がいない」
フニャンの発言にアーニャンが答える。
「人さらい...」
集落から少し離れた林の中
「何なんだよアイツら、馬鹿みてえに強いぞ」
「あんな連射のきく銃なんて聞いたことない」
「移動したほうがいい、連中追ってくるかも知れない」
「あいつら間違いない、異界の住民だ」
盗賊が怯えながら話していた。
「頭!」
盗賊が声をかけた方では女性の喘ぎ声がする。
「あっ、あっ・・・」
「うるせえな。ガキも他の女も手はず通り控えていた売人に売り飛ばしたんだ。足手まといはほぼいねえから馬に乗る俺らに追いつけるわけねえんだよ」
「でも馬二頭置き去りですぜ。アレで追ってくるかも」
「きゃっ」
盗賊の頭が抱いていた女を放り出し弱音を吐いた下っ端に近づく。
「ひっ」
スパーンと音を立てて下っ端の首が飛ぶ。
盗賊の頭はとても速く正確に剣を振って下っ端の首を落とした。
「文句のあるやつはいるか?」
全員だんまりを決め込む。
「それでいい」
頭は再度女性に近づく。
ただ頭を見るだけで騒ぐ様子は一切ない。
しかしその目はしっかりと相手を捉え何かを考えてるようにも見える
「ふん、利口なやつだ。まるで娼婦だぜ」
頭は懐からナイフを出すと女性に近づく。
しかしすんでのところで止まる。
「おい、見張りはどうした?」
頭がそう言うと下っ端が口笛を吹く。
しかし一切反応がない。
敵が直ぐそこにいることに全員が気づき、臨戦態勢を取る。
下っ端が火を消す。
その時フニャン達は見張りの口を手でふさぎ、首にナイフを突きつけていた。
「・・・」
フニャンはちっと言いたげな顔をする。
「まずいですよ隊長」
ウーが言う。
しかしフニャンはすぐに落ち着いて言う。
「敵が火を消した。まだこっちが有利」
今さっき盗賊が焚き火を消したことで暗視力で圧倒的に勝るアッテリア人にむしろ好都合な状況になったのだ。
「確かに暗くなったのにこっちが見えてなさそうだ」
フニャンは捕まえた盗賊を気絶させると集団に近づいていく。
「出てきやがれ、俺と勝負しろおおお」
盗賊の頭が叫ぶ。
しかしフニャンは相手にせず有効距離まで近づくと目つきを鋭くして銃を構える。
タァァン。
発砲音がすると盗賊の一人が倒れる。
盗賊は怖気づいて四方に逃げ始める。
しかし一人だけがフニャンめがけて走ってくる。
少し手前で待ち伏せていたウーが剣で先制するが敵の剣で防がれ勢い良くウーを弾き飛ばす。
ウーは弾き飛ばされると尻もち付いて痛そうにする。
見上げると巨漢が立って凄い形相で睨みつけている。
「いっ」
ウーはなわなわ震えて声を漏らす。
フニャンがすかさず頭領に発砲する。
頭領は一発目が脇にあたりグッっと痛い顔をすると巨大で頑丈そうな盾をフニャンに向けて突進してくる。
フニャンは続けて発砲するが盾を貫通し敵に当たっても威力減衰で有効打になっていなかった。
フニャンはジャンプして突進を避けようとするが僅かにかすめて弾き飛ばされ木に激突する。
「よくもやってくれたな!皆殺しにしてやるぞ!」
頭領はそう言うとフニャンに急速接近して斬りかかる。
フニャンはゲホゲホ言いながら苦しそうに拳銃を拾い頭領に向けると渾身の一撃で撃つ。
銃弾は頭領の右肩に当たりその勢いで剣の軌道がずれる。
フニャンは転がりながらぎりぎりかわして剣が木の根元切ると持っていた拳銃のグリップ根本で思いっきり頭領の顔面を殴打して手持ちのナイフを体に突き刺す。
頭領は左手でフニャンを再度弾き飛ばす。
失明確実の傷と腹部の傷から血がタラタラ流れていたがまだまだ動ける様子で木に刺さった剣を抜くとフニャンにそれを向ける。
フニャンは這いつくばっていて力が出なかった。
再度拳銃を向けて引き金を引くが撃鉄はカチカチ言うだけの弾切れ状態だった。
懐に手を突っ込むが残りの弾が四散してて吹っ切れたように銃をそっと投げる。
「へへ、俺の勝ちだ猫野郎!」
絶体絶命かと思われたがそれは唐突だった
頭領の腹から剣が突き出る。
振り返ると先程レイプした女性が背中から剣を突き刺していた。
「このクソ尼!」
頭領が少しかすれた声を上げる。
女性が剣を引き抜くと頭領が体を向けて斬りかかる体制に入ろうとするがトドメの一撃を先に食らわす。
「はああ!」
女性の一太刀で額に深い切り口ができ衝撃で頭領はのけぞって倒れる。
ううと声をあげてピクピクするがやがて反応がなくなった。
「はあ、はあ・・・」
女性は息が切れがちになっているがフニャンに歩いて近づき手を差し伸べる。
フニャンは女性を少し眺めてから手を取って立ち上がった。
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「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
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クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
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皆さん勘違いしてません?
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45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
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コミカライズ企画進行中です!!
2巻2月9日電子版解禁です!!
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【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2巻出版!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
12日には、楽天koboにおいてファンタジー5位となりました!皆様のおかげです!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
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